「故人を「忘れる事」と 「忘れない事」の はざまで」サマーフィーリング きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
故人を「忘れる事」と 「忘れない事」の はざまで
思い出したもう1つの映画は
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(2011.米)。
これは、同時多発テロで父親を失った少年が、その父の存在を記憶し続ける自分の力の漸減を恐れて、時の経過による思い出の消滅と闘う、
― そういう骨子だった。息子は思い出に100%固執する。息子は自閉症スペクトラム。哲学的だ。
トム・ハンクス共演の素晴らしい作品。
(レビュー未投稿)
そして今夜の
「サマー・フィーリング」は、
恋人を失った男性と、その家族・友人たちが3つの夏を経ながら、安否を問い合い、心の生傷をゆっくり癒していく物語だ。かつてのアパートを引き払う準備もするし、新しい恋人との出会いもある。新しい人生が開始していく光景だ。
この二つの映画、
どちらが正しいということはない。どちらの願いも私たちは実感として体験してきているからだ。
そしてそれは悩ましい問題だ。故人の思い出と私たちの新しい生活の関係は
〔保存〕だろうか、
〔上書き〕か、
あるいは〔消去〕なのだろうか・・
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劇中、サシャの死の直後のバタバタの中で、両親や姉夫婦が遺品の処分についててきぱきと指示し合う。と、突然遺族みんなが吹き出してしまい何故だか笑いが止まらなくなるシーンがある。急性ストレスだと言い訳をしながら。あそこはとても印象に残った。
みんなで食事をし、歩き、酒を飲み、家族を失った窮地を一緒に支え合う。遺族を独りぼっちにしない。
⇒フランス人も“精進落とし”をするのだな。
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僕は?
お盆も命日も、故人を偲んで、その思い出や何ということもない小さなエピソードを、残った者たちと時々は言葉にして分かち合いたいなと、思った。
きっとそれは新しい人生と矛盾しないと思う。
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夏になるとふとサシャを想う彼ら。
思い出は遠くなっても夏は巡ってくる。
その人と共に生きた事実は、あの陽光と 肌に残った日焼けの跡のように、忘れていても私たちと共にある。
吉祥寺で見ました。1日だけ一回限りの上映でした。コロナにもかかわらず、かなり一杯の入りでした。リピーターが多かったのか?私のように見逃した人か?
妹役のジュディット・シュムラが笑うとトリンドル玲奈に似ていて、すてきだなぁ~と思いました。
ベルリンではピアノとバイオリン、パリではバイオリンとギター、ニューヨークではロックと音の違いも楽しめました。ゆったりしていい感じでした。
すてきなレビューですね。
夜遅くなったので、寄り道はしませんでした。すみません😣💦⤵️