さくらのレビュー・感想・評価
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北村匠海さんのストーリーテーリングが良かった
今をときめく人気若手俳優女優が三兄妹というだけでも期待していた作品。
タイトルが〝さくら〟ということもあって犬が大活躍するのかと思い込んでました。
でも、さくらはまあぼちぼち存在感を示していてあくまでも脇役。
うっかりすると犬に目がいかない。
もっと犬のアップやら犬の表情やらをたくさん撮れば良かったのに残念。
家族に何か起こると素晴らしい演技力で脇を彩っていたさくらでした。
西加奈子さんの原作は未読。
そのせいか、映画化された本作は何を伝えたかったのか?今ひとつ私にはよくわからなかった。
今をときめく人気若手俳優さんを集めているわりには心に響いてきませんでした。
ごめんなさい。
とは言え、次男北村匠海さんのストーリーテーリングがとても良かったこと。
小松菜奈さんのセーラー服姿がまだありだな、と思ったこと。
寺島しのぶさんと永瀬正敏さんはさすがだな、と思ったこと。
…などは、良かった。
吉沢亮さんはじめ将来を嘱望される若手俳優さんたちが実力を磨くことができますよう、素晴らしい脚本や作品に出会ってほしい限りです。
製作側も精進くだされ。
錯乱
うーん面白くなかったです。
LGBT問題を簡潔に描いているのは少しばかりですが評価できますが、それ以外のストーリーが壊滅的に思えます。全体的に配慮という配慮が足りない作品だと思います。
まず1つ怪我人に対しての配慮が足りない。一が足の機能を失って、大変落ち込んでいるときに美貴が思いっきり足に乗っかるシーンで非常にイラっとしました。完全に幼児化している美貴だとしてもそれはないだろうと思いました。というか全体的に美貴の存在がキツいです。
美貴に触れるとするといくらでもあるのですが、いくら一が好きだったとしても、一に来た彼女からの手紙を勝手に保管し、その上返事まで返すのはいかがなものかと思いました。好きならばその人の幸せを1番に願うのが良いと思うのに、身勝手さに呆れました。葬儀のシーンでも、お香を食べたり、勝手に棺桶の中を開けたりとやりたい放題です。お漏らしが幼児化したと印象付けたいんだとは思いますが、ワケが分かりませんでした。
食への配慮がも足りない。ご飯を捨てるシーンは何回もありますし、ご飯をぶっ飛ばすシーンもあります。ご飯を美味しく食べる私にあの描写はキツかったです。ご飯は大切に扱って欲しいと今一度思いました。
予告で流していた"奇跡"がさくらのウンコで解決する点もなんだかなぁという感じです。その前にお父さんは車道の中央を走行してますし、警察に引き止められて逆ギレして、そこからさくらがブリっとかまして笑って写真撮って終わり。は?です。
原作は未読なので、作品全てに言っていいのかは分からないのですが、まぁ面白くなかったです。演技は悪くないのですが…
手紙と固定電話だけが、恋のツールだった時代の話
美貴が好きだったのは…兄の一だったのだ!と分かった時、初めて美貴が、手紙を隠した動機が分かった。解った(共感した)訳ではない!だから、一が、不自由な身となった時、自分から一が離れる事がないと思ったから嬉しそうだったのか……
一の手紙を待つ心情を考えると美貴の行為は許せないと思った。結局、一は優子の気持ちも知らずに命を断ってしまう。兄の真剣な想いを知ってた薫が、美貴を殴ったが、美貴も辛かった。絶対に叶う事のない相手に恋してしまった…。
薫が一の弱音に腹を立てたのは…兄に元のような諦めず強い存在に立ち直って欲しかったから…そして…家族の愛を信じて欲しかったから…!
でも…一はgive upしてしまった…。家族は ある意味一に裏切りに近い感情を抱いたのかもしれないと思った。自分達を信じて貰えなかったという…失望と喪失感の中で一の事をどう捉えたらいいのか迷っていたのかもしれない…。
だから、さくらを大切に思う事でひとつになった車の中で、美貴が「お兄ちゃんを好き」だと言い
「お兄ちゃんは死んでしまったけど…皆んな思うやろ?生まれて来てくれて ありがとうって…」という言葉にやっと気持ちの整理がついたのだろう。一が、生まれて来た意味はある!
