さくらのレビュー・感想・評価
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大好きな役者さんたちの共演
私が大好きな役者さんたちの共演であった。
内容はほっこり温かい日常の中に潜む、人の狂気、偏愛を織り混ぜたようなものだった。正常な家族関係に見えて、歪な関係も垣間見える。小松菜奈ちゃんは吉沢亮(兄)に恋慕の念を抱く。あんなに見目麗しく誰にでも優しい憧れの兄がいれば誰だって好きになってしまうよなと少しばかり共感はある。
そうした関係の中ワンちゃんが上手く家庭の調和を図ってくれていた。
吉沢は急に足が動かなくなり夢は途絶え、彼女と連絡を妹小松菜奈に阻害され、生きる価値を見失っていき、もがき苦しむお芝居は此方まで胸が締め付けられた。
少し無理やりにこじつけている感じのするところもあったが、日々の温かい暮らしの中に潜む黒い影といった形はリアリティがあり面白かった。
苦しかった
吉沢亮ファンで亮くんの作品はほぼ見ています。
亮くんは本当にその人として生きていて、障がいが残った辛さもどんどん追い詰められていく様子も表現されてて素晴らしかったです。
妹の小松菜奈ちゃんがとにかく狂っていた。お兄ちゃんのことが大好きだったのか、感情が全て表に出ている子のようだった。
人間の感情をすごく感じることが出来る映画でした。
人の感情を見る映画
妹さん、なんかもはやサイコパスみたいでしたね。
お兄ちゃんのことが好きすぎて
もしあの手紙が全部はじめさんに届いていたなら
まず事故に遭うこともなかったかもしれはい。
そして顔の傷もなくまた溝口さんに会えてたかも。
あんなに何枚も届いていた手紙を
全て隠してたとは、流石にないよなぁって思っていたら、後半で全部出てきて、うわぁやっぱりかよでした。
あれは殴ってしまいますね。
なんか人の生きていく上での持ち合わせている
感情とか感覚とかそういうのを家族、そしてサクラふくめて
いろいろな立場から見せられる作品だった気がします。
人の感情と、人の経験を見ていくお話でした。
共感できることや、こう感じるのかと思う部分や
色々見えるような感じでした。
面白い!!!!!とかではないです。
ただ出ている方々の演技力が自然なため
見ていられました。人を見る作品でした。
お兄さん死んでしまったの、かなしすぎる。
溝口さんのその後も気になっちゃいます。
溝口さん、無愛想なのかと思ってたけど
心を人に閉ざしていただけだったんですね。
道端で足を挫いた女の子を家まで送って
そのままやっちゃう童貞かおるくん。
そういう子じゃなさそうに見えたのに
やっちゃっててうけました。笑
好きかわからないけど快感が忘れられず付き合っているみたいなセフレ状態。
母親の喘ぎ声を聞いてしまった妹に
昨日何してたと聞かれた母親が
隠さずに説明していて、こういう説明の仕方なら
うそではなく、伝え方で色々変わるなぁと思いました。
なんかやたらと下ネタが合間合間に入り込められてて
なんかよくわからなかったです。
さくらが繋ぐ家族の絆もあったのかなと。
けどわんちゃんの名前のサクラが題名の割に
わんちゃん全然主役じゃないのですね。
さくらちゃん可愛かったです。
全体的に演者さんの演技が
すばらしかったので3.
