劇場公開日 2020年10月30日

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「実在の声の主の苦悩」罪の声 アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5実在の声の主の苦悩

2020年11月10日
iPhoneアプリから投稿

 当時世間を騒がせたグリコ森永事件。当然知っていたけど子供の声の事は原作を読むまで知らなかった。未解決で時効を迎え、被差別部落説・裏取引説・株式操作説・北朝鮮説等あったけれど、本作は株操作、怨恨説で
話は進んで行く。作者は元新聞記者との事、作者の思う犯人像、犯行動機なんだろう。(私の憶測ですが)
 事実とフィクションが上手く繋がっていて、オランダのハイネケン誘拐事件をこう絡ませるんかいっ!面白い。アンソニー・ホプキンスの「ハイネケン誘拐の代償」を思い出した。
 フィクションだろうが、生島家の親子の人生が辛すぎて、、、死んでしまった希も、母親がイジメられるのを見せられ、置き去りにして逃げるしかなかった総一郎も勿論母親もなんて気の毒なんだろう。希の同級生も30年以上も誰にも言えず秘密を抱えて辛かっただろう。
 総一郎に、あなたはどう過ごしてきたのか、と問われた俊也が言葉に詰まる場面も悲しい。声の事も覚えておらず、今まで幸せに暮らしてきた事は流石に言えない。俊也は何も悪く無いのに。
 もし、本当の犯人が映画の様に外国で暮らしていればいいと思ってしまう。日本にいない間はカウントされないなら逮捕される事もあり得るんですよね?
 子供の声が使われたのは事実で、親なのか親戚なのか他人なのかは分からないが、残酷な事をしたものだ。子供を事件に巻き込んで、親だとしたら信じられない。
声の主は今も何処かで苦悩しているのかと思うと辛い。本が出版されたり、映画が出来たり、触れたくなくても目に入るし耳に入るだろう。
 罪深い犯人は死んでいるかもしれないが、何処で何をして、何を思って過ごしているんだろう!
 話は逸れるけれど、総一郎の子供の頃の子役が星野源に似ていた。今後、星野源の幼少期は彼が演じれば問題なし!

アンディぴっと
グレシャムの法則さんのコメント
2020年11月10日

ほぼ同時期に『鬼滅の刃』を観たので、煉獄さんの生き様からも強いメッセージを受け取った気分になりました。
親が、大人たちが、子供の盾にならなくてどうするんだ‼️
ましてや子供の未来を奪う権利なんて絶対ないですよね。

グレシャムの法則