「【”解放区より愛を込めて” 少年少女の事情VS大人の事情 原作の世界観はそのままに現代社会の姿を盛り込みながら、少年少女たちの成長していく姿が眩しい作品】」ぼくらの7日間戦争 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”解放区より愛を込めて” 少年少女の事情VS大人の事情 原作の世界観はそのままに現代社会の姿を盛り込みながら、少年少女たちの成長していく姿が眩しい作品】
原作を読んだのは数十年前。
テーマは理不尽な校則で生徒を縛り付ける(今でいうブラック校則)管理教育、体罰に反発する中学生たちの姿を痛快に描いた作品だったと微かに記憶する。
今作は、原作の世界観、理念はそのままに現代のSNS事情や移民問題を絡ませながら、
- 幼馴染の少年少女たちが、”大人の事情”に反発し、石炭工場跡に立てこもる7日間の姿 ー
を情緒豊かに、そして痛快に描き出している。
[印象的だった場面]
・SNS時代を象徴するような数々のシーン。彼らの過去が”顔のない人たち”により世間に曝されてしまうシーンは観ていて辛かったし、怖さも覚えた。
・タイ人の不法移民の子供マレットを匿うか、引き渡すか彼らが煩悶するシーン。そして、マレットの叫ぶ言葉。
・綾の父親の”小権力”を盾にした横暴な態度、言動
・そして、あの痛快なラスト・・。
<いつのまにか管理者の立場に立つ己は、綾の父親のような不遜な態度を取っていないか、少し自省させられた作品。
あと、後ろで観ていた高校生らしき男子二人が、鑑賞後”とても良かったな!”と言い合っていたのが、何故か、とても嬉しく感じたなあ。>
コメントする