「久々にずっしりくる作品だった。」罪の声 キッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
久々にずっしりくる作品だった。
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3億円強奪事件のように解決していない事件があるが、グリコ森永事件もその1つで、それをモチーフにした作品。
背景としては1970年代の大学闘争で警察や政府への不満からの運動がすべての発端となっている。そこから警察を翻弄させるために社長誘拐事件、食品会社への脅迫状、身代金要求を思いつく。そこから仲間が集まるものの、警察を首になった人、やくざ、車に詳しい人、通信系に強い人、などまとまることのない集団で、内紛で殺される、家族が夜逃げする、ということも起こる。
錚々たる理念と理想をもち活動していくのが良いかどうかは別として、それによって何十年も苦しむ家族や下の世代がいるということも忘れてはならない。
自分が脅迫電話の声だったことを成人して知った時の思い
自分の母親が学生運動に参加していて、事件にも間接的に関わっていることを知った時の思い
自分の叔父が事件を起こした張本人だと知った時の思い
警察官の妻から犯罪者、殺された者の妻になった時の思い
姉を目の前で殺された弟の思い
友だちと待ち合わせしていたら、殺されていて待ち合わせに来れなかったことを知った友人の思い
いろいろな立場でこれは見ることができる作品である。
その中で、宗一郎の立場で考えると、やりきれない思いになる。
時効になっているのに真実を暴くことは世間のためか、記者の自己満足のためか。それは各々に答えは任されているが、それの答えは記者ではないだけに分からない。
おそらく50代以上の世代だと、おぉ!と思う往年の俳優さんがずらりと出てて、ちょい役であっても存在感は抜群。
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