「巻き込まれることを受け入れたら。」ひとよ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
巻き込まれることを受け入れたら。
クリックして本文を読む
全体的にとても良かった。
特に音尾琢真が良かった。
漁師になりたかったと泣いた尻から、タクシーの呼び出し電話には極上の営業スマイル(声)でご対応。そしてスカした次男に「巻き込まれてやれよ!」って、あんたええやつ!
わたしは家族のあれこれから背を向ける次男的人間ですが、巻き込まれることを受け入れたら、違う見え方もあるのかなって思った。
とはいえ、ここんちの父親みたいな怪物が家族にいるわけでもなく、背を向けたくなる対象はペランペランだから比べたら怒られるね。
筒井真理子の介護疲れの本音、狭い仲間内での生産性のない情事、リアルで切ない。
長男くんは、長男である自分の不甲斐なさが辛すぎて頑ななんだけど、気弱な自分をもっと愛せれば、妻ともうまくいく可能性あるよね。男の子が受けた呪いを体現している彼が切なかった。
きょうだいたちが灰皿周りで言葉少なにいるだけで妙な連帯がある感じ、自分と弟達にもある空気でなぜか泣けた。
蔵之介のアルコール依存の元極道父と、シャブ中になってしまった高校生の息子のインパクトもなかなか強い。
そんで高校生息子を運び屋にしてしまう現役極道が千鳥の大悟w
お母さんのしたことが、愛がどうかはわからない。
彼女自身が辛くて辛くてやってしまったのかもしれない。
でも多分彼女は後悔してない。
田中裕子は眼差しで語ってくる。ただそこにいるだけなのかもしれないけど、隠した感情が知りたくでみつめてしまう。すごいなっていつも思う。
コメントする