「"あの頃"に忘れてきたもの」ぼくらの7日間戦争 ベルガモットさんの映画レビュー(感想・評価)
"あの頃"に忘れてきたもの
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小学生の時に少し原作を読んだものの全く内容を覚えていない状態で鑑賞しました。
正直賛否は分かれる、というか目の肥えた方には響かない映画だろうなと思いました。作画もそんなに良くないし、新海さんの作品などと同価格で損しないとは言えないかも。すごく簡潔でわかりやすくて、教材のような内容(笑)
でも、若かったあの頃に少しでも未練や後悔がある人ならきっと胸が苦しくなるはず。
登場人物たちの個性がよく表現されていて、みんなそれぞれが違った悩みを抱えていて、またそれぞれにできること・良い面も持っている。最後は全員がしっかり自分の気持ちに決着をつけるところが清々しくて最高でした。
原作は恐らくもっと古い時代が舞台となっていると思うので、現代的な要素の入れ方にリアリティがあって面白かったです。親子間のいざこざから移民、LGBTなど様々な問題がテーマとして取り上げられていましたが、特にSNSで晒された若者のその後の人生について考えさせられました。
本編のあと彼らには苦しい生活が待っているかもしれないし、もう普通には生きられないかもしれない。悪いことをして罰を受けるべきだったとしても、メディアや聴衆はなんて無責任で勝手なものかと思わずにはいられませんでした。
本編のような事件は起こしちゃいけませんが、眩しいほどの青春の輝きを見せつけられ、自分にもっと勇気や行動力があったら、家族や友人に感謝や本当の気持ちを伝えることができたなら、それなら今からでも変わればいいんじゃないか。"あの頃"やり忘れたことを取り戻したい。そう思わされる映画でした。
若い人にも大人にも見てほしい。
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