衝撃的な出来事が
立て続けにおき、
流れについていけなかったのと
小松菜奈のオナニのシーンが気に入らない
(小松菜奈を性と結びつけすぎ?みててなんだかかわいそうになった)のがマイナス要素。
なかでも子に向かって性の話をするシーンは
わりと衝撃的だった
家族って素敵。
あんなにキズナのあるような
家族にみえたのに
兄が折れてしまったのも衝撃的だった
完璧主義だったからこそかな、、
転落するとしんどいのかも。
この映画のテーマは『愛と性』な気がするなぁ
にしても、、吉沢亮かっこよかった、、
兄弟3人の物語
兄弟3人のそれぞれ思い描く未来予想図が思春期の中で歪なものを生み、それにより動かされる家族の物語です。
割れた家族も割れた部分を引っ付けることで味のある食器の様に生まれ変われるんじゃないかと教えてくれる物語です。
主人公含め兄弟3人や周りの演者さんたちも上手なんですが、3人についてはキャラクターの年齢のもっと近い俳優さんを使ってやってみて欲しかったです。
3兄妹とペットのさくらの涙の物語
3兄妹が出会った犬のさくらをきっかけに数多くの経験が生まれました。
学生時代の恋愛、父と同級生に連れてったオカマバー…そんな中長男の交通事故で自殺してしまいます。
兄の死去で家族はどうなっていくのか。
それでも、前を向いて行くんだなと思いました。
スルメのような映画(そして素晴らしい演技)
見終わった瞬間は、感想は、
「主役3人の演技は素晴らしい。でも映画としては少し焦点がぼやせていて、原作小説のオムニバスのような感じがする。倍の長さで観たかった感じ。」
だった。一つ一つの場面を掘り下げ足りないような感じがして、原作は読んでいないけれど、原作へのリスペクト故に捨て所が決められなくて、色々限られた時間に詰め込んだからなんだろうな、と思った。
ところが。
夜になってもずっと、各場面を反芻し続けている自分を発見した。
それぞれのシーンの前や後ろを考えたくなる。例えば、ハジメが彼女との関係を豊かにしてきた頃の庭のシーン。あの一シーンだけから、その二人がそれまで過ごしてきた時間、二人が思い描いている未来が見える。頼りにされて輝いているハジメ、肩が光って見える。
お兄ちゃんがいなくなって、ミキがくるみに触ってもらうシーン。その切なさが、あとから込み上げてくる。
そういえば、観ている最中も、普通泣きそうなシーンじゃないところが泣けた。お葬式のシーンより、冒頭の方の、ただ薫が歩いているシーンとかの方で、なぜか勝手に涙が出てきた。その涙は、「なんの変哲もなさそうでちっともありたきりじゃない、この一回性のある日常という人生を生きるということ」への涙のような気がする。
結構エッジィなテーマが含まれているのに、最後まで「ほのぼの家族ムービー」感のあるタッチを崩さずに描こうとした監督の意図も考えた。
そう、やっぱりそう。私たちはみんな特殊で、なんか変で、でもそれこそが結局凡庸な当たり前な生きるということなんだと感じさせられた。
自慰のシーンもあるし性的な描写もあるから、作ろうと思えばいくらでも前衛的な雰囲気に作ることができたように思うけど、それをしなかった。
それが、この映画の面白いところだと思った。
そのために、やや長すぎるようにも思える冒頭の性教育シーンは必要なんだと思った。
そうじゃないと、「若い人がなんか性的なことをやってるのを出せば芸術になったような気になってかっこつけて作った映画」になりかねない。
そう思うと、ますます味わい深く感じられてきて、夜もふけた今、まだ反芻が終わらない。
そして、レビューでも沢山賞賛されていたが、やはり主役3人の演技のことにも触れておきたい。
吉沢亮の、とことん自然なのに究極に存在感のある演技が、本当によかった。演技が、と書いたが、演技とすら感じられないレベルだった。観終わったあと、長谷川一本人出演のドキュメンタリー映画を観たような気持ちになった。
吉沢亮としても、過去作品のような、サイコパスな日常離れした表情でもなく、漫画特有の現実離れしたセリフでもなく、本当の日常の、本当の青年の役がやれて、本当に嬉しかったのではないだろうか。
ドンピシャ恋愛ものの主人公になるのをなるべく避けて、トモダチゲーム、猫を抱くもの、GIVERなどの作品を積極的に選び、恋愛ものを引き受ける時もマーマレードボーイのように暗い過去のある役を選んで来た吉沢亮は、「美貌というレッテルに負けない役者でありたいんだろうなぁ」という感想を抱かせる俳優である。
