罪の声のレビュー・感想・評価
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意義のある映画
「グリコ・森永事件」を題材にした小説を小栗旬さん、星野源さんのW主演で映画化した今作。
他キャスト陣も実力者揃いで安心して見ることができました(上から目線ぽくてすみません)
W主演ではありますが、前半では小栗さんと源くんは交じらわず、それぞれで事件を追い始めます。
今作はこの2人の軸を行ったり来たりするのが上手かった。
いいテンポで切り替えてくれるので混乱もしにくく、2人が出会った時は話が加速して行く緊張感がありました。
登場人物は多いですが、演じられている皆さんが特徴的な方々であり、取材内容もわかりやすかったので居眠りしなければ置いて行かれることはないと思います 笑
観た人の多くはどちらかと言うと源くん演じる曽根俊也が印象的ではなかったでしょうか?
小栗さん演じる阿久津英士もいい役でしたが、記者という立場である為感情の比重は前者の方があったかと。
自分が知らない内に事件に加担してしまっていた俊也はショックを受けますが、同じ立場である生島望、聡一郎姉弟の事件後の境遇を聞き、さらに罪悪感を抱きます。
とても人間らしい。いや、日本人らしいと言った方がいいのかな。
個人的には「うわぁ…そうだよな…」と遺伝子レベルの共感シーンでした。
話の大半が取材で進行して行きます。
主人公が警察や探偵であれば合間にアクションが入ったりしますが、取材取材取材の繰り返し。
正直長く感じる瞬間はありましたが、最後にこの一連を見事にまとめてくれて昇華されました。
2時間20分強と物理的に長いのは確かですが、最後まで見届ける価値は大いにあります。
Voices of Sin
小栗旬さんの普通の演技が良かったな。
皆、関西弁の話しは難しいね😀
ギンガ前で会えなかった姉の友人の告白とずっと抱えている思い、その当時の姉の状況を告白する弟に切なすぎて涙が。二人とも自分だけで抱え込むしかなかった辛い状況がひしひしと伝わったな。
母と息子の再会、少しだけだけど救われたのかな😂
子供たちには罪は無い
報道も警察も劇場型犯罪に翻弄された上に、唯一の手掛かりである「キツネ目の男」に(結果として)踊らされた未曾有の未解決事件を題材に、視点を変えテープの声の主である子供たちにスポットを当てた作品を見事なまでに映像化し、記者と第3の子供の心の機微を主演の小栗旬と星野源が見事に演じ心に残る作品へと昇華させている。終盤の回想シーンが冗長的で長く感じ作品の印象が薄まった感はあるが… あくまでも個人的意見だが日本アカデミー賞の作品賞と主演ならびに助演賞にノミネートされるのは間違いないと思うし、若しかすると最優秀主演男優賞に輝くのも夢ではないと思う。
予想以上
当時のグリコ森永事件を記憶している世代にはとても心に刺さる内容
事件に関与している登場人物が多いのにも関わらず、二時間ダレることなく集中して観られた
主演の小栗旬、星野源二人とも素晴らしかったが、脇の役者陣も適役で特に姉弟二人にはめちゃくちゃ泣かされた
一つ言うとしたら100%グリコ森永事件をモチーフにしているのに、企業名を架空の名前にしているのはどうなのか?
原作ありきのフィクションだから難しいのだろうが、やっぱり無理なのかな
限りなくホンモノに近いフィクション
実存する未解決事件を扱ったサスペンス映画であり、豪華キャスト・スタッフが作られているということで今年必見の1本だと思っていたので観ました。特に、野木さん脚本の映画ドラマはヒット作ばかりでどれも面白い!という要素強めで観にいきました。
感想
素晴らしかったです。この映画を観るためにグリコ・森永事件を大雑把に調べたのですが、序盤の事件概要の説明は実存する事件そのものでした(映画では銀河・萬堂事件、犯人は怪人二十一面相→くら魔てんぐなど)。別名に置き換えられているだけで、ノンフィクションな部分なので緊張感が凄まじかったです。その後の今作の事件解決に向けた動き、真相もコレが事実だったのでは⁈というほどにリアリティがあり、目が離せませんでした。
今作のメインキャラである俊哉と阿久津のバディ感が緊張感を緩めてくれて、所々温かい気持ちにしてくれたのも好感触です。
真相についても、やるせない苦しい気持ちになりました。ラストは感動しました。
野木さん、流石です!
