罪の声のレビュー・感想・評価
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小説ではもっとアクティブな展開だった様な印象だったが映像化にはやは...
ストーリーがしっかりしている
小栗旬の演技が圧倒的。
新聞記者が主人公なんてよくある設定だけど、よくある安っぽい演技でなくて、超人的な解決方法じゃなくて、地に足ついて、いろいろな人が色々な立場から出てきて、演技もしっかりしていて良い味出してた。
初め、小栗旬と星野源がごっちゃになってしまったのと、初めに出てきたイギリスがついていけなかった。
テンポ良くあの事件が見えてくる
共闘とか反体制運動の延長としての事件
構成が上手く、登場人物をまとめる手腕も素晴らしい。
(脚本が野木さんだ! さすがです)
ずっと見たいと思っていたこれがNetflix にあって びっくりして即視聴。
本当に面白かった。
人の生きる道。人生。
何かをきっかけに狂う歯車。
「あなたはどんな風に生きて来ましたか」
その問いに対し、自分が今本当に幸せである事を噛み締めると共に、さらにその自分の幸福を自分の罪と思う苦悩。
「運が良いとか悪いとか、人は時々口にするけど
そう言う事って確かにあると あなたを見てて
そう思う」
無縁坂 の歌詞。これが最後に浮かんでくる。
ここ数年のコロナ騒動でも 運命を変えられてしまった人は少なからずいるだろう。
そこで体制批判をするのか
なんとか努力して持ち直す努力をするのか
人はそれぞれである。
自分の不遇を政治のせいにして、訴え続ける生き方や
その延長として警察や大企業に一泡吹かせたいと企てる。
それが他の人間や幼ない者の人生を狂わせる。
昭和はまだまだ、国家権力のもとに個人の幸福が踏み躙られる事も多い時代だったと言って良い。
今はもう 一国の総理であろうが
いや、総理こそが、
自分の身内や友人に少しでも有利な働きをすると
文春を始め様々な媒体がそれを追及し続け容赦がない。
そういう時代になった事が喜ばしい。
昔はスピード違反だろうが駐車違反だろうが
知り合いの警察官に言えば なんとかなったものだった。
行政機関や政治家に知り合いのいる強みというものがあった。
今 そんな事したら懲戒免職モノです。
私の知る限り、世の中は清廉潔白に向かっている。
少しでも間違うと、ネット上で総叩きにあい、そのミスはどんな事があっても消えない。
そして今では
能力さえあれば、様々な方法で金持ちになれるらしい。
親に金がなくても 能力と少しの運とそれなりの努力と
行動力と知識。
逆転が可能な時代である。
と言ったような事を見終えて思った。
深く考えさせられる内容
原作よりわかりやすく
いつも理不尽に犠牲になるのは「弱くて小さきもの」
本作は実際に起きた昭和の未解決事件をモチーフにした作品。
主人公は二人。
人の不幸に立ち入り、紙面を埋めることしか考えられなくなった自分に嫌気がさし、やる気も記者としての矜持も失ってしまった元社会部の新聞記者「阿久津」。
家族との幸せな日々の中あたたかくも慎ましく、父の意志を受け継ぎ、ブリティッシュファッションに惚れ込み確かな職人としての矜持を持つテーラーの店主「曽根」。
この全く交わるはずがなかった二人はかつて世間をにぎわせた昭和の未解決事件によって、引き合わされることとなる。
「阿久津」は前述の過去から当初は乗り気ではないものの、新時代令和を目前にマスコミの威信を懸けて、社を上げて改めて戦後最大の未解決事件の真相をあぶりだそうと立ち上げられた特別企画班のメンバーへ抜擢
対する、「曽根」はある日自宅の押し入れで見つけた自分の子供の頃の録音テープがかつての未解決事件の犯行に使われたものであることに気づき動揺、自分や親族が実はその大事件に深く関わっているのではないかと疑念を抱き、苦しみながらも亡き父の関係者を訪ね始める。
一方は新聞記者として。一方は自分を容疑者ではないかと疑う者として。
立場も動機も違い、別々に動いていた二人の邂逅は互いの欠けていた真実へのピースを持ち寄り、残りのピースを埋めるべく二人で「捜査」を始める。
多数の証人、そして近畿・中四国を中心に果ては東京、そしてロンドンに至るまで取材をしていくこの物語はついていくのがやっとなほど。
もう一人の「罪の声」の主というキーパーソンに会うまではさながら一向に埒のあかない警察の捜査や記者の取材を疑似体験しているかのよう。
深淵に沈んだ35年前の事件の真相解明は一筋縄ではいかない。
本作は我々に大きく2つのことを改めて訴えようとしていると感じた。
1つは、マスコミや権力の功罪。扱い方次第で、人々に怨恨を産みつけることもあれば、救済のため手を差し伸べすることもあるということ。
もう一つは、社会を担っていく大人たちがどこに重心を据えるかで、子供たちの未来が大きく変わるということだ。
人生とはその人に迫られる判断の連続の帰結であり、道を外すも踏みとどまるもその人次第だ。
ただ、本作はそうとも言えないのではないかと観ていて痛ましくなる。
全ては「理不尽」。
私は時間なんかで解決はされないと考えているし、この世は捨てたもんじゃないなんかとよくそんな呑気なことが言えるなと憤ることもしばしばある。
だからこそなのか、事実を明らかにすることに動く意義は確かにある。
それは苦しむ者が抱える胸のつっかえのようなものを取り除き、そして、大げさに言えばその人の救済にもつながるとも信じている。
「流行り廃りに左右されないで、頑固で慎ましい」
