「リアリティを追求した作品」罪の声 海堂さんの映画レビュー(感想・評価)
リアリティを追求した作品
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原作を映像化すると、イメージと異なり世界観が変わってしまうことが少なからずある。この作品は映画としての完成度が高い。原作が未読の私にも、十分伝わってくる。細かいディテールにも拘りが見える。例えば小栗旬の着用するスーツやコートが所謂既製服の感じを出している。身体にジャストフィットしていないのだ。ショルダーバッグにしても、ロゴを掠れさせて使用感を出している。それに比べ、星野源の服装はテーラーの主人であるため、肩から袖口までピッタリサイズである。
事件の真相が、この通りなのではないかとも思わせてしまう内容。ストーリーは実に練られており、事件を詳細に調べた上でのものであることが伺い知れる。事件は世間に知らされていないことが多かっただけに様々な憶測が飛び交い、捜査も混乱し、未解決に至ったのであろう。
役者としての宇崎竜童がはまり役。素人感がある演技が却ってリアリティを醸し出している。最期まで逃亡する人物像に相応しいとさえ思えました。
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