子供たちの人生が報われることを祈ります。
総評
フィクションなのに、ノンフィクションドラマの様な緊迫感に圧倒された。何故、この事件を解決できなかったのかと思ってしまうほどに熱中できた。
最後に、仮にモデルになった実存の事件の犯人が生きていたとして、今作を観ていたならどう思ったのだろうか⁈気になります・・・。
展開を追うのに少し苦労するものの、運命を狂わされた人々の苦悩が十二分に伝わってくる作品
小栗旬演じるちょっと拗ねた感じの新聞記者と、物静かだが芯の強い、星野源演じるテーラーという、主人公二人をはじめとした、俳優達の見事な演技が光る作品です。最も感情を揺さぶる演技を見せるのは、生島望演じる原菜乃華で、出演時間自体は短いものの、強烈な印象を残します。
本作は1984年に起きた『グリコ森永事件』に着想を得た同名小説を原作としており(実際の事件名を伏せている解説や評論が多いのだけど、何か決まり事でもあるんだろうか?)、一応「フィクション」と銘打ってはいますが、本作の事件描写はかなり実際の事件に忠実なものとなっています。
物語の発端となる録音テープは早い段階で登場するため、何のために誰が作ったテープなのか、未解決となった事件の真相は、といった、物語上の謎を解き明かしていく本題に最短距離で突入します。土井裕泰監督の演出は無駄がなく、前述の通り演技巧者の俳優揃いのため(梶芽衣子の演技も素晴らしいし、佐藤蛾次郎、火野正平の元気な姿を拝見できたことも嬉しい!)、比較的長い上映時間に退屈を感じることはありませんでした。
ただ、それでも膨大な要素を上映時間内に収めきれなかったのか、主人公二人が行く先々で随分都合良く手掛かりを見つける都合良さが目に付いたり(台本の練れていない推理アドベンチャーゲームをしているような気分になることも…)、「父の○○の兄弟の△△の子供の□□」とか、台詞上での人物関係の説明が多く、特に中盤までは頭の整理が追いつかない状態でした。映像で状況説明している場面も多かっただけに、丁寧すぎる説明台詞が、かえって展開の足を引っ張っていたようで残念。
映像は全体的に抑えた色調と柔らかな光源が多く、人物の顔に陰影を付けることで、彼らが引きずっている人生の影をとても上手く表現していました。特に宇野祥平演じる生島総一郎の登場場面は、ちょっとやり過ぎなほど彼の鬱屈を描いています。一方、昭和時代の描写はちょっと色があせてほこりっぽい感じを強調して現代と描き分けられていたり、テーラーの店舗はちょっとイラストと見紛うばかりに鮮やかで美しかったりと、場面毎の映像技術、美術共に素晴らしいです。
『グリコ森永事件』を下敷きにした作品としては、高村薫原作で映像化もされた『レディ・ジョーカー』などがありますが、『レディ・ジョーカー』の方は犯行グループと警察に焦点が当てられていた一方で、本作はむしろ犯行に巻き込まれて人生を狂わされた人々が描かれているという違いがあります。しかし興味深いことに、事件の過程で犯行グループがどう変質していったのか、という語りには似通った部分があります。そのため、この二作に目を通すことで、互いの作品への理解がより深まるかも知れません。
結末はちょっと踏み込みすぎ、まとめ過ぎな感もありますが、それを差し引いても十分見応えのある作品です。
「怒声」から「悲鳴」へ…
当時の〈若者〉達が起こした学生運動は
社会や警察に立ち向かうために起こした「歓声」かもしれない…
しかしその声は〈大人〉になった今でも残し続けたせいでいつのまにか周囲を巻き込む「怒声」へと変貌し、
巻き込まれた子供達は「悲鳴」すら上げられず
理不尽に苦しみ続けたのだと思うと胸が苦しくなる、
そんな作品でした。
80年代当時は今となってはあらゆる記録としてしか残されていないが
フィクションでありながらも現代でも隠されている
