鹿の王 ユナと約束の旅のレビュー・感想・評価
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オタクアニメではないので
このサイトであまりに評判が悪いのでどんなものかと思って見てみましたが、ぜんぜん、ちゃんとした映画です。
ただし、オタクアニメ的な展開やキャラ造形はあまりなされていません。
「もののけ姫」等、いくつかの先行作の影響はもちろんうかがえますが、テーマはたいぶ違うものです。
伝染病が、征服された側(完全に征服されたわけではないですが)から征服者の側に広められるという設定、その伝染病に抗えるのが「俺は俺だ」と自己のアイデンティティを民族に依存せずに確立しようとする男、それに、科学の力で伝染病に対峙しようとする医者という点、このあたりからこの作品のテーマは読み解けるのではないでしょうか。
伝染病は実は民族同士の対立に必ず潜む復讐心と恐怖のメタファーなのだとわかります。
そういうスケールで描かれる物語なので、アニメですが一般の実写映画と同じ地平で見てほしいと思います。
原作未読者にはつらそう
小説の壮大な世界観には及ばず
小説の、書き込まれた壮大な世界観、登場人物達の繊細な心理描写、国同士の緻密な駆け引きなどには、全く及ばず。ストーリーも小説未読の人には分かりにくかったんじゃないかな。ただ、キャラクターのビジュアルや声、動物の生き生きした感じ、森などの背景の美しさは良かった。あとエンディングのmiletの歌も良かった。鹿に乗る男、狼に乗る娘というビジュアルが、どうしてももののけ姫を連想させてしまうから、もののけ姫のなり損ないなイメージを持ってしまう。映画化自体かなり難易度が高かったのでは。期待していて、延期を重ねた末やっと公開されて観れたし、悪く書きたくないけれど、やや残念な気持ち。小説が再読したい。
この映画を観て、上橋さんの本も読んで欲しいなあ
One Reason
酷評がかなり多かったので腹を括っていったのですが、そこまで悪くはなかったです。
まぁキャラクターの描き込みやインパクトが無かったり、話を詰め込みすぎてダイジェスト感が否めなかったり、専門用語連発だったり、序盤の文字羅列での状況説明だったりと、設定は魅力的なのに色々と追いつけていなかった印象です。
ただヴァンの寡黙な雰囲気と、ユナの天真爛漫なかわいさ(キービジュアルがアレな表情だったのでここで挽回してくれたのは良かったです)や、ホッサルの医者としての命の危険を顧みず人助けをしていく姿、正直ホッサルを軸にしたら映画的には面白くなったんじゃないかなと思ってしまいました。
アニメーションはとても綺麗で動物たちの生き生きとした姿をしっかり映していたのは良かったです。ただ、昨今のアニメーションが進化し続けているのもあり、新海誠監督のような背景の細やかな描写、ufotableやMAPPAを筆頭とした圧倒的なまでの戦闘シーン、京都アニメーションなどの日常シーンとその他のシーンでの緩急の付け方など、どうしてもそれらに比べると一歩劣る感じがしました。ほんと贅沢なんですけどね。
もののけ姫感があったり、ジブリの呪縛に囚われているなとも思いましたが、楽しめる人は楽しめる、そんな作品でした。
鑑賞日 2/10
鑑賞時間 12:00〜14:05
座席 L-10
期待しすぎてるとは判ってたけど
声が良くて驚きました。
原作未読、精霊の守人の原作&アニメファン
竹内涼真さんと堤真一さんだったことを忘れていたんですが、「この青年らしい声と、イケボな男性は誰だろう?」と考えてやっと思い出すレベルでした。
竹内涼真さんがこんなにお上手だったとは。
遠くの人には遠くに話しかけるように、きちんと距離感のある声の出し方をされていましたし、声に表情がありました。
堤さんの声も聞き心地よくて安心感がありました。
昔の映画は後で声を入れることも多かったから、ベテランの俳優さんがお上手なのは想像ができるのですが、竹内涼真さんは今後も声での出演をしてほしいなって思いました。
数年前に見た「ウルフウォーカー」、「おおかみこども」「もののけ姫」のサンも同じだったのかも。山の主が死ぬときは誰かが次の主にならなくてはならない。「蟲師」でもそういうのありましたね。
他の方も仰っているように
登場する動物や、世界が少し似ているので仕方ないと思うのですが
鹿はヤックル、オオカミたちが纏うものは祟り神のよう、鹿が走りながら主人公を乗せたり、崖から鹿が飛び降りたり、鹿が藪の中を走り主人公が草木の中を突き進む、既視感はありました。監督がジブリ出身だというのを宣伝文句に使っていたのが逆に頭にあったせいかも。
でも、さすが!動物の動きなどすごく丁寧でした。細部まで丁寧に感じました。
これも他の方が仰っているように
映画に収めるには時間が足りなかったのかも
時間が圧縮された感じがしました
景色が映る場面はあるのですが
音の余韻や、事件が起こった余韻を感じる間が短い感じで、ナレーションがすぐ始まるのもあってか、一瞬セリフがナレーションか分からない時が何度かありました
1回目は、驚いたり気になる事があると、そればかり気になってしまうので、勿体無い見方をしてしまいました。もう一度世界観に集中してちゃんと観たいなって思います
医者はイケメン設定で
ストーリーと尺が合ってない
楽しめた。予習しとけばよかった
聴き慣れない言葉がたくさん出てくるので、キャラと国の名前ぐらい予習してから行けばもっと映像に集中できたかなと反省。
映像は流石です。
モンゴルにロケハン行ったらしいですが、壮大な大自然を感じさせてくれました。
原作を知らないので、皆さんのレビューからあまり脚色のないものと考えますが、自然が壮大なだけに"わかりやすく"派手に感じられる展開やシーン、印象に残る部分が少ないです。緩急というより、常に急急...
