「『カメ止め』ほど突き抜けていないがまずまずの娯楽映画」イソップの思うツボ ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
『カメ止め』ほど突き抜けていないがまずまずの娯楽映画
『カメ止め』の3スタッフの共同監督による作品だが、「カメ止め」を彷彿とさせる部分もあれば正反対の部分もある意欲的な作品だった。企画のスタートはこちらの作品の方が「カメ止め」よりも早かったらしいが、上田監督はこういうトリッキーな展開の作品にやはりセンスがある人なんだろう。予測を裏切る展開は「カメ止め」同様だが、3つの家族の関係性があらわになるにつれて、ブラックなユーモアを交えて人間の愚かさを暴き出していく。
仲良し芸能一家の仮面を暴くために仕組まれた復讐劇は、他方で別の家族の絆を強めているのが面白い。セレブたちが復讐劇を映画でも見るかのように楽しんでいるなどの人間の醜悪さは「カメ止め」にはなかった要素だ。
3つの家族のエピソードを3人の監督がそれぞれ演出を担当したそうで、それぞれ個性的に描き分けられていた。
「カメ止め」に負けず劣らずの低予算で作っていると思われるが、まずまずの出来だと思う。
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