今回、メイクも薄く、セリフも自然なもので、これでこそ本当に芝居が生きてくる感じで、本当によかった。顔の半分が崩れてからの演技も、圧巻。というか、崩れたおかげで美貌に邪魔されずに演技が光るようになった。(美貌の持ち主は大変だなぁと思う。)死を選ぶシーンの、気の抜けるほどのスローさ、本当に圧巻だった。
作品ごとに全く異なる表情を見せる役者さんで、来年の大河ドラマも楽しみである。
小松菜奈は、ファムファタールをファムファタールにしなかったところがよかった。この役、もっと線を太く、もっとサイコパスな人間にすることも可能だったと思う。それをあえてしなかったのがよかった。フラットで自由な人というだけで、あとは自然だった。描きこみ過ぎない演技。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」でも見せた、「佇んでいるだけでミステリアスなオーラ」はそのままに、自由で闊達な心を備えた美貴の格好良さがよく伝わる演技だった。
手紙のことがなければ、ハジメは、恋を支えに事故後も前向きに生き抜いたと思うから、正直なところ、私は美貴が憎くなる。でも、美貴がとても魅力的な女性として同級生に恋されるのは、すごくわかる。…ああでも、ハジメは事故で死んだんじゃなくて恋で死んだんだと思うよ…。ああ美貴…。自分が苦しむだけでがんばってほしかったよ。
北村匠海のナレーション。監督に言われたという通り、声がとてもきれい。今後、ナレーションだけの仕事とかもしてほしくなる。
薄く薄く、演技をとことん薄めていった感じの演技。物語全体の、静謐な感じをつくってる。
目撃者としての役柄が似合う。「君の膵臓をたべたい」も、目撃者としての立ち位置だったと思う。
初め、「色々詰まっていて焦点がぼやけている」と思った感想は、一日反芻しているうちに「誰もが生きているこの凡庸で特殊な生とは、ここからここまでを含みます」というメッセージのように感じるようになった。そう思うと、なおさらこの映画が味わい深い。
ワンシーン、ワンシーンを、舌の上で転がすように、また観たい。
スルメ。また観たくなる。
ラストにつながる原作で好きだった幼少期のうんち爆破シーンがなかった...
ラストにつながる原作で好きだった幼少期のうんち爆破シーンがなかった点、原作にはない美貴の兄を想いながら一人でするシーンの描写に少し不満を感じましたが、結局すごく感動した。やはり題材としては重く考えさせられるし、キャストの演技力が素晴らしかったから。北村匠海は受けの芝居がとても上手い。あまり感情を表に出さない役ながら、心の揺れを微かに出す上手さを感じた。兄の変化を感じ取りつつも家族の中で上手く立ち回る様もとても自然だった。だから余計に数少ない感情を出すシーンがより深みを出した。そして優しく美しい聞き取りやすい声が、悲しみにそっと寄り添ってくれるようでとても心地よかった。小松菜奈はいるだけで映画の質を上げるような存在感があり、美貴は彼女しかできないと思わせる唯一無二感がある。吉沢亮は薫との自然なお兄ちゃんらしいやり取りを見せたり、美貴との距離の取り方の葛藤みたいなものを僅かに感じさせたり、彼女の前ではまた違う顔をしたり、素直に恋愛に悩む切ない顔を見せたり、思春期の男になっていく様子を上手く表現していた。でもやはり事故後に階段を這うシーンと食卓でヒーローの面影もなくかっこ悪く泣くシーンは圧巻で、見るのが辛いと感じさせる程だった。トイレ問題など小説にある惨めになるような描写が少ないながら、一の葛藤をよく表現していた。メイン三人がとにかく上手く、それぞれ賞を取ってほしいと思えるレベル。彼らがこの作品を引き上げたと思う。
見どころのシーンはやはり薫と一の入浴シーンで一が水に沈む美しさ、美貴が一を想い女に変わる美しい表情。そして、一の自死のシーン。勢いではなく決断してから行動に移す時は意外と落ち着いてるんだろうな、と妙に説得力を感じたと同時に、勢いではなかったことのある種残酷さと怖さを感じた。そして、終始愛犬さくらがかわいくて、みんなの心の拠り所になってるところはかなり救われる。
正直原作の方がいいと思ったし、描写の仕方に不満もあるが、心に残るものがあるので、一度見てほしいと思える作品。そして、ぜひ小説も読んでほしい。
小松菜奈映画としてならよい。
あんまり批判はしたくないし、
原作も読んで無いので。
主役は、小松菜奈の演技。
映画で、少し説明不足かなと感じた点。
それと、改善点を少し。
スーパースターの長男が、なんで最初の彼女選んだのかな?
