「この作品で最も光っていたのは原菜乃華さんでした。」罪の声 k _さんの映画レビュー(感想・評価)
この作品で最も光っていたのは原菜乃華さんでした。
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今の時代には触れることのあまりないステレオタイプのラジカセから聞こえてきた子どもの声。
物語の始まりはホラー要素ともとれる鳥肌が立つような展開で、ぞわぞわっと静かに恐怖を感じながら観ていました。
小栗旬さん、星野源さん、市川実日子さんなど豪華な面々のお芝居が素晴らしいのは勿論のこと、この作品で最も光っていたのは原菜乃華さんでした。
この作品で、初めて彼女の存在を知りました。
電話のシーンで目から零れ落ちる涙は、感情の結晶がぽろぽろと落ちていく様に一粒一粒が貴重で、痛くて、
ごく普通の少女だった彼女が知らぬ間に事件に関与していた悲しさ、絶望感、夢と現実、家族もすべてばらばらになってしまったその様は本当に残酷だった。
離して欲しい、自由になりたい、と願った彼女は離されたことでこの世にいられなくなってしまった。
彼女にとってもそれは望んでいなかった自由。
救いようのない結末だった。
周りから鼻をすする音が多く聞こえてきたのがこのシーンでした。
脇を固める役者が決して脇ではなかった。
宇野祥平、若葉竜也、篠原ゆき子、阿部純子と
…出るわ出るわ豪華な面々。
テーマが重く、疲れてしまいそうな内容にも関わらず、実力派のキャスト陣のおかげで集中力が途切れず見続けられたと思う。
曽根の妻の話を車の中でしていたシーンで出た
「厳しいんですね」「優しいんですよ」
阿久津と曽根のこのやりとりが妙に残っている。
名言を生み続ける野木亜紀子さんらしい、深みのある台詞だと感じた。
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