「ライブ映像作品として最低の出来」BanG Dream! FILM LIVE オークラさんの映画レビュー(感想・評価)
ライブ映像作品として最低の出来
文字通りフィルムライブであって、MCやアンコール前の描写を除くと
ほぼ全てが演奏シーンで構成されている。
なので完全に演奏しているシーンがメインの作品ということになるが、
なんとびっくり!このメインのはずである演奏シーンが見るに堪えない。
正直なところ劇場で鑑賞するクオリティに達していないと思う。
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演奏している映像と音楽のタイミングがズレているのだ。
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唯一口パクと歌声のタイミングは合っているのだが、本当にそれだけである。
ヴォーカルさえ合っていれば後ろの演奏なんてのはどうでも良いのだろうか。
MVやアニメではこの様なことは無かったはずで、
まさか映画で・・・と空いた口が塞がらなかった。
これが16分音符1コとかでは済まされないくらいめちゃくちゃにズレていて、
気になって気になってまったく作品に入り込めなかった。
コードをストロークしている時のギターは気にならないところもあったが、
ドラムは振りかぶって叩く描写やアップになっても音とズレているので、
気持ちが悪いことこの上ない。
バンドを扱う作品でこれは致命的すぎる。
どうしてこうなった。
ただ他に指摘している方をあまり見かけないということは、
キャラが可愛く動いていればなんでもいいって方が大多数のようなので、
バンドリ!というコンテンツ的には別にこれでもいいのかもしれない。
映像作品としては非常にどうかとは思うが。
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よく指摘される2期からの流用や同じカットの使い回しなどは我慢できる範疇であったが、劇場公開作品のくせしてMVと同クオリティのCGを垂れ流す方が気になった。
作り直さないにしろ、もう少しカットを足すなりできなかったのだろうか。
その使い回しの弊害で、
今回なんとミッシェルに瞬間移動する機能が追加されたみたいだ。
美咲の体が心配である。
同年公開された某アニメ映画もコンサートを取り扱ったものだったが、
こちらはカット割りや動きはもちろん、前髪の動き一つまで拘りを感じられた。
製作期間や予算は分からないので一概に比較もできない上、
そもそも比較しながらものを評価したくはないが、はっきり言って雲泥の差である。
あっちに2000円を払いたい。
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そしてFILM “LIVE”という題でライブの描写しかないくせして、
考証が明らかに足りない。色々とおかしい。
まずマイクから顔を離しても声を拾っているところから、
この世界ではマイクがとても高性能であることが見て取れる。
背中を向けても集音するのだから、素晴らしい代物だ。
タイミングがズレている問題からすれば些細な話なのだが、
なぜかドラムやキーボードの下には台の類がない。
一体どうやってスタッフは楽器を入れ替えてるのだろうか。
律儀にドラムにはマイクが立っている描写がされている訳だが、
これらをステージから捌けて次のセットを組むのは重労働どころの騒ぎではない。
黒服さんが頑張っているのかな。
転換中までキャラを喋らすのはいいが、これのおがげで尚更ステージ転換に時間が
かかっていない印象を受けた。
まぁ暗転中にも喋らすのは映画的演出であり、実際は転換そのものには普通に時間を使っていると解釈できるが。。
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微々たるものだが、アンコール前の描写で六花ちゃんがカメラを持っているシーン。
歩いても全く画面が揺れない。
車輪でも付いてんのかって感じ。
何かにカメラを載せてるのかなと思ってたら、他キャラにカメラを取られる描写があり
ハンディカメラを手持ちで撮っていたことが判明。
そこまで上半身を揺らさないことができるならギターよりマーチングをお勧めしたい。
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なんとか2000円の元を取ろうと頑張って鑑賞していたのだが、
アンコールでステージ後ろの垂れ幕にデカデカと
『BanG Dream! FILM LIVE』とロゴがどーんと出てた時には
笑いそうになった。
なぜ誰もこれに突っ込まないのか疑問である。
バンドリ!という世界でやっていたライブを映像で観ていると認識していたけど
どうやら違うらしい。
どういうこっちゃねん。
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内容はMV垂れ流しと言っても差し支えないくらいなのに、
これで2000円とは一体なにに金がかかっているのだろうか。
全体的に残念な作品だった。
一番最初のキャラ紹介みたいなやつは昔のエロゲOPか?ってくらい止め絵でよかったです。
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アニメ2期と同じく全体を通してCGなので、作画のブレ等もなく安定してキャラは可愛い。
キャラが観られればそれで満足って人はいいんじゃないでしょうか。
間違ってもこれはライブ映像作品としては成り立っていません。
がっかりでした。