不憫な犬をもらったのは、次男カオルでしょ?
小松は、不満だったけど、かわいがった。
長男が、少し不幸な物が気になる性格なら、
この彼女選ぶ意味あるよ。
さくらを選んだのが、長男だったら、つながるよ。
犬、最初の彼女、小松は自分の思う通りにならず、
長男は、かわいそうなものに興味あるとする。
次男、不良な娘に逆ナンされて、体の付き合い。
だけと、家でさくらとか、スターの長男、愛し合ってる両親と接しているうちに、だんだん変わる。
小松は、長男が大好き。だけど、無理。
他の男は、誰でも物足らない。
女の子に興味持つ。わかる。
長男の事故の直後に、病院で
なんだか、微笑んで長男見てた。ここ、急過ぎないか?
号泣、取り乱すシーン少し入れれば、
あっ、少し精神ダメージうけたのかな?ってわかる。
自分が手紙隠してたから、もう彼女に会えなくなっちゃう。
大好きな兄を一生不幸にしていまった。
取り返しのつかない行動の後悔によって。
その後の変な行動にもつながる。
あと、手紙隠してたけど、電話は出来なかった?
親父、ランドセル持って家出したけど、手紙も入ってたのかな?後から知ったの?
長男の事故で、賠償金たんまりもらえた?
だから、東京の大学行けた?
親父は、ちゃんと仕送りしてたし。
葬式の粗相の場面、みんなの真ん中歩かせるか?
はじっこ歩けよ。
全然、カバーしてないじゃんか。
まあ、ちょっとづつ設定、展開に納得いかない。
でも、小松菜奈の演技、その他役者さんすべて
演技は素晴らしい。だから、惜しい感じの映画。
さくら
何が起こるかわからないのが人生であり、その中で見たことも聞いたことも感じたこともない事物と出会すのもまた人生である。その都度狼狽えずに自分の中にそれらの居場所を見出せたらいい。そう思いながらも、果たして私は「悪送球」から逃げずに受け止めることができるだろうか。
原作の著者である西加奈子氏は、人間の持つ美しい面も汚い面もありありと描く人だと思う。この映画でその象徴的存在だったのは、やはり小松菜奈氏演じる長谷川美貴ではないだろうか。誰しもが子供から大人になり、その過程で荒々しくて歪な思春期を経験する。大抵の人が当時を振り返り、その青さを大人になって恥ずかしく思うものだが、一人の大人として人生を歩む上で、なくてはならない時期なのだ。悲しみに立ち向かう強さ、誰かを好きだと思う気持ち、怒りを鎮める冷静さ。どんな感情にも直向きであることの大切さや、現実と向き合って受け入れることの大切さに気付かされた。
主題歌である東京事変の『青のID』を聴いた時は、この映画のエンドロールに沿えないのではないかと思ったが、感傷に浸らせるのではなく、あくまで前向きに笑顔で終わっていくラストに合っていたように思う。常に人間は溢れんばかりの感情に満ちていて、絶えず吐き出していくその繰り返しが人間らしさなのであり、どれだけ受け入れ難いことが連続していたとしても、それでも人生は続いていくのだから、せめて笑顔で歩き出したいものだ。
キャスト陣の演技が素晴らしい
原作既読。制作が発表された頃からずっと楽しみにしてきた。もちろん、原作の方がより詳しく描かれているので感動は大きいが、映画も映画ならではの良さがたくさんあって期待以上だった。ただ西加奈子さんの小説特有の比喩を映画では表現できないこと(仕方ないことだと思いますが)と、エピソードを詰め込み過ぎた感が否めないのが少し残念だった。
