鹿の王 ユナと約束の旅のレビュー・感想・評価
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護るものがあるという強さ
ジブリ作品に多く参加し、君の名は。にも関わった安藤氏の監督作画。攻殻機動隊をこよなく愛する者としては、プロダクションIG制作というだけで、テンションが上がる。
さすがに作画ではジブリ色が強く出ていると思えるが、随所にプロダクションIGの世界観があった。
もののけ姫のパクりという評価が多いが、原作がある以上(原作は読んでいないが)パクりとは思わない。
攻殻機動隊を代表作としているIGの作品には、攻殻の色を濃く作られた作品は多いのと同等に、ジブリに関わって来た安藤氏の監督、作画である以上、重なるものがあっても仕方ないと納得できる。
私的には、ヴァンがユパ様に見えたけど(笑)
ユパ様好きだー
ジブリ作品やIG作品、新海誠作品がめちゃくちゃ好きな者としては、映像を見ているだけでも満足だった。
二時間に詰め込むにはテーマが壮大だが、ユナを守る事に徹し、ユナと関わる事で生きる源を得たヴァンの歩むべき道がぶれない所が、テーマとして描かれていると思う。
そういう点で、1つの作品として好きだ。
長編小説を、2時間尺の映像に押し込むと残念な結果になり易い
本屋大賞を受賞した年に原作を手にとって一気に読了、
ワクワクが止まらず読後の爽やかな余韻もあって、
原作は文字通り傑作でした
当時、保育園児だった長女が、書籍の表紙絵に惹かれて、
「読んで!読んで!」とせがまれて、
そのまま音読しても園児に分かるはずがないから、
要約しつつ子供向けに分かる言葉で、
毎晩寝る前の30分間だけの条件で、
2週間かけて読み聞かせたこともあった
それを何度も何度も繰り返されて1年くらい続いた記憶がある
それ以来、娘はヴァンの大ファン、サエも好き、もちろんユナも好き
マコウカンの失態を面白がり、
湯治場でヴァンがユナで股間を隠すシーンで いつも爆笑
ラストシーンで、
絶望の淵に立ち、悲恋に押しつぶされるサエにふれると、
「大丈夫、ユナがヴァンを見つけてくれる」としたり顔
こんな具合に原作は長女の大のお気に入りに。
それで映画化の報を聞いて「観たい!!」とリクエストが募り、
先日、親子揃ってやっと 映画版を鑑賞したのですが、
「何これ??」「全然違うーー」
「面白くない」という小学生になった長女の反応
まさにこれ、この反応が全て
あの大作を 無理矢理に
2時間のアニメーションに収めようとした結果、
原作のストーリーは大幅に改竄されて、
キーキャラクターであった、
リムエッル、マルジ、ミラル、スオッル、ナッカ、
皆その存在は消され、
ヴァンの死生観、サエの恋心、オーファンの先鋭化、
リムエッルによる謀略、シカンの殉国、
これらに係る綿密な描写は全て削られ無くなった
原作と映画版の間には
品質の落差があり過ぎて本当にがっかりした
やっぱり長編小説を映画化すると失敗作になりやすい
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も小説は傑作なのに、
映画化すると駄作になったほど
一方で「納屋を焼く」を映画化した「バーニング」は佳作だったし、
小説を映画化するなら、元ネタは短編小説に限る、という印象
鹿の王を映像化するなら、
映画じゃなくて地上波向けに24回放送だったら よかったのかもしれない
ストーリーは悪くないと思うのですが、
コロナの影響で二度も公開が延期されたためか、私の中では終わった感になっていました。
だからかもしれませんが、今一つ盛り上がりに欠けてしまいました。
ストーリーは悪くないと思うし、声優さんのハズレも無いのに、何故なんでしょう。
気にしていないのですが、ジブリの二番煎じのような所が、頭の隅にあるのかもしれません。
何年か後に、もう一度見直してみたいですね。
脚本の大失態
誰が主人公かわからない映画。
というのも、登場人物の言動に説明やきっかけがなく、観ている側からは常に「??」な状態。なんでこんな発言してるの?なんでこの人泣いてるの??登場人物の心の変化も何もわからない。
多分、原作を読んでいる人だけが話についていけるのか。久しぶりに脚本おおコケ映画観れてなんだか嬉しかったです。
がんばってるとは思う
世界は人間と自然と精霊からできているんだという内容かな。気楽にまとめすぎかもだけど、確かに!と思わせられました。
でも、ちょっと説明過多です。ぜんぶ言葉にしちゃったら、観客の想像力が発揮できない。
登場人物とかそれなりに多いから「わからない」って言われたくなかったのかな。
主役は黒狼熱ではなかった?
