「理不尽な権力と戦い続けたイップ・マンの象徴的なストーリー」イップ・マン 完結 かつさんの映画レビュー(感想・評価)
理不尽な権力と戦い続けたイップ・マンの象徴的なストーリー
ほんっっとうに久々に映画館に鑑賞に行きました。やっぱり映画館で観るっていいですね♬
さて、イップ・マンシリーズ、第4作目ですが、まずシリーズ完結編としての感想です。カンフーアクション映画としては、過去3作の方がクオリティは高いと思います。ただ、理不尽な公権力に最後の最後まで「弱者の正義」として抗い続けたイップ・マンという人物、その生涯を象徴するストーリーだったと思います。この物語をオンタイムで鑑賞できたことは、幸運なことだと感じています。最後の走馬灯はズルいですねぇ(笑)イップさんの遺影を前に、今までの過去の話を思い出してたところに、まさにその映像が白黒で。。もう涙を止めることはできませんでした。。。
と、シリーズを通しての感想は一旦おいてこの作品単体での感想ですが、いくつか心の中で引っかかることがあったんですが、一番極太に気になってたこと。空手は、アメリカの武術じゃないですよ・・。「黄色い猿の武術をぶっ倒す!」と、白人が別の黄色い猿の武術で戦う・・。この矛盾がどうしても受け入れられず、ずっとやきもきしてました。ラスボスのバートンが純粋にマーシャルアーツの使い手だったので、まだそこは救いでした。
あと、カンフーアクションにも、今までの作品になかった偽物感が少し。。ワイヤーで吊られてるようなシーンがちらほら見えて、おや?となりした。まあ、ドニーさんもそれなりのお年ですから、今までの同じようにバリバリにとはいかないのかもしれませんね。。
そして、これは史実への疑問でもあるんですが、イップ・マンとブルース・リー、同じ流派?と思ってしまうぐらいファイティングスタイルが違いますよね。短い拳打を無数に繰り出すイップ・マンと、重い一撃を数回見舞うブルース・リーと、詠春拳っていうのは、スタイルの幅が大きい流派なんでしょうかね。そういえば、本物のブルース・リーって手数が多かった印象が。。(笑)
と、なんだかんだ言ってきましたが、
・浅知識で中国版ラジオ体操ぐらいにしか考えてなかった太極拳の本気の拳法として強さ、
・かつて、少林サッカーでブルース・リーっぽいゴールキーパーとして出演していたチャン・クォックワンが正真正銘ブルース・リー役でと本物と見紛うぐらいのアクション、
・バートンのマーシャルアーツのパワー、迫力、
・ご存知イップさんの詠春拳
と見どころは多かったです。最後のイップ・マンvsバートンの戦いはまさに死闘でした。あくまで、過去作が良すぎただけに、というところですね。。