この作品は、3きょうだいの約10年の変遷を次男の薫目線で、アルバムをめくっていくような感じで進んでいく。主人公は薫であり、薫の視点で描かれている。薫は才能あふれる兄と妹に挟まれて、自分の凡庸さに悩みながらも、家族の接着剤的な役割の青年で、この映画のタイトルにもなっている一家をいつでも見守る愛犬の「さくら」と重なる部分があり、彼のあたたかなナレーションで物語が進行していくことはとても「さくら」らしいなと感じた(犬は流石に喋ることはできないから薫が代弁しているのではないかと錯覚する)。
あくまで薫が主人公であるが、物語が大きく動くきっかけとなるのは美貴と一であり、3人それぞれとても難役で体力の必要な役柄だったと思うが、全員素晴らしい演技だった。
北村匠海さんは、中盤までは受けの演技が中心だったが、お葬式での憎しみの目のリアリティが素晴らしくて、薫というクールに見えつつも実は1番内面に抱えているものが多いであろう青年を、スクリーン上に確立していてさすがだなと思った。静かな役で印象に残る演技をすることはとても難しいと思うが、彼の演技はしっかり爪痕を残しているし、彼でなければここまであたたかい作品にならなかったと思う。
小松菜奈さんは、角度によって全然違う風に見える、ある意味宝石みたいな少女を力一杯演じていた。ある時はわがままで、ある時は1番冷静で、ある時は不敵な笑みを浮かべるという、どれが本当の美貴なんだろうかと思わせる不思議なキャラクターをあそこまで表現できるのは彼女しかいないのでは。少し関西弁に違和感があるのも、変わった美貴らしくて良かった。特に、父親に「あのランドセルは捨てたぞ」と言われた時の表情が素晴らしい。(確か原作では、ずっと一緒に寝ていたぬいぐるみを手放す時の女の子みたいな顔、という表現だったと思う)
吉沢亮さんは、なんといっても芸達者。中盤までの爽やかで素直、かつ優しいという完璧な青年から一転、絶望の淵に立たされてどんどん転落していく様を演じるという、高い演技力が必要な役を難なくこなしている。特に、夕飯中に家族に八つ当たりするシーンや、「神様とのキャッチボール」の話をするシーンでの彼の手の動きによって、一の苛立ちや怒りが手に取るように伝わってきた。こんな細かい仕草まで気を配れる俳優はなかなかいないと思う。彼があまりにも自然に、半身不随となった青年を演じるものだから、何も考えずに映画を観ていたが、もちろん吉沢さん自身は足も普通に動かせるわけで、そう思うと、この役を演じるにあたってインタビュー等で本人は何も語らないけれど、かなりの努力をされたんだろうなと思い感服した。出番は他の2人と比べると少ないが、間違いなく彼の存在でこの作品は成り立っていると思う。
少し癖の強い変わった作品だから、好き嫌いが分かれるかもしれないが、間違いなく心にぶっ刺さる人もたくさんいるはずだし、そういう人が1人でもいる限りこの作品は映画化した意味があると思う。私は、最後の「あなたの愛は、私を高みに連れて行ってくれる」という言葉がこの作品の全てを表しているようで、大好きだ。
なんでやねんアホ!おまえ…
この妹、どう捉えたら良いのやら最後までわからずじまいで戸惑うばかりです。
長男が事故に遭って身体が不自由になってから自殺するまてのあいだずっと、妹がニヤニヤ半笑いだったのが不気味で妙に気になっていたら、ランドセルから大量の便箋と突然の超衝撃的な告白。えぇえー! なんでやねん!しかもそのときもずっとニヤニヤ超嬉しそうだし。そら、次男は泣くでしょ、妹だろうとグーで殴るでしょ。あと、長男の葬式のときの失禁?あれも謎。なんの意味があったんだろ、なにかを示唆してたのかな? お兄ちゃんのこと好きだったんだろうけど、そこまてやるか?てかなんでそうなるかな? この妹、末娘で両親待望の女の子で甘やかされて我儘で自由奔放に育ったって説明あったけど、それだけじゃ片付けられない常人には理解出来ない深い闇みたいなものを抱えてる気がする、たぶんサイコ入ってると思う。
