「神話や物語への崇敬」トールキン 旅のはじまり 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
神話や物語への崇敬
今年3月の『マイ・ブックショップ』
つい最近の『ガーンジー島の読書会の秘密』
そして『トールキン』
舞台はみんなイギリスなんですね、なるほど。
古代ゴート語(ゴート族といえば、古代ローマに侵入した蛮族のひとつ?)に関する著作のある言語学の権威との出会い、エルフ語とかドワーフ語を創作してしまうトールキン!凄すぎる‼︎
素粒子やら多次元宇宙とかと同じくらい、自分にはチンプンカンプンなレベルの学問とそれを担える人たちが少なからず存在すること、それを映画という形で私のような凡人にもなんとなくわかった気になるように伝えてくれる。もうそれだけでドラマ作りとしてめちゃくちゃ立派だと思います。
階級格差とか戦争のような理不尽な状況は、それに抗う人たちの自尊心や気高さ、亡くした人への悼み、残された人の心の恢復など、それだけで深くて強い物語を生み出します。
(逆説的にいうと、世の中が平和で満たされた人ばかりになると、感動的なドラマが生まれない、ということになるのだろうか)
世界各地に残る神話や伝説・伝承は、それぞれの民族が生き延びてきた歴史の中で、祖先が味わい克服してきた苦闘や恐怖(飢饉のような環境的な要因や近隣の他部族による侵略など)の記録でもあるといいます。
そのようなことを考え合わせると、イギリスの人たちは、物語というものへの向き合い方、物語を生み出した背景や歴史、そして物語を紡ぐ人たちへの自然な崇敬といったものが、我々の想像を超えるレベルで強いのではないか、そんなことを思いました。
そういえば、ハリーポッターにも神話・伝承がモチーフの巨人トロールとか出てきますよね。
はい、そこは触れません。
でもひとつだけ。
オックスフォードとケンブリッジのラグビー定期戦のシーンが出てきます。勿論、早慶戦や早明戦よりも長い歴史があって、たぶんボート、ラグビー、クリケットの3種目あると思います。
これらの競技、元々は軍隊などの指揮官・リーダーを養成する目的もあったといいます。なので、彼らは二十歳そこそこの若さなのに、戦場でも部下がいたりします。ワールドカップも始まりますので、是非、スクラムやタックルも楽しんでください。ちょうどさっき、テレビでノーサイドゲーム見てたもので…(^.^)
まだ観てないんですけど、
言語学の権威という人が気になります。
大学時代に言語学をかじってみたのですが、
英語もろくにしゃべれない奴が言語学やるな!と
おこがましいことだと気づいて全然勉強してません(汗)
構造主義言語学とか生成文法論とかチョムスキーとかが懐かしい。
誰なんだろ?
言わないでね。観に行くから。。
帰宅してから思い出したのですが、戦場でトールキンを介抱してた下士官、トールキンからサムって呼ばれてました。
史実なのか演出上の計らいなのか、意外と気になります。