あなたの名前を呼べたならのレビュー・感想・評価
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おかえりなさいませ!ご主人様
またもやムンバイ映画。この2ヵ月で3本目の鑑賞となりました。それぞれ全く違う映画ではありますが、根底にあるのは古いカースト制度による身分の差が根強く残っているのが浮き彫りにされてるところ。今作では、メイドとご主人様がメインになるのだから、その設定の段階で格差社会が描かれているのです。
ところがもう一つのテーマとして、田舎の方では「未亡人」になったら未来がないと周囲から見られるしきたりがあること。完全に男尊女卑の負の精神までもが残っていることに驚かされました。ファッションデザイナーになるという夢を持ちながらも、田舎にいては就職さえ無理っぽい。都会に出て生まれ変わらなければ何もできないのだ。
そんな人生を半ば諦めているラトナと、結婚が破談となったご主人様の共同生活。寂しさを埋めるかのようにラトナにミシンを買ってあげたりするところで、もう涙腺が緩んできます。どこへ行くんだ?ラトナ・・・都会の人間が思いがけなく皆寛大で優しいことにも気づかされ、人生捨てたもんじゃない!と理解する。勇気をもって生きよう。そう思える映画でした。そう、braveは勇気があるだよ!
こんな物語がインドに溢れますように。溢れて溢れて溢れて、日常になります様に。
ヤ ラ レ ターーー、また。最後の最後に。インドのインド人のインドなカースト格差純愛もの。なんなんだよ、この一瞬芸。瞬間爆泣。
原題は「SIR」。これに「あなたの名前を呼べたなら」なんて邦題つけた所にスケベ根性を感じました。泣かす気マンマンマンマン過ぎるって。で、まんまと引っかかってしまう俺。詳細は丸々割愛するけれど。
良かった、とっても!
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10月16日 追記
インドって難しい。憲法には、カースト差別の禁止が明記されていますが、厳しい差別は現存しており、深刻な貧困はもちろんのこと、時に残虐な殺傷事件を引き起こしています。
カーストの更に外側に置かれた、不可触民のことを「ダリット」と呼びます。馬を所有していたとして撲殺された若者。姉妹との交際を疑われ、首を斬られ焼き殺された青年。上層階級の女子と話しているところを見られ、リンチの末に殺された少年。容疑者の殆んどは、無実で釈放されています。これらはダリットと呼ばれる人々の生活の現実です。
カーストの内側であれば、はるかに幸せだと言える。
ラトナとアシュヴィンの格差の現実は分らないけれど。混ざってしまえばいい訳で。というか、混ぜこぜにしちぇえ、って思う訳で。100年掛けて。足りなければ200年でも300年でも掛けて。憲法では、歴史が築いた壁を壊せないから。
壁を壊せるのは、やっぱり「愛」だよね。って言う物語は、おフランスなサラサラとした演出で、見る人によっては「物足りない。盛り上がらない。」かも知れません。いや、これ、韓国や日本だったら、コッテコテでベッタベタなお話にしちゃうかも知れない。フランスとの合作で良かったと思わされる映画でした。
原題どおりがよいような
ムンバイ出身のロヘナ・ゲラ監督がインド社会が抱える問題の重さに対する自らの意思を強い想いを持って映像化した作品。
農村出身で、ある事情でムンバイでメイドとして働くラトナが仕える建設業の御曹司”Sir"がとにかく、良い漢である。(飲み屋で流し目を送って来た女性と普通に一晩過ごしてしまう所なども、人間臭くて良い・・・(すみません・・))
彼は身分さのあるメイド(本来は彼のメイドではない、劇中で確認できる)、ラトナに対して、”有難う” ”ごめん”を随所できちんと伝える。接し方も(インド社会の身分差を考えると)ジェントルマンである。
彼の態度がアメリカに留学していた経験が基にあるのが徐々に分かってくるし、これが後半の彼の行動の理由になってくるのも上手く描いている。
この件はロヘナ監督自身の経歴を物語っているだろう。おそらく、ロヘナ監督は”Sir"を自らの今後のインドに求められる男性の象徴として描いているのではと類推する。
一方、ラトナも自分の不遇な境遇を嘆くだけでなく、前向きに生きる控えめながら強い女性であることがきちんと描かれる。(それにしても、ラトナさん、気持ちが表情に素直に表れ過ぎだろう!、まあそれに”Sir"は惹かれたのだろうが・・。)
徐々に惹かれ合っていく二人の前に聳え立つ壁の高さ。そして、それに対して、”Sir"が選択した行動と、彼からの電話にラトナが発した一言のセリフの素晴らしさが心に沁みる。素晴らしいエンディングである。
<現代アメリカでの教育の素養をベースにある強い想いを持って監督が描き出した、新たなインド映画の秀作>
タイトルなし
繊細な映画
完璧だと言える映画のひとつ
壮大な音楽や壮大な景色などの、他のエンタメから強いカードを切らずに、映画としての良さ、映像作品にできる表現を用いてこの物語を表現し切っています。
映画という媒体の美しさを感じさせられました。
物語が始まったことに気付かせない程自然な冒頭。
わざとらしく物事の説明をするシーンなど全くなく、お伽噺のような魔法もありません。
見ているうちにラトナと旦那様を好きになり、インド社会の厳しさを垣間見、夢を抱くことの素晴らしさに胸が踊ります。
ラトナ役の方の表現力が素晴らしいです。旦那様がラトナのどんなところに惹かれたのか、描写の積み重ねできちんと伝わります。
そういったものにあまり詳しくありませんが、映画的技法にもかなり優れているのではないでしょうか。テクニックが秀逸だと感じる部分が多くありました。
自然体でありながらも、観ている者を深く引き付け続ける約90分でした。
日常は目まぐるしく変化し、社会は相変わらずしがらみが多く、友人はいい人で、旦那様はわからず屋だけど、素敵な人でした。
うまく感情移入できなかった
良かった
現代インドの恋愛事情
ラトナは多分20代前半。若い身空で未亡人になり、都会にメイドとして出稼ぎに来ています。
出身の村は未亡人に対する縛りが厳しく、地味目なブレスレットなどの宝飾品をつけることもタブーとされています。化粧っ気もありません。彼女の話す出身地の因習の話は、インドのニュースで時に凄惨なものがありますが、その背景などに聞くのと似たような話です。
ラトナにはラクシュミというメイド友達がいて、他の人には言えないことなどを聞いてもらったり聞いたりします。都市でのメイドとしての生活では、インドに根強く残る身分制度をかいま見れます。
インド映画では若い男女が恋愛するエピソードが多く含まれますが、現代であっても、現実にはそんなに簡単にはいかないのです。この映画はそれをうまくいきたい、いかせたいと思わせる映画でした。
ラトナの作るインド料理食べてみたい!
自分を律している
社会的制約の中で夢を追いかける女性たちの憧れか
静謐なラブストーリー
sir
いい作品
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