「やさしくてくるしい」あなたの名前を呼べたなら yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
やさしくてくるしい
見終わった後に、心にそっと残る作品
『自分が愛そうと選んだ相手を人はどのように愛するのか、ということを考え始めていました。それから、ずっと私の頭から離れなかったインドの階級問題を、恋愛物語を通して探求できないか、と考えたのです。「自分の愛する人をどのようにして愛するのか」、また、「私たちは、どのようにして人を愛する許可を自分に与えるのか」ということを、この作品を通して問いたかった。』
監督のインタビューより抜粋
誰かを好きになる気持ちは、故意に出来ることではない
ある日、気づいたらその人が心の中にいた
いつの間にか、その人を目で追うようになった
そんな風に始まっていくもの
その想いに名前をつけて、受け入れてよいのか、
気づかなかったふりをして全身全霊で見えない場所に封印するのか、
それをどう決めていくのだろう
カースト制度による階級が強く残るインド
農村では、未亡人となれば、もう二度と嫁ぐことは出来ないインド
そんな国で、身分の違うふたりが出逢う
ラトナは未亡人、そして彼女を家政婦として雇っているアシュヴィンを「Sir」と呼ぶ
ふたりの間に芽生えるもの
それは、思わず微笑んでしまうような優しい想いのかけら
でも、ふたりは…
切なくて苦しい
そんな物語の、最後の最後、ラストシーンに思わず声が出そうになった
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