「生きているんだから食わなくちゃ!」風の電話 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
生きているんだから食わなくちゃ!
食って出し、食って出し・・・当たり前の生活に慣れ切ってる者としては、こんな言葉にも共感してしまう。また、映画を観るまでは東日本大震災のことだけを扱ってるのかと思っていたのに、こうも現代日本が抱える問題点を抉りだしている内容には驚いてしまいました。
まずは土砂と瓦礫が残る広島豪雨災害の傷跡。民家が多く立ち並んでるのに、未だに土砂が放置されている現状。激しい雨が断続的に降り続いてる最中であっても、赤坂自民亭で宴会を続けていたというニュースも思い出しながら、災害復興とはインフラ整備だけでいいのか?という疑問さえ浮かび上がってきます。
そこで世話になった公平(三浦友和)は認知症の母親と二人暮らし。母親は6歳の時に原爆が落とされた地を訪れていた話を聞かせてくれる。もう災害(戦争を含む)はコリゴリなのだが、生かせてくれてるんだからとご飯を食べるのだ。徐々に生きることとは何かをハルに芽生えさせてゆくのです。そんな災害続きの広島では河井某議員が自民党から1億5千万もの寄付を貰い、公選法違反が疑われても堂々としている。この1億以上の金があればどれだけ復興できるのやら。
そして暴漢から助けてくれた森尾(西島秀俊)とともに福島まで向かうことになったが、埼玉に立ち寄った際にはクルド人問題、移民の問題が大きく投げかけられ、福島では森尾の友人・西田敏行が「福島から転校していった生徒がイジメに遭う」とアドリブで訴えかけてくるのです。もう、日本が抱えている暗黒面がこれでもか、これでもかと押し寄せてくる内容。泣かせる話とともに憤りさえ覚えてしまう映画でした。
さすがにハルの故郷大槌町では泣かせる話がいっぱい。明日香ちゃんのママとの再会も泣けるし、自宅跡の基礎が虚しさを煽る。そして“風の電話”。3万人もの人が利用したという天国への呼びかけ電話。風に乗ってあたかも声が届きそうで、幻想的でもある絵には涙を禁じ得ない。あらためて災害王国日本のあり方を考えなければと襟を正す思いでいっぱいになった。また、ハル役のモトーラ世理奈の演技力も驚きでした。
kossyさんの仰る通り、河井議員の問題もそうですが、今の政権与党は様々な不正問題について悪びれた様子もない。
また自民党内部からの自浄作用も出てこない! 奢り昂った状態ですね。嘆かわしい!
昨年、入国管理センターでの外国人ハンスト死亡のニュースもありましたし、おっしゃる通り、結構ガチネタ満載でした。
それにしても、モトーラさんの電話ボックスでの圧倒的な演技は凄かったですね。つい、モトローラと言ってしまいそうなのですが😆