あなたの名前を呼べたならのレビュー・感想・評価
全45件中、21~40件目を表示
おかえりなさいませ!ご主人様
またもやムンバイ映画。この2ヵ月で3本目の鑑賞となりました。それぞれ全く違う映画ではありますが、根底にあるのは古いカースト制度による身分の差が根強く残っているのが浮き彫りにされてるところ。今作では、メイドとご主人様がメインになるのだから、その設定の段階で格差社会が描かれているのです。
ところがもう一つのテーマとして、田舎の方では「未亡人」になったら未来がないと周囲から見られるしきたりがあること。完全に男尊女卑の負の精神までもが残っていることに驚かされました。ファッションデザイナーになるという夢を持ちながらも、田舎にいては就職さえ無理っぽい。都会に出て生まれ変わらなければ何もできないのだ。
そんな人生を半ば諦めているラトナと、結婚が破談となったご主人様の共同生活。寂しさを埋めるかのようにラトナにミシンを買ってあげたりするところで、もう涙腺が緩んできます。どこへ行くんだ?ラトナ・・・都会の人間が思いがけなく皆寛大で優しいことにも気づかされ、人生捨てたもんじゃない!と理解する。勇気をもって生きよう。そう思える映画でした。そう、braveは勇気があるだよ!
こんな物語がインドに溢れますように。溢れて溢れて溢れて、日常になります様に。
ヤ ラ レ ターーー、また。最後の最後に。インドのインド人のインドなカースト格差純愛もの。なんなんだよ、この一瞬芸。瞬間爆泣。
原題は「SIR」。これに「あなたの名前を呼べたなら」なんて邦題つけた所にスケベ根性を感じました。泣かす気マンマンマンマン過ぎるって。で、まんまと引っかかってしまう俺。詳細は丸々割愛するけれど。
良かった、とっても!
-----------------------
10月16日 追記
インドって難しい。憲法には、カースト差別の禁止が明記されていますが、厳しい差別は現存しており、深刻な貧困はもちろんのこと、時に残虐な殺傷事件を引き起こしています。
カーストの更に外側に置かれた、不可触民のことを「ダリット」と呼びます。馬を所有していたとして撲殺された若者。姉妹との交際を疑われ、首を斬られ焼き殺された青年。上層階級の女子と話しているところを見られ、リンチの末に殺された少年。容疑者の殆んどは、無実で釈放されています。これらはダリットと呼ばれる人々の生活の現実です。
カーストの内側であれば、はるかに幸せだと言える。
ラトナとアシュヴィンの格差の現実は分らないけれど。混ざってしまえばいい訳で。というか、混ぜこぜにしちぇえ、って思う訳で。100年掛けて。足りなければ200年でも300年でも掛けて。憲法では、歴史が築いた壁を壊せないから。
壁を壊せるのは、やっぱり「愛」だよね。って言う物語は、おフランスなサラサラとした演出で、見る人によっては「物足りない。盛り上がらない。」かも知れません。いや、これ、韓国や日本だったら、コッテコテでベッタベタなお話にしちゃうかも知れない。フランスとの合作で良かったと思わされる映画でした。
原題どおりがよいような
「Sir」が原題。
その意味が徐々に明らかになっていくのだけれど。
距離の近さがもどかしいぐらいに、ゆるやかで。
そして、なんとも切ない。
階級を超えて、人として相手を尊重するということの大切さが伝わってくる映画です。
押し付けるでもなく、怒るでもなく、静かな抵抗がそこには厳然とある。
その強さに圧倒されます。
ムンバイ出身のロヘナ・ゲラ監督がインド社会が抱える問題の重さに対する自らの意思を強い想いを持って映像化した作品。
農村出身で、ある事情でムンバイでメイドとして働くラトナが仕える建設業の御曹司”Sir"がとにかく、良い漢である。(飲み屋で流し目を送って来た女性と普通に一晩過ごしてしまう所なども、人間臭くて良い・・・(すみません・・))
