「子どもの声と夢」罪の声 ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもの声と夢
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冒頭、自分の声が犯罪に使われていることに気づく瞬間は鳥肌で、怖い。最初から引き込まれる。
2人の視点から同時に事件が見えてくる。中盤、その2人が出会うシーンはすごい。そこから物語がさらに加速する。
3人の子どもは、あの声のせいで一生苦しむことになり、そのうちの1人は命を落とした。しかし、最後のぞみとそういちろうの母親は、あの声のおかげで、再び娘の存在を実感できた。これがなんとも皮肉的で示唆にとむ。録音された声は、それが人を苦しませることにもなるし、人に救いを与えることもできるのかもしれない。
曽根俊也の妻が、娘に対して『今はなんでも夢を持った方が良い』みたいなことを言っていて、それが意外な伏線だった。
声に使われた生島望は、翻訳家になりたいという夢を叶えられずに亡くなった。犯罪グループの一番の罪は、子どもの夢を奪ったことである。望の『夢を諦めたくない』という言葉がすごく刺さる。
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