「過去に翻弄された人々」罪の声 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
過去に翻弄された人々
1984年に実際に起きた「グリコ・森永事件」を
モチーフにしています。
ヒューマンミステリーです。
映画の視点が一貫してブレずに最後まで押して行く。
その姿勢がそしてエネルギーが感動を呼びます。
素晴らしい作品、感動しました。
犯人は怪人21面相と名乗り、警察・マスコミを巻き込んで、
お菓子に青酸カリを混入させて、企業を脅迫し、日本中を
震撼とさせた未解決事件です。
何故、今更30年以上前の事件を掘り起こすのか?と、
疑問に思いながらも奔走する記者・阿久津に小栗旬。
妻と娘と平穏に暮らしていたテイラー・曽根を星野源。
曽根はある日押し入れから見つけた古いテープの声。
それが自分の5歳の時の声で、あの日本中を震撼とさせた
未解決事件の脅迫文とそっくり同じ内容と知り
愕然とします。
自分はあの事件に加担していたのか?
声を使われた子供は3人。
あとの2人どうしているのか?
曽根の心は、自分以外の2人に注がれていくのです。
犯人が誰なのかはどれほど重要ではなく、
あの時声を使われたの子供3人が、
その後、幸せになったか?
あの事件で人生を変えられてしまったのではないか?
焦点はそこに絞られていきます。
現実に今、中年過ぎになった彼ら3人。
生きていればるのでしょうか?
とても心配になりました。
事件は戦後最大の未解決事件で、既にとっくに
時効が成立しています。
犯人グループの真の目的は株価の操作による利益、
それを狙って菓子に毒を入れたのではないか?
とも囁かれています。
もうとっくに時効も成立。
もうどうしようもないのですが、
しかしこの事件は調べれば調べるほど闇が深く、
人の心を惹きつけ捉える魔力があります。
無血。
表面上は血の流れなかった事件ですが、
犯人たちは仲間割れで、殺し合って、
死んでいるのかも知れません。
最初にしたもの勝ち。
あれだけ日本中を騒がせて未解決の事件もそうないです。
取材によって情報収集した得た客観的事実をつなぎ合わせるようにして作ったフィクションは、説得力があります。
もし自分の家でこんなテープを見つけたら…
この発想がこの作品ですが、いち早くそこに気づき作品に仕上げた作家の勝ちですね。
おっしゃるとおり株価の操作で間違いありませんね。ですから【絶対に誰も食べないように】危険表示したのかと思います。意外に相当の策士なので無益な争いはしてないカモですね。なんか星野源の行動のフットワークの軽さが、ハテナ❓でした。レビューは書いていませんが、舞台挨拶付きで劇場で観ました。😊😊😊