「魂は戻らない」ペット・セメタリー KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
魂は戻らない
東宝東和試写室にて試写会鑑賞。原作は読んでないため今作で初めてこの作品に触れた。率直な感想としてはまぁまぁだったかな。時間は約100分。特に退屈に感じることもなく時間はあっという間に過ぎた。
いきなり序盤に車内が血だらけで、なにか訳があったあとのような空き家が映されてストーリーは始まる。
そこに今作の主人公のクリード一家が越してくる。まぁこの時点でこの一家が悲劇に合うのだろうなというのが読めてしまう。
物語は動物のようなお面を被った謎の子供たちが森へ進んでいくところを、クリード家の長女エリーが目にしたことから始まる。彼女は彼らの存在が気になり、森へ進むが、隣に住むお爺さんに止められる。それがきっかけでお爺さんとクリード家は親交を深めるのだが、そこでクリード一家が飼っている猫が死んでしまう。そこからこの物語の核がはじまるわけだ。
猫をエリーが悲しまないよう秘密で森に埋めることにする両親。そこでお爺さんもエリーの悲しむ顔見たくないことから、森の奥深くに埋めることを決める。
そこに埋めると死者が蘇るというのだ。そして翌日、死んだはずの猫が生き返り、クリード家に戻る。
だが、肉体は以前の猫でも性格がまるっきり違い、暴力的になり危害も加えた。父は猫を殺そうとするがうちに秘める愛情から殺せず、森の奥に捨てることにした。
しかし猫は再びクリード家に戻り、そしてエリーが事故死になるきっかけを与えてしまう。
悲しむクリード家だが、父はエリーをあの場に埋め生き返らせることに成功する。しかし猫同様ら見た目はエリーだが、中身は以前のエリーと異なり、暴力的になり、クリード一家全員と、お爺さんを殺し、クリード一家全員を彼女と同じように生き返らせて話は終わる。
今年公開されたキングの作品の中では、個人的には一番ドキドキしたがそのドキドキのままで終わってしまったってのが率直な感想だ。
この作品の一番の核となるこの生き返らせる行為に対してなにか奥深い歴史があるのかと思いきやなにもなかった。
エリーが生き返った後に、序盤に森に誘い出すきっかけとなった動物の仮面を被った子供たちと同じ仮面を被ってお爺さんを殺した。おそらく子供たちも生き返された半死者のような存在なはずだと思うが、特に描かれなかった。
この生き返えさせる鍵となったお爺さんもなにかを知ってるクチなのかと思いきや、特に詳細を語ることなく死んだ。(早くに妻の存在とかもてっきり一度生き返したのかと思ったが…)
それと妻のお姉さん。あれも当初は同じように生き返された存在なのかなとおもった。あんなに醜く化け物のような容姿になってしまう病気…これも何かあるのかなと思いきや何もなかった。
序盤でかなり伏線なりそうなシーンが多かった為、こちらとしてはドキドキしながら集中して見ていたのだが、とくに明確な描写として回収されることはなかったので物足りなさは否めなかった。
まぁ人は死んだら体は残ってていて、仮にも復活させることができても魂は一度死んだら戻らない。こんなストーリーなのかな。運命に逆らってはいけない。欲が招いた悲劇といったストーリーに思った。