しかし2時間圧倒されっぱなしでした。
尺が短いとの意見に同意ですね。
欲を言えばもう少し主人公と少女の関係に感情移入したかったです。何故かできず...
親心があればわかったのかな...
主題歌がとてもいいのでエンディングの演出は良かったです。エンディングだけで泣けそう。
原作読んでみたいと思います。
タイトルなし(ネタバレ)
きっかけはPVを見てもののけ姫っぽい演出や元ジブリスタッフが手掛けたってところで民族衣装のメイちゃんみたいな女の子がいるしアクション戦記物なのかなって思ってましたが予想と少し違う感じでした。自然の描写や人々の生活の描写でほっこりするシーンも多くてむしろそっち推しって感じです。これはこれでよかったですし劇場に見に行ったのでマーケティングとしては成功してる気がします。
権力闘争や強制労働のような闇の描写もありますがそれよりは未知のウイルスの恐怖が大々的に描かれています。無骨な主人公のヴァンと思慮深い医師のホッサルが一緒にいるシーンは個人的にもっとコミカルがよかったな。2時間にしては内容が詰め込まれているので話のテンポはちょっと早かったです。
原作は小説らしく絵柄選びはなかなか難しそうですがテレビアニメの3月のライオン風なテイストのがアニメ制作陣が見せたいものとして近いのかなって感じました。
映像はとてもきれいでした。これからは Project.IG の映画はチェックしようと思いました。
作画的には見事、エンタメとしてはもう少し
原作は上橋菜穂子(「精霊の守り人」「獣の奏者」など)の児童文学で、単行本では上下巻、文庫では全4巻。謎の伝染病の流布、抗体を持つヴァンとユナの追跡、帝国とその属領を巡る陰謀、呪術的医療と近代医療のそれぞれの役割など、非常に幅広く描かれたファンタジーだ。
これを映画化したため脚本はかなり圧縮され、ヴァンとユナの親子にフォーカスしている。とくに、戦いに破れ奴隷となっていたヴァンが、父として再生していくところが本作の肝だろう。
作画はジブリ出身の安藤雅司監督、ベテランの井上俊之など、そうそうたるメンバー。日常の丁寧な動き、動物描写、そして鹿や騎馬などを伴ったアクションは全編にわたって高いレベルにある。
崖を疾駆する飛び鹿、モンゴルをモチーフとした村の生活、子供の動きなどが特に良かった。
複数の地域を旅する美術も見事。
どうしても脚本がせわしなく、各カットの尺が短くなるため、人物の所作で性格を見せるのが難しそうだ。原作を圧縮するのでなく、一部を切り出したほうが映画としては良かったかもしれない。
数本に分ける選択肢もあるが、この品質で2本の映画を作るのはスタジオの負荷が高く、難しかったろう。
原作との大きな違いとしては、医師ホッサルがヴァンの旅に合流することで、ホッサルの医術院でのシークエンスを省略している。政治体制や領土問題も深入りしない。
専門用語も多く、原作と合わせて楽しむのが良いかもしれない。上橋菜穂子さんの小説はあっという間に読ませる力があるので、ぜひお勧めする。
時間が短すぎたのでしょう
犬の王
原作の世界観は壊していない
レビューがひどいものばかりで戦々恐々で観ましたが、原作を読んでいてファンならば、そんなに酷評しないのでは?という感じでした。
4冊分を2時間でやるのは無理なので、略されたところが多く勿体ないけど、よく通しでできたなと感心しました。
とはいえ、国と国の関係、民族間の争い、伝承を重んじる村文化など、映画だけではこの辺りのことが分かりにくく、話が見えにくくなっている気がします。
最後のヴァンの行動と、それに対するユナたちの行動が何を意味するのかも、原作を読んでいないとわからないでしょう。
あと、新型コロナに便乗した話だと思われている方がいるようですが、違いますよ。鹿の王のほうがコロナよりも先です。
言葉が難しくて分かりにくかったからと言って、そういうケナシはやめてほしい。
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