薫は一のまぼろしに「兄ちゃん違うよ!打ち返せないボールなんてないよ」と言う…。僕達はこれからも諦めずにずっと生きて行くよ。と…
この映画には?と思う事が、たくさんあった。
先ず「フェラーリ」の存在。必要でしたか?その後 何か意味があるのかと思ったのに…特になかった。幼い美貴を演じた子の目が素晴らしくて惹き込まれた!けど…。一の惨めな気持ちを喩えるだけの存在なら別に他の表現でも良かったのに…。
サキコさん。これは、如何に母が父を愛しているかを描くのに必要だったし、父がオネエ?(トランスジェンダー?)になった同級生に対し偏見を持たない、それどころか頼りにされる存在だったということを表していた。サキコは一の相談相手にもなり、葬式で美貴を気遣い、父の代わり?に長谷川家を見守っていた…。この役の加藤雅也さん 本当に素晴らしい!とても自然にオネエだったし、抱擁力も優しさもサキコそのもの。
ただ、サキコの「親に嘘をつく時は愛のある嘘をつきなさい」という言葉。美貴だけが その言葉に共感?していたようだったけど…この言葉 回収されましたか?
薫の独白で美貴の誕生の日の両親を描くシーン。その場に居ない薫が何処で知ったのか?母から聞かされたのかもしれない…が、赤ちゃんが、産まれる時の表現を母が「スロン」と表現した事に大いに賛同していた(出産経験ある私は良く分かりますよ!)のは、男の独身である薫が言うのは おかしいと思う。母の出産に立ち会える訳もないし…?さくらも 子を産んだ様子もないのに。
一に手紙が来なくなって元気がないと言ってたシーンの後に 美貴がポストの郵便物を見てて矢島からの手紙が来てない事を知ってさくらを散歩しに行くシーンで薫の独白で「毎日のように来ていた手紙や電話がぱったり来なくなった」とあるが?あれ?少し前のシーンでなかなか手紙が来ないと言っていたのに、あの後 また手紙や電話あったの?と…どういう事?
薫の童貞喪失シーン。これは まぁ兄の影響もあり、男子高校生のあるある?なのかもしれないけど…あんなに何回も描く必要有りました?結局 薫の人生に影響あったとは思えなかったし…もし意味が有るなら
愛=Sexは有るが、Sex=愛には必ずしもならないという事を知ったという事か…
一と優子の別れのシーンで薫が兄達の真剣な気持ちに息が詰まる思いだったと語るけど…それ程 兄達の愛の深さを感じるシーンが描かれてないので 薫の口から聞かされても「へ?」と肩透かしを食ってしまった…。薫のLoveシーンを削っても描くべきだったのではないでしょうか?
一が死んだ後 思い出の品を燃やしていたけど…なんで?と思った。もし愛しい子の物だったら私なら焼かないし、捨てない!何故、母は一の思い出を焼いてしまうのか?もう新しい思い出は生まれないのだからこそ遺品を遺して置きたいのが親の心情なのに…?もう思い出したくないくらい傷ついてしまったからなのか…家族の愛を信じて貰えず先立った息子への怒り?だったのか?…
何故父はランドセルを背負って家出してしまったのか?ラストの車の中で「美貴 あのランドセルは棄てたぞ」と言うシーンで、一亡き後、父は美貴の一への気持ちを知ってしまい、それに気づかなかった自分への情けなさや一を傷つけた美貴への怒り?そして何より まだ20歳の息子を救えなかった事に対する居た堪れなさに家出したのかな?と思った。でも、美貴にそう言う事で美貴を赦し、美貴を丸ごと受け入れ愛してると言いたかったのだと思った。
疑問はまだ有りますが、他にもいろいろ書きたい事があるのでこのくらいにして(笑)
小松版美貴の最初の登場シーン 美貴は中学二年生!!なんだけど…だからか、ずっと何故かショートパンツ姿でいる。その為、小松さんのスラリと伸びた美脚が、艶めかしくて…しょっちゅう、あれ?美貴って今いくつ?と脳内変換(笑)しながら見てたので、ちょっと疲れてしまった(笑)ラストシーンでさえ まだ17歳。色っぽ過ぎる。でも…美貴が出来るのは彼女しかいないと思えた。兄を慕う異常な心理や悲しすぎて笑顔のような表情になってしまう芝居など、監督さんも仰ったけど、小松さん天才!だと思いました!