彼は身分さのあるメイド(本来は彼のメイドではない、劇中で確認できる)、ラトナに対して、”有難う” ”ごめん”を随所できちんと伝える。接し方も(インド社会の身分差を考えると)ジェントルマンである。
彼の態度がアメリカに留学していた経験が基にあるのが徐々に分かってくるし、これが後半の彼の行動の理由になってくるのも上手く描いている。
この件はロヘナ監督自身の経歴を物語っているだろう。おそらく、ロヘナ監督は”Sir"を自らの今後のインドに求められる男性の象徴として描いているのではと類推する。
一方、ラトナも自分の不遇な境遇を嘆くだけでなく、前向きに生きる控えめながら強い女性であることがきちんと描かれる。(それにしても、ラトナさん、気持ちが表情に素直に表れ過ぎだろう!、まあそれに”Sir"は惹かれたのだろうが・・。)
徐々に惹かれ合っていく二人の前に聳え立つ壁の高さ。そして、それに対して、”Sir"が選択した行動と、彼からの電話にラトナが発した一言のセリフの素晴らしさが心に沁みる。素晴らしいエンディングである。
<現代アメリカでの教育の素養をベースにある強い想いを持って監督が描き出した、新たなインド映画の秀作>
タイトルなし
意外に星の数多いですね。
ロケットマンでバカ感動した後だったから余計かもしれませんが、淡々と進みすぎて途中で寝落ち〰️。
肝心なご主人様に襲われる?だかのシーンを見落としてしまいました。
少女漫画にありそうな夢物語ですね!
繊細な映画
パーティのシーンでラトナが料理を手にゲストの周りを歩くが、誰もメイドになど目も止めない。
料理を手に取ってもだ。メイドとはそういうものなのだろう。
ご主人様が優しすぎて夢物語のようだが
どの辺りから恋が始まったのかよくわからなかった。
もう一度ジックリみてみたい。
ラトナは貧しく化粧気もないが、着ているものは鮮やかで美しく部屋の小物も可愛いらしい。女性監督の気配りやセンスが感じられた
完璧だと言える映画のひとつ
壮大な音楽や壮大な景色などの、他のエンタメから強いカードを切らずに、映画としての良さ、映像作品にできる表現を用いてこの物語を表現し切っています。
映画という媒体の美しさを感じさせられました。
物語が始まったことに気付かせない程自然な冒頭。
わざとらしく物事の説明をするシーンなど全くなく、お伽噺のような魔法もありません。
見ているうちにラトナと旦那様を好きになり、インド社会の厳しさを垣間見、夢を抱くことの素晴らしさに胸が踊ります。
ラトナ役の方の表現力が素晴らしいです。旦那様がラトナのどんなところに惹かれたのか、描写の積み重ねできちんと伝わります。
そういったものにあまり詳しくありませんが、映画的技法にもかなり優れているのではないでしょうか。テクニックが秀逸だと感じる部分が多くありました。
自然体でありながらも、観ている者を深く引き付け続ける約90分でした。
日常は目まぐるしく変化し、社会は相変わらずしがらみが多く、友人はいい人で、旦那様はわからず屋だけど、素敵な人でした。
おーいみんな!今日から名前で呼ぼうよ!
辛抱強いし、戦うし、泣くし、勝手に勘違いして怒るし、めっちゃ笑うし、空気読むし。。。。。
ちゃんと「女」を生きてるって感じがする。
わたしも好きな人のことを名前で呼びたいよ。
あ〜
呼びたい。
うまく感情移入できなかった
身分違いの恋という、昔からよくあるラブストーリー。
ただ、インドの身分格差とか慣習とかがわからないから、何かある度にこれはインドでは普通のことなのかな?普通じゃないから面白いのかな?とかそういうことが気になって感情移入できませんでした。わかってればもっと面白かったんだろうなあ。
でもやっぱりメイドとの恋なんてありえないんでしょうね~。
告白に行くまでがすごく長かったけど、それだけありえないことだからそこに行くまで時間がかかったってことなのかな?
