「哀しみが足りない」ペット・セメタリー きのこさんの映画レビュー(感想・評価)
哀しみが足りない
1989年の同名〝ペットセメタリー〟のリメイク作品。
大筋は同じなんだけど人物の配置や結末を変更していると聞いていたのでとても楽しみにしていました
私は旧作がとても好きなのでちょいと比較したいです
旧作は愛が人を壊してしまう哀しみが描かれた〝泣ける〟ホラー映画だった
愛する息子(ゲイジ)をあの土地に埋めてしまったために蘇った息子は妻を殺害。ルイスは涙を流しながら息子を再び眠りにつかせ、妻の再生を信じてあの土地に埋める。涙なしには見られない旧作
しかし本作は家族関係が少し希薄だったような気がします。本作は蘇ったのは娘(エリー)の方だけど娘が殺人鬼になってると気づいたルイスはためらいなく娘を殺る気だったように見えた笑(笑い事じゃないけど)
本作では黒人青年が演じたパスコーは存在感がほぼなし!旧作は活動的な無能って感じだったが先生を助けたい!って思いやどうしようもない無情感・無力感の演出には一役買っていたのだが本作ではカットしてもよかったんじゃないかな
結論として
本作は旧作と比べホラー要素を強化した代わりに哀しみが薄くなったような気がします
その結果として〝普通に〟面白いホラー映画になっていたのがちょっと残念でした
エンディングも『まぁそうなるよね』って感じだったし
もし自分が監督させてもらえるなら生き残ったジャドがゲイジを救出して土地を去る。だけど車にチャーチ(猫)が乗ってたってエンディングにしたかな
なんて想いながら観てました
ところで…冒頭の仮面の子供達って意味あったの?本作で1番インパクトのあるシーンだったので土地の風習で片付けるにはあまりにも惜しい演出だったなぁ
コメントありがとうございます❗️
前作知らなかったので、私は比較なしでの感想でしたが、カットするものはカットする、という思い切りが少し足らなかったのかもしれないですね。
この世界にも〝忖度〟めいた遠慮をしてしまい、中途半端になってしまう人がいるのかも、です。