妹の狂気の愛
兄の死をきっかけにバラバラになった長谷川家が過去を振り返りながらもう一度やり直そうとする話。
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宣伝で、これは単なる暖かい家族の話じゃないってやってたけど、このポスターの絵面とキャストでゆうてそこまでぐらいの気持ちで見に行ったら、ほんとに「きれいごとじゃない物語」だった。
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特に死んでしまった兄、はじめのことを兄としてではなくて本気で愛してしまっている美貴がホラーすぎて。はじめが交通事故にあってからは、兄を独り占めできることに喜んでる姿だったり、いつまでも小学校のままの短パンに幼稚な服が明らかに怖い。
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はじめの死は最終的にははじめの心が弱かったからだけど、彼女からの手紙を隠していた美貴がはじめを殺したようなものだと思ってる。はじめが死んだことではじめは永遠に美貴のものになったんじゃないかなぁ。怖いなぁ。
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この作品気になるのは、原作が小説だからといって全部匠海くんにナレーションさせなくても(笑)映像で語るのが映画なんじゃないんですか。
くっさー(岡八郎風に)。さすがに映画では車内を糞まみれには出来なかった様だが、西加奈子的世界を巧まず表現していて好感が持てる。
(原作既読…といっても大分昔なのでディテール忘れてたけど)①演出はスムーズで悪くない。②小松菜奈は西加奈子的ヒロイン(この映画の場合、立ち位置としては彼女でしょう)を大好演。『糸』に続いて若さに似合わず力のあるところを見せた。③吉沢亮も優等生の脆さを良く表現して顔だけでない役者としての実力を垣間見させる。④北村匠海も、語り手であるため(優等生の兄とエキセントリックな妹に挟まれてることもあり)ニュートラル且つ傍観者に成らざるを得ない次男役を変に作らない自然な演技と一見無表情に見える中での細かい表情表現で『君の膵臓を食べたい』より俳優として成長していることを伺わせる。⑤この若手3人を支える両親役として、寺島しのぶは正に大阪のお母ちゃんを存在感たっぷりに演じ、永瀬正敏は文句なしに上手い。⑥西加奈子の小説に必ずといってもよいくらいに出てくる変な人として、今回は「フェラーリ」さんが登場するが、もうひとつ中途半端な描写で物足りないのが残念。⑦その代わりカオルの卒業式での美貴への恋情の演説(告白と言うレベルじゃないでしょう)や加藤雅也演じるゲイバーのママに西加奈子らしさを感じた。⑧現実の生活・人生をデフォルメしたりlarger-than-life的に小説とすることで生きることの多幸感を描く(突飛な話だけど何か生きる希望をもらえるよね、みたいな)のが西加奈子ワールドだと私は捉えているが、そこを映画として上手く伝えられていると思う。⑨『円卓』のコッコちゃんも捨てがたいが、西加奈子原作の映画化ではいちばん成功していると思う。
原作読んだ上で視聴
原作を読んだ上で、超楽しみにしていた映画化で公開日の翌日映画館へ
配役について
他の方が仰っているように、小松菜奈、こんな中学生いるか、と思うが
場面が切り替わる中、小松菜奈は中学生であるといった明言がされないので、あまり違和感を感じなかった