事件やそれに苦しんでいる人はどこかでまだ「呻き声」を発しているのだと感じると
それを聴き逃してしまうのは「罪」なのかもしれない。
それはそれとして
「アンナチュラル」や「MIU404」の俳優達が脇を固めて野木さんの脚本作品のファンも楽しめる作品です⚡️
最後までわからないサスペンスと人間の葛藤
グリコ・森永事件が元になっています。懐かしい。たしかに大事件だった。
スタートから最後までとても楽しめた。
犯人は誰なのか、、、というサスペンス要素はもちろんですが、人間の葛藤のようなものも描かれています。
確かに、、切ない。
おふたりはもちろんですが、宇野祥平が良かったです。
テンポがとても良いので、間のびせずに、どんどんストーリーが進んでいきますが、ひとつの手がかりが行き詰まると、次々と手がかりが見つかっていくがちょっと気になりますが、2時間映画なのでこれで良いかと。
実在の事件を元にしていることで、リアリティがある。あと、学生運動の辺りがかなり好き。
私の母も学生運動に参加していたらしい。ちょっと怖くて、詳しくは聞けなかったけど。亡くなるまでずっと選挙はあの党に入れ続けていた所をみると、全てが過去のことと思っている訳では無い、、、と。
もちろんテープに私の声は録音してないですが。
犯人にも理解ができる。当時であれば、大義名分があるのでそういう考え方になるのもわかる。
でも、そのために犠牲になってきた人がいることまで、想像できなかったんだけど。共感してしまうところもある。
Uruの歌も良かった。
大満足でした。
選べなかった未来
大人の欲と自分勝手な正義感の犠牲となった子供たちの未来には目を覆いたくなるシーンも多く、切なくなりました。
最初は登場人物が多くてついていくのに必見でしたが、野木さんの脚本なので見応えたっぷりで、重厚感ある映画になってると思います。
テーラー役の星野源さんのスーツ姿もなかなか素敵なのでこちらも注目して頂きたいです。
実在のグリコ森永事件をモチーフにした本作品をただのエンタメに終わら...
実在のグリコ森永事件をモチーフにした本作品をただのエンタメに終わらせない野木さんの脚本。ファミリー総出演。
ロケ地が近所やと嬉しいけど、東京の人はいつもこんな感じなのか。
よもや!よもや!だ!❓❓
まず、関西人なら源の方言が外国人レベルの違和感を感じてるでしょう、最後まで何か仕掛けかと思うほど。
原作から、声のエピソードだけデフォルメする違和感も相当です。
そんなので人生狂うなら、なんでも人のせいにできますから。
犯人の造型もいい加減です。
点数は子役の演技と最後の歌だけのものです。
あまりのチープさに愕然としましたが、回想シーンの人の演技が秀逸でした、それと子役の演技は抜群です。
過去の事件を過去だけのものとしない映画
あれだけ情報量の多い原作を140分の映画として脚本にまとめる野木さんの素晴らしさと、それを映像として生きたものにする土井監督、役者の方々がとても素晴らしかった。
過去の未解決事件をモチーフとしているフィクションの原作だが、まるでその結末が実際のものではないかと思うリアリティは映画でも伝わってきた。
この映画、原作の素晴らしいところは、今日もどこかで事件はおきていて、被害者と加害者がいる。
そして、その周りには家族や恋人、友人と関わる人々がいて、悲しみや苦しみは被害者と加害者だけのものではなく、今という時間だけのものでもない。
悲しみを背負い、未来を生きる人がいる事を私達はどう受け止めるかを考えさせられる。
もし、自分の幼い頃の声が事件に使われていたら、
もし、自分の家族だったらと考えたら中盤から終盤にかけては胸が苦しくて度々、涙が溢れた。
紛れもなく、過去の話で終わらせない素晴らしい今の映画だった。
役者の方々の顔をうかべながら、また原作を読もうと思う。
(ノД`)大人達のたかぶり、、、。