初日に甲府の映画館(TOHOシネマズ)で矢崎監督の舞台挨拶を見て来て、その話の中で印象的だったのは
「愛が、動機なら何をやっても良いというテーマがいつも僕の中にある」
という言葉だった。美貴のした事を指すのだろうか?…
私は共感しかねるが。
この映画にはサキコの他にカオルという同性愛者が登場する。彼女は美貴を卒業式の壇上で自分を否定しなかった素敵な人間で「好き」だと公言する。美貴の偏見の無さは長谷川の両親の教育の賜物だと思った。
この物語の時代は まだLGBTQという言葉の概念もアヤフヤで偏見が強い頃だった。今もさして変わらないかもしれないけど…
教師らを倒したり突き飛ばすのは どうかと思うが、カオルの言葉は立派だと思った。
カオルも全く偏見のない人間だったから美貴の兄である一がどんな姿でも普通に接していた。だから、一も少し前を向けて「暖かくなったら散歩に行く」と言えたのだろう。
この映画は たくさんのテーマが詰まった難しい映画だと思う。様々な愛やSexや普通に生きる事の難しさなど…
役者の皆さんは それぞれ素敵な芝居で時に笑いを誘い、時に泣かされた。
北村匠海さんの飄々とした いかにも弟な感じが上手く 美貴の兄を思う気持ちを察しながらも 一の優子への愛の強さを知る薫の複雑な思いから流れる涙と妹を殴る芝居に薫の辛さを感じた…。
吉沢亮さんは人気者で強く、優しい兄という薫のイメージから…事故で半身の自由を失い顔まで半分損傷してしまうという難しく、辛い役だったが、一が、壊れて行く様を繊細に演じていた。泣きながら「打たれへん…」という姿は本当に痛々しく 合わせた手の表情が一の心細さを感じさせた。
そして…死にゆくのに 明るく さくらと出掛け、自分の首に鎖を巻く姿が、切なく怖くもあった……耐え難い苦しさから解放されるという気持ちになるのだとしたら…リアルなのかもしれない…。
両親を演じたお二人も見事だった!特に寺島しのぶさんは若い頃の演技は本当に若さを感じたし、あのお母さんなら夫との性もあっけらかんと子供達に話して聞かせるだろうなと納得できるキャラを好演していたと思う。
永瀬さんは薫が、言ってた通りの長谷川家を支えていたのは 秋の日差しの光のような父だったと言うセリフの通りの妻や家族思いの人物を好演していた。
小松さん、加藤さんは前述の通り!
少年期の二人の子役さんが良く似てて本当に兄弟のようだった。
でも…評価するのがとても難しい。
私が共感出来たのは…一くらいかな。
初日に時間とお金をかけて甲府まで行ったので3回見てみたが、一に対しての不憫で哀れで複雑な想いが、一番残る。長谷川家の人々の心にずっと住み続けるであろうけど、辛い。
薫が言うように一はいつかボールを打ち返せたのかな…生きていれば。
長々と取り留めもないレビューを読んで下さりありがとうございます。
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すっごいおっかさんだ
予告編を見て長男を喪った家族再生の物語かと思っていたが、長男がなかなか死ななくて(失礼!)予想と違う長谷川家の物語であった。
前半は嬌声を聞かれた母親が子供に赤裸々に説明しているシーン(その時の父親のいたたまれなさが最高)をはじめとして、何気ない1日1日の描写にほっこりしていた。
長男の一は二枚目でスポーツマンの好漢。彼の愛に一途に生きる姿には心を打たれたが、その後に彼を襲った出来事は理不尽の一言に尽きる。顔に関しては整形でなんとかなったのでは?と思わなくもないが。
その彼の運命にも影響を与えた問題児の妹・薫は自分が小松菜奈を苦手なこともあり、許せないの一言に尽きる。
兄への愛情を素直に表せず反抗的な言動をとることはわかる。兄への手紙を隠していたことは察していたし、そこまではまだわかるが、兄が悲劇に襲われた後も表面上は後悔を見せず、逆撫でするような、奇矯な言動を繰り返す姿にはイライラさせられた。誰かに罰してほしかった故の言動かもしれないが、それを演出で表現できていないように見える。
その他、父親の疾走やカオルとのその後や、描写不足に思える点も多く、前半と比較して失速した印象を与えた後半は残念であり、消化不良な後味を残した作品であった。
私が知る中でここまでLやGを偏見なく描いた映画はない
人を愛する事にフォーマットは無い。
ワンちゃんの映画と思い鑑賞に来た客に屁を食らわす。なかなかの力作。しかし演出の下手さがこの力作のクオリティーを下げてる。残念。
蛇足🌸さくら🌸だけに櫻坂アイドルを起用は誰のシャレかな?これも人を食った意図なら天晴れ^_^
【”深く愛し合った男女が作り上げた家族は、簡単には壊れない。時に深い喪失感を経験し、時に詰り合っても・・。そしてサクラは彼らを鼓舞するように尾を激しく振る”随所に心に響くシーンが散りばめられた作品。】
ー鑑賞前、キャストを見て、”え、吉沢亮さんが、お兄ちゃんを演じるのか・・、あんなに端正な顔なのに・・”と思ってしまった自分を、鑑賞後激しく恥じた。
それは、
・一の葬式のシーンで映し出された”微笑む遺影”と事故後の顔の対比が、妹美貴(小松菜奈:この不世出の女優さんは、どこまで演技の凄みを持っているのか・・。凄すぎます・・。)の余りの哀しみのために、”狂気に陥る寸前”まで行ってしまうシーンに戦慄を伴う凄みを与えた事と、
・場内から漏れた”綺麗だったのに・・”という中年女性の呟きを耳にした薫(北村匠海)のモノローグ ー僕は初めて人を殺したいと思った・・-
に、深い兄弟愛を感じたからであり、それ故に場内からの”呟き”と同じ事を考えてしまった自分自身に対する浅はかさに気付いたからである。
そして、吉沢亮さんの役者としての”気骨・気概”に心打たれたからでもある。”あの顔で役を演じるのは相当な勇気が必要であると思ったから・・。”-
■印象的なシーンは数々あれど
1.子供たちが幼かった頃、夜、両親(永瀬正敏・寺島しのぶ)の夜の営みの際の、母の嬌声を聞いた美貴が、翌朝の家族そろっての朝食の場で
”ママ、昨日の夜、猫のような声を出していたけれど、何をやっていたの?”