※たしかに長男の一と美貴では結構歳が離れているはずだが、制服を着ている「学生」としてカテゴライズされており、中学生だろうと高校生だろうとあまり関係ないし、
原作を読んだ者として美貴の空気感は小松菜奈のそれであったから親和性は完璧だった
北村匠の薫もとてもちょうど良い、一と違う垢抜けなさ芋っぽさ、語り部としての中立感が想像と映像がぴったし噛み合った
吉沢亮の一、最重要人物でありながら、途中で死んでしまう&事故に遭う為、吉沢亮の美貌とセリフは映画の中では意外に少なかった印象、一兄ちゃんは背中で語るタイプであるからして、吉沢亮の関西弁が少し違和感を感じても逆に問題にはならない、といった感じ
寺島しのぶの母、たぶんこの映画はこの人で成り立っている。母の演技、「なんで知らんのよ」の一言に詰まった想いか全部ちゃんと伝わってきた
永瀬正敏の父、父親の哀愁と背中で語る愛を感じた。一を怒鳴るシーンの緩急の演技は目が離せなかった
犬のサクラ、原作通りの雑種犬、その演技力たるや、人の顔なめるなめる、尻尾をふるふる、母の父の浮気疑惑を問い詰めるシーンはサクラの演技を観るために仕組まれていると思う
原作の空気感がそのまま映画のパッケージにされていて、満足度の高いものだった
特にラストの車のシーン、美貴の泣きながら喋るシーン、完璧に映像化されていてボロ泣きしてしまった
もうちょっと頑張って欲しかった所
①フェラーリはもっとヤバいやつでも良かった(コンプライアンスの問題があると思うが)、あのシーンだけバラエティの再現VTRっぽかった
② 背景に大阪の郊外感がなく、あまりにも山梨盆地だった点。大阪の郊外の、広く平らで遠くに山、海も近いと言った雰囲気をイメージしていたので、舞台としての大阪のリアリティがあまりなかった
③大友さんはもっと野生児でも良かった。櫻坂のメンバー起用ということは重々承知しているが、もっと眉毛がボーボーで髪ボサボサ、ちょっと可愛いすぎたかな。
でも卒業式の演説のシーンは煌々と喋る演技がとても上手でした
色んな愛の形がある、その可能性と素晴らしさ、
従来言われてきた「禁断の愛」なんてない、共通して言えるのは相手が死んだら二度と伝えられないこと、
自分の気持ちを裏切らない、そんなことを教えてくれる大切な作品です
個人的にはもう一回観たいくらい好きな映画でした
星2つはワンちゃんと小松菜奈に。ストーリーも演出も残念。
原作を読んではいないが、大衆向けの直木賞作品だから個人の好みとして、
あまり期待はしてはいなかったが、その通りでした。
見どころがない訳ではない。時代設定が絶妙だし(1995~2000年辺り?)、携帯電話やインターネットが当たり前となった今では感じられないシーンがこの映画にはあって、それはそれで良かった余談だが、私も同じ時期に中高生活を送っていたので、劇中のイチロー選手のポスター、まったく同じものが家にあった。
ただ、ストーリー展開がちょっと心を惹きつけられるものがなく、残念な感じだった。
次男のモノローグで展開するが、メインのテーマは兄の事故の前後に変化した家族の心境、と言ったところなのに、ところどころで無理やり愛犬の視点を入れてきているような気がしてならなかった。
あと、長男役の吉沢亮さんと次男役の北村匠海さんの良さがどうしてもわからなかった。
演出なのかな、それともあまりにルックスが良いからなのかな。映画の中で大変なシーンを演じているだろうが、泥臭さが感じられなかった。もう少し、人間臭く兄弟同士、もしくは親子同士ぶつかったりすれば良かったのに。
あと、いちばん酷いなあ、と思ったのが、愛犬の前で死を選んだこと。実話ならともかく、