原作は未読です。
◉長編連続ドラマの第1回感
いや、もちろん作品は完結するのですが、物語の醍醐味がぐっと迫り来ることはなかった。ツォルとアカファの二つの王国の有為転変に絡む合戦シーンとか、独角のヴァンたちの激闘ぶりが画面に登場することはなかった。サエが刺客になった経緯とか。
歴史の流れをステージにした作品ならば、そのあたりは見たかったです。
一番の物足りなさは、黒狼たちが病を振りまいて、人々の間に蔓延するシーンが少なかった点。もっともっと、詳細に描かれてもよかったかなと感じました。親は助かったのに子は命を失ってしまうとか、罹患した家族が村を逐われるとか。一つの部隊が全滅するとか。
私は黒狼熱こそ、この作品の大テーマの一つだと思っていましたから。
◉秘めたる思いを示す声
ヴァンやホッサル、サエは、やるせ無さや情熱、怨念をどこまでも押し隠して、目の前だけを見つめていた。それを感じさせてくれた堤真一さん、竹内涼真さん、杏さんたちの声の力は良かった。
◉木の枝が示したもの
曲がりくねった木の枝が、風景の中にも幾度も登場して、黒狼の現王位もごっつい樹形の中にいた。作品のキャッチが「運命に抗え。未来を変えろ。」なので、その樹形が運命の象徴として、しかし黒狼を継ぐ定めはヴァンとユナで、作品全体を貫くものではなかったですね。
「運命」は、やっぱり王国に流行した黒狼熱と考えた方が自然かも知れないと、私は思いました。
キャスティングが!?
アニメだから、画面か物語か素晴らしくても、アフレコが違和感あたっらなんにも入らないわけ。
どれのキャラクターも「ん?」代入感ゼロのまま映画終わったし、何を伝えたかったのがと言っても内容浅いし、IG制作だから期待してたけど台本に慣れないキャスティング、ガッカリしました。
踏み込みがあまい
原作は未読だけど、最初の数分で容易に世界観が広く善悪の境界線が曖昧なのが取って分かる。
その中でどうこの物語を伝えたいのかという製作側の意図が曖昧なまま映画は終わる。
物語は原作の最後まで描いてるんだろうけど、何か本質を避けて広く鑑賞させることを目的に据えてるようで物語の面白みが削り取られた様に思えた。
映像は丁寧に描かれてて良いんだけど、安藤監督はこの原作を読んで撮りたかったのか?それとも製作側の依頼によって撮ることになったのか?その答えを確認することは出来ないけど後者の様に思えた作品でした。
いつの時代か定かでない時代の物語。 強大な力を持つツオル帝国は隣国...
いつの時代か定かでない時代の物語。
強大な力を持つツオル帝国は隣国を順に支配し、アカファ王国でもその危機が来た。
アカファの国王はツオルに恭順の意を示していたが、帝国は、かつて国民の多くが罹患し、国難となった謎の病・黒狼熱(ミッツァル)が流行し始めていた。
アカファの民は罹患しないことから、帝国ではその病に、「アカファの呪い」という妄言が流布するようになったが・・・
というところからはじまる物語で、コロナ禍で公開が延期されたのも無べなるかなという伝染病のアウトブレイクが物語の大きな背景にある。
タイトルの「鹿の王」とは、帝国に囚われていたかつての勇者ヴァンを刺すのだけれど、「王」という感じではなく、「孤高の騎士」というイメージが強い。
なので、早々に肩透かしであることはたしか。
まぁ、「鹿の王」を「孤高の鹿騎士」と読みかえればいいだけなので、そのまま観進めるわけだけれど・・・
ふーん、帝国と小国の争い映画なわけね。
観る前は『もののけ姫』的映画かしらんと思ったけれども、どちらかといえば『ゲド戦記』、Featuring『アウトブレイク』。
主演は幼子のユナ。
画面づくりなどで観るべきところも多く、黒狼熱の特性が明らかになるあたりも面白いのだけれど、予想の範囲。
ユナが「狼の王」のようになるあたりは、「ありゃりゃ、タイトルに偽りありでは?」と思うことも。
長編大河の第1部的な決着の付け方で、続きを期待したいところだけれど、原作もこのあたりで終わっているかしらん。
こまやかな所作の描写が印象的な一作。
文庫版で全四冊とかなり長編の原作であるため、一作の映画作品としてまとめきれるのかな…、とちょっと心配していたんだけど、結末までほぼ違和感なく一つの作品として観通すことができました(ただし物語独自の用語が頻出するため、キーワード程度は事前に知っておいた方が良さそうです)。様々な要素を上手く刈り込んだ、脚本の成果なのでしょうね。