ラスト、原題がシンプルだったことに驚かされました。
良かった
個人的にすごく良かった。
登場人物達の服装や主役の三つ編みとかそういうルックス的な部分でもすごく好き。
2人の恋愛模様もみていてハラハラする感じではなかったが、最終的にすごくこの後どうなったんやろぉ!って感じで終わった。
現代インドの恋愛事情
ラトナは多分20代前半。若い身空で未亡人になり、都会にメイドとして出稼ぎに来ています。
出身の村は未亡人に対する縛りが厳しく、地味目なブレスレットなどの宝飾品をつけることもタブーとされています。化粧っ気もありません。彼女の話す出身地の因習の話は、インドのニュースで時に凄惨なものがありますが、その背景などに聞くのと似たような話です。
ラトナにはラクシュミというメイド友達がいて、他の人には言えないことなどを聞いてもらったり聞いたりします。都市でのメイドとしての生活では、インドに根強く残る身分制度をかいま見れます。
インド映画では若い男女が恋愛するエピソードが多く含まれますが、現代であっても、現実にはそんなに簡単にはいかないのです。この映画はそれをうまくいきたい、いかせたいと思わせる映画でした。
ラトナの作るインド料理食べてみたい!
厳しいインドの現実の中でのせめてものささやかなシンデレラストーリーと思わせながら、好きな人と結ばれるには外国に行くか(ここではアメリカ、いまトランプのアメリカに行くのはあまり得策とは思えないが)、女性が職業婦人(そんなに簡単にファッションデザイナーになれるとも思えないが)として自立しないと出来ない、というインドの抱える諸問題(厳然と残る階級格差・身分格差・男尊女卑・貧富の差・農村に残る因習/戒律等)を炙り出さしております。しかし、インド料理好きとしてはラトナの作る料理がどれも美味しそうで一度食べてみたい。
自分を律している
男女共に自分を律しているのが、印象に残った。ラトナは田舎では未亡人になったら、人生お終いという。でも都会で働いて生きていける、妹の学費や婚家への仕送りをしている。
彼の気持ちとインド的世間、ラストシーンがとても良い感じ、心が暖かくなる。
社会的制約の中で夢を追いかける女性たちの憧れか
身分、貧富、生き方(就学、結婚、離婚)、社会進出など、インドでは未だに因習も含めて多くの制約があると聞く。特に女性には。
シンプルといえばシンプルなラブストーリーだが、夢を追いかけるメイドの視点を中心に据えていて、爽やかさと社会派的問題提起が上手くマッチしていた。
今回は、わざとらしい踊りはなかったが、私は嫌いではないし、今回も、少しでいいから欲しかった笑。
静謐なラブストーリー
抑制の効いた描写と、「her」を思わせる情緒的な画面作りで、今までのインド映画とはまったく異なった印象を受ける。
ごく少ない会話から徐々に明らかになる主人公二人の関係性と過去。だんだんと二人の関係は親密になっていくが、原題のとおり「Sir」としか呼べない距離感。
本当に美しい恋愛映画だった…
しかし「シークレット・スーパースター」にせよ「パッドマン」にせよ、インドに女性として生まれることはこれほどの試練なのかと暗澹とするが、これは日本の数十年前、西欧各国の百数十年前と同じなのだと思わせられる。
ラストの続きが気になるね…
邦題も良かったですね。
sir
旦那様のなんと優しいこと!
アメリカで育ったと言えど、優しすぎやしないかい!?
そして、主人公ラトナよ、態度でかいなぁ。
雇い主にあんな口利いていいのかい?
旦那様の優しさに甘えてるだけに見えなくもない物語。
いい作品
110本目。
素直にいい作品だったと思う。
壁一枚隔てただけで、インドって国がわかってしまう。
でも言葉少なくとも、二人の距離感、関係が良く分かった。
等と思いながら、いつ手を出すかが気になって気になって。
出したら出したで、男ってああなっちゃうんだよね。
妙に共感。
全45件中、21~40件目を表示