劇場公開日 2022年2月4日

「新型コロナウイルスも何らかの拍子に‥‥」鹿の王 ユナと約束の旅 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0新型コロナウイルスも何らかの拍子に‥‥

2022年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

只今オミクロン株絶賛拡大中にあって、感染症?病気ネタを上手く練り込んだ、作品としての世界観・風呂敷はナカナカの物があるな、とPV当初は思っていました。ですが実際蓋を開けてみると‥‥

最初に結論を表記すると〝平凡〟と言わざるを得ません。
一番気になったのは堤真一の演技で、徹頭徹尾妙な威圧?的な唸る様な声質で暗く、その上全くメリハリがなかった事。確かにヴァンは武人で寡黙な男らしい男なのかも知れないけど、それにしてもあまりにも〝棒〟に思えました。堤真一の声優としての演技ウンヌンではなく、単純にミスチョイスだったんじゃないかと。
そして、もはやテンプレと化した幼娘描写・キャラデザインで「またソレかい‥‥」と思わされてしまった事でしょうか。元祖は宮崎アニメと思われますが、歯抜けに4白眼で必要以上に歯をむき出す作画と大げさな演技、サッコンの流行りの描写・演出なのでしょうか、そう言うのが毎度『○○みたい』『△△っぽい』『××的』などと、過去作とわざわざ比べさせてしまう元になってる気がします。
他の作品と類似する事でますます本作を落とす方向にベクトルが捻れてしまい、実に勿体ないと思います。コレは医者のホッサルやヤックルそっくりの鹿にも言える事ですが‥‥

ストーリーも淡々と時間経過をなぞるコレまた一本調子で、それは解りやすいと言う利点はありますが、それが余りに単調なリズムだと眠くなります。全体に抑揚がイマイチで盛り上げ感も足りない気が。犬も表現がイヤに微妙で、実際オオカミくらいの凄みがあった方が良かったのでは?
活字で説明する部分も物語に落とし込むべきだと思うのですが、 尺の制約なのでしょうか? 説明台詞と突っ込まれない様な創作能力で上手い事出来れば‥‥ また台詞回し・掛け合いに固有名詞が多く、聞き取りにくい上に何の事かよく解らず、そこは充分な予習が必要です。

唯一、病気と謎を解く鍵の物語への落とし込みは上手く行ってたんじゃないかな?と思いました。でもその辺は物語上あまり重要ではなかったのかも知れませんが‥‥
それに原作者も自身の作品は複雑で、2時間で表現するには難しいと思っていた様子。確かに免疫や医療については言葉で処理されていたものの、生態系や文化?については作品中でピンと来るものはありませんでした。

総括としては、イロイロ中途半端な感否めず、という結論になります。 (文中敬称略)

Geso_de_Nyoro
Geso_de_Nyoroさんのコメント
2022年2月7日

>ぢょにぃ7566さん コメントありがとうございます。
個人的には医学が確立しておらず呪いの類がまだ根強い時代と言う事で、免疫や細菌などの概念がない中での切掛けになった、と良い方に解釈していました。とは言えキャラの掘り下げ方が不完全・浅かったのは同感です。監督はどうやら本作がデビューの様なので、こんなものかな、とも思っています。

Geso_de_Nyoro
ぢょにぃ7566さんのコメント
2022年2月7日

免疫学や細菌学のイロハのイを知ってれば、鹿の乳と野草なんて、初めにトライすべきことなんで、私はホッサルはヤブ医者だと思いました。

これに限らず、登場人物がみんな薄っぺらかったですね。
残念。

ぢょにぃ7566