と無垢な声で、聞くシーン。固まる、一と薫。
だが、母は優しい顔で、夫と性交する理由を子供たちに分かりやすく話をする。
- 夫もその話を止めず、下を向き黙々と朝食を摂っている。この夫婦が如何に深く愛し合っているかが良く分かるし、子供たちも”家族”とはどのようにして出来るのかをうっすらと理解する・・。良いシーンであると思う。-
2.子供たちが、思春期に入るにつれ、長兄の一は皆の憧れの存在になって行く。その中には妹、美貴も含まれている。
ー 所謂、”禁断の恋”に近いのかな・・。一が初めて、家にガールフレンドを連れてくるシーンでの家族たちの事前準備の姿が面白い。だが、後半美貴の行いの切っ掛けにもなるシーンでもある。ー
3.一が事故に遭い、”あの身体と顔”で、病院で家族と会うシーン
- 美貴の”敢えて、明るい態度を振舞っている” のか ”これで、あの九州に行っても兄と文通を続け、将来は結婚の約束までしているガールフレンドから相手にされなくなる・・という真の喜びなのか・・”
私は、後者であると思った・・。
少し、怖いが小松さんが演じると ”ありかもな・・” と思ってしまう。-
4.一の”ギブアップ”のシーン・・。
- 桜の木の下で・・、サクラを連れて・・。 -
5.久しぶりに揃った5人の家族(もちろん、サクラを入れてである。)の大晦日の夕食時に起こった出来事。
そして、元運送会社で、トラック運送ルート管理をしていた父の”久しぶりに見せる”格好良い姿。
- 緊迫感溢れる中の、サクラのあのオチ。少し、脱力するが、久々に笑いに包まれる長谷川家の人々。そして、新年の朝陽がゆっくりと上っていく・・。 -
◆物語中、二男の薫を演じた北村匠海さんのモノローグ風に家族を語るスタイルも良い。
<お互いに愛し合って来た家族は、そんなに簡単には、壊れない・・。
長兄の一と長女の美貴はそれぞれ、人生の大きな”決断”を自ら下した。
二男の薫は、東京の大学に進学し、どのような決断をしていくのだろうか・・。
一度は壊れかけた家族を、幼犬から育てられたサクラが、もう一度結び付けたラストも、この家族の再生を感じさせており、派手さはないが、”良いなあ”と思った作品である。>
家族の話であります。
よくある家族の話
しかし、何かで歯車がおかしくなる。
犬のサクラの加入
妹の誕生
近くの変わった人との関わり
兄貴の彼女
初体験
大事故
父の失踪
しかし、やはり家族には、笑いがあるんやな。
小松菜奈の太ももが、美しく眩しかった。
家族ってなに
家族なのにどこか他人事で、その他人事感がとても人間くさかった。おそらく長谷川家で一番まともな人間が長男のはじめだったんだと思う。はじめを中心に軸を持ってる家族で、はじめが変わったときはじめを支える人は誰もいなかった。はじめ側に感情移入して観ると、とても苦しい映画だった。家族は変わってしまったけどさくらだけは変わらない、はじめとさくらの関係性は最後まで変わることなく終わった。だからはじめはあの日さくらを連れていったんだと思う。個人的にはハッピーエンドとは言いづらい映画だった。妹はその人が生きてるうちに好きだと伝えるべきと最後の方に言っていたが、その前に謝るべきだろうと思ってしまった…。
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