「「カメ止め」超えはならず」イソップの思うツボ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
「カメ止め」超えはならず
「カメラを止めるな!」の大成功を受け、上田慎一郎監督を含む同作のスタッフ3人が共同監督、予算拡大、キャスト・スタッフ充実度も増して臨んだ作品。悪くはないのだが、「カメ止め」に比べると熱量が少ない感じ。例えば前作ではワンカット長回しの前半のような、少ない予算を逆手に取ったアイデアとそれを実現させる途方もない努力が画面から伝わり、それが高揚感と感動に直結していた。
今作もアイデアはそれなりに凝っているが、撮影される対象と撮る側・観る側のメタ構造の提示という点では「カメ止め」の着想の流用というか、二匹目のどじょうを狙ったあざとさが鼻についてしまう。ストーリー上いくつかの企みが同時進行するのだが、そのどれもが現実味に乏しく、話に入り込めない。
配役的には、桐生コウジ、斉藤陽一郎、川瀬陽太という菊地健雄監督作「ディアーディアー」の3人が再結集していて、同窓会のような楽しさもあったのに、惜しい。
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