「全部が微妙で全部が残念。」イソップの思うツボ マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
全部が微妙で全部が残念。
「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が作品に携わっていて、カメ止めのスタッフが再結集と言う事に興味が湧き、意味ありげなタイトルとぬいぐるみが縛られているキービジュアルでカラフルなポスターになんかワクワクしましたが、鑑賞した方々の評価が軒並み低い事に逆に興味が出て、鑑賞しましたw
で、感想はと言うと…う~ん、いろんな物が全部違う感じ。
所々に起伏はあるけど、盛り上がりも大団円もなく、かと言って感動も興奮も笑いもない。
勿論、全く無いは言い過ぎでも、ものすご~く狭い範囲での中での起伏なので、観る側には伝わりにくい。
伏線的なのはいろいろとあっても回収もされないし、回収されても意味の無い回収になってる。
かと思えば、変な所から全く違う回収があって、所々で?が頭に出てくる。
こんなに肩透かしされた様な作品もなかなか無いのでは?と思うぐらいに残念な作品です。
いろんな部分が中途半端で消化不良。
役者さんも微妙っちゃあ微妙ですが、根本的に脚本が悪いし、演出も悪いです。
監督が3人で共同監督と言うのも謎。なんで3人の監督にしたかの良さも理由も全く分からないです。
この作品に関わっている方々は完成した際の試写で本当にこれでOKを出したのでしょうか?
逆に直すべき所がありすぎて、何処から手を付けて良いのか分からなくなって、手を付けなかったのか?
製作以外で関わった人達もちゃんと観たのか?と言いたいぐらいで“あの大ヒットした「カメ止め!」の監督とスタッフなら面白かろう”とタカをくくって、鑑賞せずに今日まで至るのではないか?と思うぐらい。
構想3年と書いてましたが、本当に3年も掛けて、この作品?と思ってしまう。
3年間寝かしただけの企画か、手を抜いての3年か、もしくは執筆などで七転八倒の苦労をして、訳が分からなくなった末に、面白くないものが面白くなってしまったハイ状態で制作していったのだろうかと思ってしまう。
ツッコミどころは多々アリで、それぞれの人物描写も薄い。
個人的には戌井小柚と戌井連太郎の復讐代行屋の件って要ります?
別にいなくても本筋になんら支障はきたさないも思うのですが…
その他にも亀田親子の復讐に至る流れも感情も微妙
人気芸能人一家の兎草親子もなんか地方ローカルタレントぐらいしか思えなくて微妙
飼っていたカメをマンションの上から投げるのも微妙なら、ラストのカメのシーンも微妙
真ん中にOPタイトルを入れるのもなんか微妙
復讐のLIVE配信でヤクザの人が死んじゃって、殺人配信を見ている人たちは納得と言うか、喜んでいるのが“それで良いのか? お前たちはただ殺人シーンを見たかっただけなのか?思ってしまうぐらいに微妙
ラストもアウトローな終わり方をしていても、全然合ってないし、エンディングの洋楽も微妙。
思わせぶりなタイトルのイソップはイソップ寓話から来ているのは明白ですが、ウサギとカメにイヌまで絡ませたのは多分、イソップ寓話の「犬と肉」からかと思いますが、なんで?と思う。
安いインディーズ映画や小規模な劇場なのにやたらと設定だけは大層な小劇団の芝居を見ているみたいな感じがしました。
どんな作品でもツッコミ所はあるのはしょうがないし、それでも作品の良し悪しは好みに寄る所も多いし、出来るだけ良い所を見つけようと考えたけど…全然良い所が見当たらなかった。
逆にこれだけ残念な作品も稀有では無いだろうか?
カメ止めの恩恵で全国公開されたけど、正直上田慎一郎監督とカメ止めスタッフは今後カメ止めの名前を使っての新作プロモーションは出来ないと思うくらいに星を落としたと思いますし、カメ止めの遺産を一気に食い潰した感じです。
だからと言って、これがカメ止めの前に公開されてたら、評価は…微妙に変わったかも知れませんが、それでも低評価には変わりはないかと思います。
作品の制作には様々な苦労があるし、苦労した作品は必ずしも面白いとは限らないし、必ずしも当たるとも思わない。
だからと言って、この作品は普通の鑑賞眼で公平に見て、GOサインが出たとは思えないんですよね。
いろんな事が微妙で残念でモヤモヤした作品は逆に凄いのでは?と苦笑いをしたくなりました。
イソップ寓話にはそれぞれの作品に教訓があります。
「ウサギとカメ」の教訓「過信して思い上がり油断をすると物事を逃してしまう」
「犬と肉」の教訓「欲張ると、元も子も無くす」。
この教訓を踏まえて、身を呈しての製作なら、逆に凄いですw
日高雄介さん
コメントありがとうございます。
亀とワシ!確かに、亀が上から落ちてくるのは亀とワシからの引用かと思いますね。でも粉々になった亀は正直想像もしたくないけど、何かそこからの展開も無し…
なかなか難儀な作品ですw
また、お時間がありましたら、遊びに来てくださいね♪
同じイソップでも「亀とワシ」から引用したのかと思いながら観てました。
亀が空から降ってくる話題が不自然に強調されてたので、そこで何かドンデン返しあるのかな?と。
何もありませんでした…。
bosschanさん
コメントありがとうございます。
作品の良し悪しはあくまでも好みに寄るところなので、一意見ではありますが、ちょっと肩すかし感と残念感が凄いですね。
ご賛同頂けて恐縮ですが、あくまでも一意見で考えて頂けたらと思います。
また、お時間がありましたら、覗きにきて下さいね♪
大変共感致しました。
3監督もいて、どういう気持ちでこの映画を世に出したのか監督としての資質に疑問を持ちました。
マツマルさんのレビューを読んで映画よりもスカッとできました。
ここまで計算しスカッとさせたのであればさすがですね!