「10年が経って、どうなのよ?」ヘルボーイ Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
10年が経って、どうなのよ?
この作品、「ヘル・ボーイ」はファンの方なら当然ご存知だと思うが、前作の「HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY (2008)」から約11年が経過し、何故、続編まで期間を置いたのかは、様々な憶測を呼んでいるが、この "Supernatural superhero"と位置付けられるヘル・ボーイ、個人的にはほかのコミックのヒーローものよりもややダークなイメージがあるもので、今回はR-指定となっているのだが、このサイト、映画.comはそんな簡単で重要な情報を載せていないという不親切感丸出しで、しかも配給会社投げ売りの情報しか載せないので注意が必要となる。スーパーヒーローものだから、だれでも見ることが出来ると思っている子供のおられる視聴者に対してうっかり間違って子供さんを映画館の前まで連れて行ってみることが出来なくなるような悲しいことにならないようにしていただきたい。(前作はR-15)
前作の監督のデル・トロは「シェイプ・オブ・ウォーター(2018)」に登場する半魚人を“ゴールデンアーミー”でも先に登場させ、同じ役者さんのダグ・ジョーンズを起用している。
前回に比べブート物として作られた本作、若干、ヘル・ボーイの仲間の個性が弱くなったかもしれないが、あからさまに批評家の支持が得られないような映画ではないと個人的には思っている。可愛い特殊能力のあるアリス役に、最近視聴した「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(2019)」でいい雰囲気のある役を好演していた彼女、ここでもラストにそう来るか?という落ちもある。またTVシリーズ「LOST(2004)」にも登場し、今回、視聴者のブーイングのため(ホワイトウォッシング)役を獲得したが、彼の独特の味のあるものが爆発し、好感の持てるいつもの彼の演技を見ることが出来る。
イギリスで150年続く新聞紙London Evening Standardの記者のコメントとして、「もし、今なっている電話がこの映画についての呼び出しだったら、この映画については何も書かず、読者のためにこのスペースを空白のままにしておく。」まだカナダの日刊紙Globe and Mailは、「この映画を観るということは、私個人の地獄という絶対的テーマとなった。」あからさまな痛烈な批評であるけれども一般の視聴者の方は概ね受け入れられていている本作、個人的には、エクスカリバー、皆さんご存知のアーサー王伝説には欠かせない聖剣でこの物語のキーアイテムの一つとなっているのだけれども、それにかかわる血塗られた黒魔女で登場するミラ・ジョボビッチの演技が精彩を欠いているように感じるし、もっとはじけた爆発していただきたかった。
I-MAXにも上映され、その音楽性が前回のものよりは、かなりリズムを中心とした映像との融合が特徴として言えて、これから中国をメインに日本を含めて、どのように興行的に成功させるかが、この映画の成功のカギを握ると思われる。映画制作側が敢えてヒーロー映画をR-指定にした潔さが伝わってくるし、拝金主義のディズニーなら絶対にそんな金儲けのできない映画製作なんてクソクラエ~ッテ.........!