「「毒」部分が強すぎるのが気になった」ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
「毒」部分が強すぎるのが気になった
過去の『コラライン』や『KUBO』と比べて、動きの滑らかさや物の質感、小さな表情など、ストップモーションアニメなのかCGなのかもうよく分からないほど、クオリティは明らかに上がってる。
その表現の豊かさには感服するんだけど、今回は少し演出の「毒」が強すぎた感じ。
ディズニー・PIXAR・ドリームワークスなど昨今のアニメ作品がかなり滅菌されていることに感化されているつもりはないのだが、特にジョークの表現において下品さや残酷さ、乱暴さが物語全体の雰囲気から浮いていた様に感じて、飲み込みにくかった。
正直なところ、ヒュー・ジャックマンの声優ぶりはさすがで、リンクさんが登場するまでのハードボイルドな活劇の雰囲気が良かっただけに、必要以上に流れをコミカルな方向に「ハズし」てくるリンクさんには感情移入しにくかったという部分もある。
※以下ちょっとネタバレ
最後のつららに掴まって落ちるか落ちないかっていうアクションシーンも、すごく表現が巧みでドキドキしながら見てたのに、結局あの悪役が落ちたらすぐ「ハイ、よじ登れました」って、そりゃないでしょ?って、感じ。
あと、名声ばかりを求める主人公が改心するくだりも何だか弱い…というか、「ホントに分かってる?」って感じ。
そんな細々したところにあちこちトゲトゲがあって、なんか引っかかる感じが最後まで続く感じで、十分には楽しめなかった。
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