予告編の映像を観た際は、キャラクターの表情はそれなりに魅力的なんだけど、なんか最近のアニメーション作品と比較すると地味、というかちょっと旧い世代の絵柄なのでは…、と感じていました。この感想は本作鑑賞後もそれほど変わらなかったんだけど、驚いたのはキャラクターの所作描写の繊細さです。その細やかさは、単にフレーム数を増やして滑らかさを表現する、といった類いのものではなく、例えば「ものを掴む」とか「器を手にのせる」とかの何気ない仕草に、あまり必要とは言えないような動きを加える、という形で現れています。キャラクターの動きを明確に伝えることが目的であればこれらはいわば「雑味」なんですが、そうした描写が加わることで、それぞれの挙動がたんなる記号的動作ではなく、まるで本当に生きている人物や動物が動いているように感じられるのです。
本作はスタジオジブリで作画監督を務めた安藤雅司監督をはじめとして、多くの実力あるアニメーターが製作に参加しているとのこと。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『黒小平戦記』などとはまた少し方向性の異なった、アニメーションの可能性を目の当たりにしました。
小説と映画
上橋さんの小説は大概読んでいますが、鹿の王はその中でも飛び抜けて魅力的な作品だと思っています。今回映画化されて随分前から公開を楽しみにしていました。見終わって最初の感想は想像通りだなということです。これだけの大作を100分足らずの時間でどのように作り上げるのかと、ワクワクしながら鑑賞しました。映像は100点、ストーリーの組み立ては85点といったところでしょうか。とはいっても誰が監督したところで、あの膨大な人類学的知見や複雑な世界観を100%時間内に表現するのは無理だとおもいます。そういう意味ではとても良くできた作品だと思いました。少し時間が経ったらもう一度みたいです。
よくここまで原作無視できたな
タイトルの通り
そもそものヴァンとユナ出会いからして違うことに微妙となり、なぜかホッサルたちと旅していくので最悪と感じました。
ユナの設定も違いましたし……。
原作は確かに少し不思議な力は出てくるものの、そこまでファンタジー色は強くないので、その演出もやりすぎ感がありました。
そもそも原作は国に住まう人々の営みと身体の中の病原菌の働き(営み)という、マクロとミクロの世界の対比が素晴らしいものであったのに、それを全て無視したような作品でした。
あの大作を約2時間で描くのは厳しいのはわかりますが、せめて出会いや設定はそこまで弄らずに作れなかったのか……。
初めて途中で早く終わらないかなと思った作品となってしまいました。
絵は綺麗で素敵でした。
ちょっとこれは無理です
原作は読んでません。
ちょっと映画だけ観てもストーリーについていけないところ多数。
オカルトなの?科学なの?ってところがぐちゃぐちゃで気持ち悪い。
キャラも魅力感じられず、珍しく観て後悔しました。残念。
『もののけ姫』の作画監督による、『もののけ姫』っぽい映画。 優秀な漕ぎ手を集めても、船頭が未熟では…。
謎の病「黒狼熱(ミッツァル)」が猛威を振る中、その抗体を持つ戦士ヴァンが、ツオル帝国とアカファ王国の政争に巻き込まれてゆく、というファンタジー・アニメ。
主人公ヴァンの声を演じるのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『海街diary』の堤真一。
「黒狼熱」の治療法を探す医師ホッサルの声を演じるのは、『帝一の國』『センセイ君主』の竹内涼真。
安藤雅司さん、こりゃダメだぁ…。全っ然面白くねぇ…。
安藤雅司と言えば、アニメファンならその名前を知らぬ者は居ないという程のレジェンド・アニメーター。
『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『君の名は』の作画監督を務めた、名実ともに日本最高のアニメーターの一人。
本作はそんな安藤さんの監督デビュー作品であり、個人的には結構注目していたのだけど…。
共同監督である宮地昌幸さん、脚本の岸本卓さんもジブリ出身者。完全にポスト・ジブリ的な座組みで作られた本作には、とにかくレジェンドなアニメーターが参加している。
ちらっとスタッフロールを見てみただけでも、井上俊之さん(『電脳コイル』)、西尾鉄也さん(『NARUTO』)、黄瀬和哉さん(『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』)と言った名前が見て取れた。
本作に参加しているアニメーターが、日本アニメ界…というか日本エンタメ界の基盤を支えていると言っても過言ではない。
