「素直に生きる事が大人へのスタート」ぼくらの7日間戦争 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
素直に生きる事が大人へのスタート
原作や実写版は知らず鑑賞。
とても無駄がなく、退屈に感じることもなくテンポよく鑑賞することができた。
彼らのきっかけは親への反抗心からだったのかも知れない。ヒロインの千代野が急な引越しが決まり本人も納得してない。だから友達と廃虚施設に立て篭り7日間を過ごすわけだが、この7日間で彼らは大人へ成長したんだよね。
まぁ本来はこの7日間の出来事をもう少し長くそして濃い生活を3年間、高校生活で送るのかも知れない。
その一部をこの7日間に凝縮して描いてくれたわけだ。
今回参加メンバーの殆どが本当の自分を隠して生きている。彼らがなりたくないと否定してる大人へまさになりかけてるわけだ。
周囲の顔や目を気にして、ひたすら自分の素直な気持ちを押し殺し、敷かれたレールをただただ生きている。
おそらくそれは周囲と一定の関係以上に踏み込もうとしないからであろう。浅い関係で接してるからだと思う。
それがこの立て篭りをきっかけに彼らは大人から逃げることに一つになった。一定以上の関係になったのである。だから最後はぶつかり合って、素直な気持ちをぶつけ合った。ようやく彼らは大人へのスタートを切ったのではないか。
この作品を観ていて時折おもったのが彼らの行動が理解できないところもあった。特にこの作品内の大人達が特別悪く描かれてるように思えなかったわけだ。
この思考こそすでに僕も彼らのような少年の考えが消えかけているのであろう。
個人的に好きなシーンは最後に守が千代野に告白するも振られてしまうシーン。
もちろんこの作品を通して守のカッコ良さに魅了され、彼には幸せになって欲しかった。ただこれが青春なんだよね。青春なんて楽しいことより案外失敗の方が多かった気がする。たくさん失敗してきたからこそ、大人になるにつれて行動が慎重になり、子供からしたら大人はつまらなく見えるのかもしれないね。ただそれは失敗から得た教訓として成功の可能性を高めてる行動でもあるのだが。
彼らの行動が全て正しいわけではない。彼らのような世代はもっともっと失敗も繰り返しながら、そこら学び大人へになってほしいというメッセージ性にも思えた。
大人とはなにか、子供とはなにか。色々考えながら楽しむことができた。
個人的には自分の気持ちに素直になり、嘘なく生きてる人がカッコいい大人の素質の一つだと思う。