劇場公開日 2020年1月17日

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「良くも悪くも正統派リメイク」ペット・セメタリー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良くも悪くも正統派リメイク

2020年7月25日
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個人的にスティーヴン・キングの小説で最も気に入っているのがこの「ペット・セメタリー」。
死者を蘇らせるという禁断の内容にスポットを当て、キングらしい表現で強く引き付けられる作品だった。映画化第一弾もかなり好きで、ソフトも購入している位である。
近年、スティーヴン・キングの作品がリメイクにより生まれ変わり、改めて注目度が高まっているが、無論私は本作のリメイクを心待ちにしていた。

本作は原作のプロットはそのままに、新たな展開や設定を加えて「現代らしい」物語に仕立ててある様だ。してはならないと分かっていながらも、悲しみや苦しみには耐えられず、愛するものを呼び覚ましてしまう。この描写はなんとも言えぬ複雑な心境になる。人間の精神という物は不思議で、初めは飼っていたネコを生き返らせたのだが、徐々にそれが人へと対象を変える。
蘇った後に人格が変わり、徐々に見えない恐怖が近づいてくる一連の描写は不気味だ。オリジナル版には無いなんとも言えぬ恐怖が襲いかかってくる。

全体的にはよくまとまっているが、良くも悪くも正統派のリメイクであり、それ以上でも以下でもない。どうもオチが安直なイメージで、斜め上を行くスティーヴン・キングの作品だけに残念であった。だが、ストーリーは軸がしっかりしており、最後まで楽しめる作品である。

Mina