「私はともかく、白紙の状態で子供さんが観たら相当怖いとは思う…」ペット・セメタリー もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
私はともかく、白紙の状態で子供さんが観たら相当怖いとは思う…
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ディテールを書き込むことで必然的に長いスティーブン・キングの小説を映画化するには、どうしてもある程度は刈り込まないといけない。骨の部分と最低限必要な情報は織り込んであるが、やはり駆け足感は否めない。特に①ジャドがルイスに秘密の場所を簡単に教えすぎるし、禁忌の行為が招く恐ろしさを本当に理解していたのか曖昧(原作でも弱い部分ではあるが)。②ルイスが生き返らせずにはおかないほどエリーを溺愛している事が余り伝わって来ない。この点から言って、原作を読まずに鑑賞する大人には今一つ話の展開に説得力がないのではないか、と思う。また、秘密の場所とそこへの通り道がいかにも作り物っぽくTV映画レベルのチープさなのが白けさせる。一方、レイチェルが死んだ姉ゼルダに抱える罪悪感と恐怖とは、ゼルダのおぞましい姿の映像を多用することで上手く視覚化出来ていたと思う。レイチェル役の女優の顔面恐怖演技にはやや物足りなさはあったが…生き返る方を上の娘にしたことで、同じく救いのないラストではあるけれども、原作のラストを知っているものでも楽しめる展開になっていて映画的には良かったと思う。演者の中では、生き返った後の邪悪さ・凶悪さを上手く表現したエリー役の子が一番かな。
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