「同時代性を意識したらしいが……」ぼくらの7日間戦争 そらのばさんの映画レビュー(感想・評価)
同時代性を意識したらしいが……
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用事のついでに時間帯が良かった本作を鑑賞。
主人公の表情芝居の付け方や、キャラクターデザインと、どこか細田守監督作の「サマーウォーズ亅を彷彿とさせる。どうも調べると、細田守監督作の「時をかける少女亅などを意識したらしい。
IPをリブートさせるにあたって今の時代に合わせてアップデートしたと言うとおり、動画でバズらせて野次馬たちが駆けつけるというのは、この時代ならではだと思う。そんな1日で野次馬が来るなんてことはないだろ……(しかも北海道に)というご都合に満ちた設定ではあるのだが。
しかし、それで共感ができたのかと問われると、共感はできなかったというのが現実であり、この作品がどこか薄っぺらく感じてしまうのは、ここなのだろうと思う。
主人公達は会ったばかりの違法入国者を庇って入国管理官と対峙することを決め(家出して隠れているはずなのに!)、SNSで犯罪行為の動画をアップロード。クレーンやトロッコを使った、下手したら死にかねない行動の数々。
現実世界に則した世界観であるにも関わらず、しでかしている事と理由の重さがあまりにも乖離していると言わざるを得ず、見ていてあまり面白いものではなかった。どちらかというと、SNSに犯罪行為を上げてしまっている若者を見て「止めておけよ……」と見ている感覚に近かった。
最初のトロッコで山から滑走するシーンぐらいのテイストであればコミカルでエンタメとして昇華されたと思うが、果たしてこの作品はどこを着地点にしようと思ったのだろうか。
エンタメに昇華された形で見たいものだ。
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