ちなみに本作の作画監督/キャラクターデザインも安藤雅司監督が担当。キャラの顔がほとんど『NARUTO』だったので、絶対西尾さんがキャラデザ担当だと思っていたけど当てが外れちゃった…😅
まぁそんなわけで、アニメ界の怪物たちが手掛けたアニメーションなので、その作画レベルは桁違い。
流石はリアリズムに定評のある安藤雅司監督、キャラクターの重心移動がめちゃくちゃリアル!身振り手振りも含め、人間のキャラクターたちはまるでロトスコープしたかのようなリアルさとヌルヌル加減である。
さらに、鹿や馬、狼などの四足獣の動きもなんともリアル。動物の動きを上手くアニメーションにするのはすげ〜大変らしいっすよ。
とんでもない時間と労力が掛けられていることは、素人目にもはっきりとわかる。アニメーターを志している人にとっては見どころ満載な作品なのかも知れない。
…ただ、その作画レベルが作品の面白さに直結していない。
あまりにリアルすぎるキャラの動きは、ファンタジーである本作と食い合わせが悪い。
多少デフォルメされているくらいの、オーバーで活力溢れるアニメーションの方がやっぱりファンタジーアニメ向きなんだと思う。
高畑勲のヒューマニズム作品のような動きで、宮崎駿チックなファンタジーを描いてもダメだというのがよく分かった。
まぁとはいえ、作風が世界観に合っていないというのは些細な問題なのです。
とにかくこの作品、お話がおもんなさすぎる💢
本作はチンタラチンタラ旅するオッサンたちのキャンプを見させられ続ける、訳の分からんロードムービーである。
主人公が歴戦の戦士なのに、ガチでバトルする描写が一つもないというのはどういうこと?
結局ファンタジー・アニメの面白さ=バトル&アクションの面白さ。
原作は未読なので、この映画がどれだけ原作に忠実なのかはわからない。ただ、この作品の地味さが原作を忠実に再現した結果なのであるならば、原作を大幅に改変することになるとしてももっとバトルやアクションシーンを増やさないと。
鹿や馬に乗ったり、薪を集めて火を起こしたり、温泉に浸かったりしたところでファンタジーアニメは面白くならないから!
「どっかく」とか「つおる」とか「あかふぁ」とか「みっつぁる」とか「ひうま」とか「ぴゅいか」とか「ぎょくがんらいほう」とかとかとか…。
専門用語多すぎて、全く物語が頭に入ってこんわいっ!
こんな専門用語の嵐にあったのは「FF13」以来。
小説なら前に戻って読み返せるから良いんだけど、一方方向にしか進めない映画というメディアではこの専門用語の嵐は致命的。もう少しなんとかならんかったのか。
なんだよピュイカって。「鹿」って言え「鹿」って。
抗体を持つヴァン、ツオルを滅ぼす為にヴァンを殺そうとするサエ、治療法を発見するためにはヴァンを殺させる訳にはいかないキッホル。
この3人の関係はまるで蛇と蛙とナメクジの三すくみのよう。こんなにバラバラな方向を向いている3人が一緒に旅をすれば絶対に面白くなると思うんだけど、本作は面白くならないんだよなぁ。本当に不思議。
「病気は呪いではない。」
キッホルはこの信念に基づき、黒狼熱の治療法を探す。
たしかにこれはその通りで、現実でもこの考えが医学を発展させて来たんだと思う。
…でも、この世界って普通に魔法みたいなことを使う人がいるんすよね。
現実に近い法則で回っている世界なのか、『ドラクエ』みたいな剣と魔法のファンタジー世界なのか、その辺の事がいまいちよくわからない。
本作のリアリティ・ラインをどこに置いていいのか分からなかった、というのもこの映画にのめり込めなかった理由の一つだと思う。
…あの魔王みたいな木埋まりジジイは一体何なの!?
はっきり言ってしまえば、本作は『もののけ姫』のパチモン。黒いドロドロとかヤックルみたいな鹿とか呪われた片腕とか山犬とか死に至る痣とか足を骨折したオッさんと森で出会うとか、もう既視感バリバリの展開のオンパレード。
そりゃ安藤監督は『もののけ姫』のメインスタッフだったんだから影響を受けていて当たり前だけど、ここまで臆面もなくパクるかね?師匠に対する敬意とか無いのか?
それでいて、作画面でも音響面でも演出面でも、20年以上昔の作品である『もののけ姫』を上回るところが一つもない。
一流の描き手を揃えていても、演出家や脚本家が未熟だと残念な作品になってしまう、という一例として本作は後世まで語り継がれるかも…。
あ、声優は良かったっすよ。特に竹内涼真くんの演技は本職にも全く負けていないし、かなりイケボだった。
良かったのはそのくらいかな。
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