「その時、人は「奮い立っちゃう」んだろうなぁ。」罪の声 Maquinasさんの映画レビュー(感想・評価)
その時、人は「奮い立っちゃう」んだろうなぁ。
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話題になっているという点、野木亜紀子さんが脚本をされているということぐらいしか頭に入れず、映画を鑑賞しました。完全オリジナルなのかと思いながら見ていて、エンドロールで原作があったことを知ったぐらいでした。すみません、不勉強で。
隙のない、素晴らしい映画だと思いました。
『スパイの妻』が映画らしい(?)余白の多い、色々な見方ができる映画でしたが、こちらは多くの情報を分かりやすく伝えてくれた、いい意味で対照的な映画だと感じました。
この完成度は原作、監督、脚本、俳優さん、現場スタッフの方たちのしっかりとした連携や協力、コミュニケーションがあってできたものだろうと、勝手ながら想像します。ビッグリスペクトです、はい。
ただ、一点、学生運動が犯行の動機となる点は、私なりの解釈をしました。
学生運動の時のあれこれが動機となる物語はたくさん見てきましたが、正直40代の私にはまったくピンときません。なるほど、少し上の年代の方には、それほど深い傷をのこしたというのはわかっても。
私自身を納得させる言葉としては、犯人たちの「奮い立つ」というセリフでした。
今も昔も正義と思ってやった行動が実は…というのは多いですが、それを今風の事象に当てはめれば、あえて詳細は言いませんが、ここ1~2年でも個人単位、もしくは誰かに乗せられて「奮い立った」結果、とんでもないことになったという出来事は後を絶ちません。
主にネット、SNSの世界で。
舞台や時代は変わっても、そして、その人がどれだけ年齢を重ね、人生の経験を積んでいても、この熱く燃え上がる感情が時に目を曇らせるという、その怖さに思いを至った次第でした。
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