なんかこんなストーリー書いちゃうんだって興ざめ。あれで結構冷めてしまった。
星2つ挙げるのは、この作品のために長い時間を拘束されたであろうワンちゃん達と、
さらに幅広い演技力を見せてくれた小松菜奈さん。
今調べてたら、この監督『無伴奏』の人か。性的な表現が好きなんだなあ。
あと、犬の体系的からして、あんな音のおならは出ないと思う。てか、うちの愛犬からおならなんて聞いたことないが。。。
あと、クライマックスで、急に音がなくなって兄の幻影を見るとか、そういう演出がなあ。。。
犬かわいいよね
犬の名前が映画のタイトルだから前面に押し出してくるかと思ったら全然そんなことなくて、
むしろ犬いる??と疑問な映画。
犬を飼ってる身としては癒される反面、あまり好きじゃないかな〜と思った。
まず、犬のおならとうんちの音がリアルではない。
そして、犬の前で自殺するなんて許せない。
お兄ちゃんは一人で行って自殺した方が美しかったと思う。
大好きな家族が目の前で死んでしまうなんて犬には耐えられないよ。
あと、家庭の性教育。
最近の家族はこんな感じなの??
こんなにおおっぴらに教えちゃうの??
あとフェラーリって結局何者だったの??
何に焦点を当てているのか、何の物語なのか全くわからない映画だった。
こんなにつまらなかったのはクローズドノート以来じゃない??
パキっとしないフワッとした映画。苦手。
でも犬いいよね。かわいいよね。
犬のかわいさと小松菜奈の狂った演技に免じて★3つ。
映画館メモ
120席ほどの後ろから2列め、左から3つめの座席。
かなりいいポジションだった。
中央より外してる方が見やすいな。
眠くならないお話です。それはいいことだと思う。
ある家族の生き様を描いた映画。よく作成しようと思ったなと思います。
一見、話がバラバラでむちゃくちゃだと思いますが、最後まで目が離せないのはうまく作られている証拠だと思います。ただ、脳内でたくさん補完しないといけません。
起承転結、どれもありがちな話だと思いますが、今をトキメク俳優さん、ベテランさんをうまく配役して、良く作ったなと思います。
私も三人兄弟だからでしょうか?家族の関係性が結構リアルに感じられ、すべてが懐かしかった。
兄弟で使っている二段ベッドも、そこに貼ってあるビックリマンシールも同じだった。
戸建ての家のフローリングの床の感じ、その壁の作りなど、色々リアルでした。
作っている料理もリアル。彼女さんに無理して準備したフルーツを載せているシルバー(ステンレス)のプレートもリアル。
兄弟が部屋にこもって密談している距離感も兄弟ならでは。(他人同士だと近すぎる距離)
すごくすごくリアルでした。
卒業式のLのカミングアウトはむちゃくちゃだと思いましたが、それで見ている人は理解できるでしょう?そこはサービスカットです。現実と思わなくていい。
クルミを投げつけてガラスやミラーが割れるのも「それぐらい強い思い」ということ。
表現がわざとらしいとか古く見えるかもしれませんが、ワンカットワンカットに、「こう思ってほしい」という気概が感じられました。
私の気のせいかもしれませんけれど、何だか製作した人達の意図が、ドドドッと流れ込んできて、だから全然眠くならなかったんだと思います。
平凡な家族だからねぇ…。何があっても、歩いていくもんだよ。
懐かしい日本の家族、そしてLGBTのぎこちない社会参加と、禁断?だけど普通にある愛。
見て良かったと思います。
本当はみんなチグハグに生きているはずだから、この映画は正直な思いの映画だなと思いました。
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