これは「ブリティッシュは人気がないか・・・」と年配の職人さんが嘆いた一言に対しての曽根のリアクション。ブリティッシュファッションへの愛が凝縮されたセリフだ。
この一言は
「本当の大人はこの世にいるのかと常々問い続けている」私にとっては
人としてのあり方の1つの「型紙」みたいなものを示してくれているような、
学校や自分の上の世代、力のある者たちが産み出した「既製品」のような生き方に無理に合わせなくてもいいと言っているような、
かなり拡大解釈し、無理やり結び付けているみたいで恥ずかしいが、そんな風に感じてやまない。
邦画の底力を見た
罪なき犠牲者
子供に焦点を当てたことは素晴らしいアイデア
時効になった大事件の真相に迫る物語。
グリコ・森永事件をモチーフにして、その真相を暴く映画です。
想像以上に良作で驚きました。
実際に死傷者が発生しなかった為に、私的にはそれ程興味を持てなかった事件。
その事件に、脅迫声明の声を充てた子供たちの苦難を付け加えたことで、とても深みのあるストーリーとなりました。
犯人の特定と、子供たちを探す道程・・・二つのテーマが無理なく共存し、サスペンスの面白さを盛り上げます。
また、犯人像の設定も秀逸でした。元々あった犯人像に、不可解な出来事の解釈を埋め込んだ設定は、現実の答えだとしても納得がいくものでした。
小栗旬や星野源をはじめとした俳優陣も素晴らしく、見応えのある2時間22分でした。
気になったのは、30年前の事件の真相に届くのが簡単過ぎるように思えたこと。
また、邦画あるあるですが、エンディングがくどすぎますね・・・星野と母親のやり取りは不快にすら感じられたし、娘のシーンも全カットで良かったように思えました。
配役が…
久しぶりに引き込まれるようにしてみた。
邦画にこんなに引き込まれたのは久しぶりだ。
俳優の演技力も、脚本も、京都 イギリス 明石大橋の背景の取り方も、子供たちの人生も、メディア側の勝手な理屈も、全て興味深い。
私は、学生運動は冷めた目でみていたけど、裏世界と政治経済の癒着には腹だたしい思いを感じていたし、マスコミの正義を振りかざしているつもりの自己正当化は、悪徳政治以上に大嫌いだけど、この映画は、そのどこに寄り添うでなく否定でもなく、そこを淡々と描いている所の新しさに引かれた。
令和の映画は、人に優しい。そして、ちゃんと考えさせてくれる。
実際にあったグリコ森永事件も、ひょっとしたらこの「罪の声」に近いところまで本当はわかっていたのかもしれない。
答えを知りたいと思い続けている私達にその裏側に近い世界を見せて描いてくれたのかもしれない。
そう思わせてくれた。
映画として面白いかと言うより
原作ファンの納得。
2017年のNo.1作品。なので、脳内のイメージが崩れるのが怖くて観てなかった。
そんな自分に空手チョップ級。
ボリュームあった原作を、どう2時間半ほどに作るのか。
映画では「脅迫電話に使われた“子供の声“の主たち」の今に焦点を当てる。
ここがわかりやすかった。
自分の過去を調べる声の主と、事件を調べる新聞記者。
二人目的は同じなので、だんだん訪ねていく場所が重なり。
「このまま事件を埋もれさせていいのだろうか」。
たくさんの証言者が出てきて、これは映像の方が格段イメージしやすい。
終盤大人の都合で、人生を変えられてしまった子供たち。
その姿が、痛ましすぎました。
原作と映像。2つで初めて「罪の声」という大作が完成した。
そんな気がします。
俳優陣も豪華でした。「ええ!」ってね(省略)。
もしかしたら今年のお家邦画No.1かもしれん。
あっという間の2時間半でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「「知らん方が、ええ時もある」。
ぐんぐん…
グリコ森永事件をモチーフにした展開で、冒頭から引き込まれた。父の遺品整理で見つけたカセットテープを聞いたら、幼い自分の声。しかし、それは30年以上前の未解決大事件に使われた犯行テープだった。記憶がないが、一体何のために、誰が自分に吹き込ませたのだろうか。。どうやら姿をくらました曽根の叔父が怪しい。不安な思いを妻や子供にも言えず、小さな手掛かりを元に真相に迫る曽根。一方、大手新聞社で令和という新しい元号を迎える前に未解決事件の特捜チームに入り、真相に迫る阿久津。マスコミの命題である、真実を究明すること、しかし、これは当事者にとって必ずしも正義ではなく、マスコミのエンタメに過ぎない、この一連の二人のやり取りはマスコミだけではなく、今のSNSでの個人攻撃への警鐘とも取れた。また同じく声を犯行に使われた子供である姉弟、姉は殺され、弟は地を這うように、隠れながら生きてきた。弟が過去を語るシーンは胸が詰まる。次第に犯行グループの全貌が明らかになりつつあり、曽根の叔父を追い阿久津はイギリスへ。叔父から全貌を聞くが、当時の権力への抗議、警察への抵抗をしたことで、それが元で人生を狂った人々がいることに罪の意識はないのかと憤る。曽根は母親からテープに吹き込ませたのは母親本人だったことを聞き、子供の、自身のことを犯行に使って罪の意識は思わなかったのかと憤る。この当時の学生運動、権力への抵抗、警察への犯行へ、何故曽根の叔父や母親が傾倒していったのが、表面的にしか描かれておらず、非常に残念だった。子供を犯行に使ってまで、世の中を変えたい、革命したいというのが単なる若気の至りだったのか、浅はかな気がしてならず、原作は違うのだろうか。尺の都合なのか、尻すぼみだった。宇崎や梶芽を起用していて勿体ない。
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