予告でもわかるようにグリコ森永事件を題材した知らぬ間に事件に巻き込まれた子供達の話です。脅迫文の録音を知らぬ間にしてしまい大人になった青年がひょんな事から事件の全容を知ることとなる。3つの脅迫文と3人の子供たち、姉弟は不遇の人生、、、姉は死亡、弟は流浪の人生、主人公は大人になって初めてその事件を知り真相に近づいていく。
最初から主人公の叔父が犯人である事が完全に分かり、全然おもしろくないんじゃないの?と思っていましたが、そこからの事件の全容解明に完全引き込まれます。こうゆう映画ってよくよく考えると辻褄が合わないんじゃないのという事があるんですが、主人公の星野源と新聞記者の小栗旬がこの事件でつながるまでが自然で、この事件の全貌も納得いく流れです。緻密な脚本です。そして意外な人物が事件に絡んでいる事に気づき、、、、。
面白い、ホントに見入ってしまった。星野源ともう1人生き残っている子供が間一髪で出会う事ができ本当に良かったと思う。不遇の人生には涙、死んでしまった姉に涙。
原因は大人たちのたかぶり、、、、つまらない罪によって関係ない人間が生き地獄を味わう事は許せん事でありましょう。しかしながらこの大人たちのたかぶり、、、わからない訳でもない。違う見方をするのなら不遇の人生を送った姉弟達の自力はいかがだったのだろうか?運はどんなもんだったのだろうか?
現に自殺しようとしていた弟は主人公と出会って命を繋いだ。土壇場で神に救われたのだ。
私は個人の自力と運を信じたい。
サスペンス・ミステリー的要素は少なめ
小栗旬の記者役はハマってましたね。
星野源のテーラー店主役も似合っていました。
素晴らしいキャスティングと演技に大満足。
周りを固める役者さんも火野正平、橋本じゅん、正司照枝など良かったです。
ただ映画は無駄な場面も多く、サスペンス要素を含みつつもココ一番の盛り上がりという箇所もなく、どんでん返しがあるわけでもなくといった感じでした。
何を期待して観に行ったかによって感想が大幅に変わるかもしれません。
私はサスペンス・ミステリーを期待していたので、ハズレっぽい。
長すぎる時間を2時間以内にまとめることで、もっと良い映画になった気がします。
それにしても「割烹しの」の板長さん、すぐに喋っちゃいますね(笑)
キャスティングに☆を追加しておきます。
声の重み
実際に起きた未解決事件を元にした小説を映画化。
なんて辛いストーリーなんでしょうか。
主人公2人の掛け合いがたまにほっこりさせてくれるけれど、2人が進んでいく事件の真相は進めば進むほど苦しくなるものでした。
この子達には決して罪はないのに。
ただ意味もなく読んだこの声はこんなに人生を左右するものになってしまうなんて。
そしてその声は色々な記憶を思い出させる大事なものにもなっていたり。
心変わり?
1984~5年に起きたグリコ森永事件をモチーフにした「ギン萬事件」という事件で、脅迫テープに声を使用された子供たちのその後の苦悩を描いた話。
亡き父親からテーラーを継いだ30代の男が探し物をしていると天袋にあった伯父の荷物から自分の幼い頃の声が入ったテープと事件に纏わることが記された手帳を発見し巻き起こっていくストーリー。
事件との関わりを知り、苦悩し、関係者を追って事件の詳細や真実を知ろうとする姿や、記者とのやりとり、そしてみえてくる真相は見応えがありとても面白かった。
しかしながら、主人公の苦悩はどこ行った?
何も救いの描写なかったのになんでそんなにすっきりしてるの?
他の2人と比べたらまし、程度の言いきかせしかなくないですか?
その家族も大人しくしてたら…とか、ちょっと都合良いし。
終盤の説明パートもちょっとムリがあったり説得力に欠けたり、ミステリーとしてはイマイチだったかな。
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