「神様の悪送球」さくら 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
神様の悪送球
北村匠海のナレーションが優しくて、とても心に沁みます。
「大人になるってことは1人で眠ることではなく、
「眠れない夜を1人で過ごすことである」
ソフトは声の匠海くんのナレーションがいつも冷静で安心できました。
映画は理想の家庭が不幸のドン底を経験して、そして立ち上がる物語です。
西加奈子原作なので、エキセントリックな描写が多々あります。
(奇行・・・は、小松菜奈が担当します、笑)
お兄ちゃん(吉沢亮)を好き過ぎて、感情がコントロール出来ない妹(小松菜奈)
お兄ちゃんの彼女さんに、妹が嫉妬からする行為・・・
穏和な次男(北村匠海)が何発も殴るほど酷いこと・・・
美貴は「お兄ちゃん好き」の度合いが兄妹を超えているなぁ・・・
野球部のピッチャーで4番の兄一(はじめ)は高校のヒーロー。
美しく強くて、眩しくて太陽のような存在。
その兄が交通事故で大きなダメージを受ける。
幸福な家族に《神様の悪送球?!》
受け止めきれずに、一(はじめ)は・・・!!!
長谷川家の愛犬・さくら。
映画の題名にもなっている白い平凡な中型犬です。
自然な演技に目を見張りました。
ただただ尻尾を振っているけど、天才や!
2年間失踪した父親(永瀬正敏)が帰ってきても・・・
車椅子の一(はじめ)が散歩に行っても・・・
愛犬は優しく受け止めて、裏切らない、尻尾を振り続ける・・・
でもそんな「さくら」さえ、言葉を失う事件が・・・
(犬が言葉を失うってとても変だけど・・・ホントなんだよ)
さくら、名優犬・・・空気読まないのに・・・絶妙に空気を変える。
結果として、さくらに救われる長谷川家の人々。
大きな不幸を、なんとかようやっと乗り越える長谷川家の、
ボーッとしたお父さん(永瀬正敏)
チャキチャキ明るいお母さん(寺島しのぶ)
吉沢亮も北村匠海も小松菜奈も・・・そしてさくらも・・・ステキでした。
犬のさくらが家族を繋いでくれる、切なくも暖かい物語です。