「健全だけど健全ではない青春」ぼくらの7日間戦争 Dポッターさんの映画レビュー(感想・評価)
健全だけど健全ではない青春
子どもたちが大人を煙に撒く爽快感は健在。廃坑となった炭鉱施設で子どもたちの現代版7日間戦争です。
それぞれの抱えている悩みや心の葛藤や、素の自分ではいられない青春時代の心の闇など今風に描かれています。
舞台装置としてのスマホやSNSはまさに今風ですが、炭鉱という昭和を感じさせる施設とのミスマッチが作品に良い味を出しています。
独白のシーンやクライマックスのシーンは見事な演出で、見応えがあります。
一方で本来なら力で圧倒的な大人たちも見応えの一つのハズですが、どうしてもコメディになってしまいます。アニメだと柔らかくて描かれがちでしょうか。大人の怖さがそれほど描かれていないようです。
また対象年齢を広げているせいか、高校生くらいの年齢であればもっと色恋事があっても良さそうなのですが、これも最近の若者でしょうか。そういうのも描かれていません。良くも悪くも健全で綺麗な青春です。
劇場でもっとドロドロした生々しい青春ものを観たいというのは酷でしょうか。
個人的には泣くほどではないけれど、青春っていいなという青春の魅力を再確認する良作だと思いました。
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