「【友人がいるという大切さ】」ロケットマン 山のトンネルさんの映画レビュー(感想・評価)
【友人がいるという大切さ】
この映画は、イギリスのロックスターであるエルトン・ジョンの伝記的なミュージカル仕立ての映画である。このように表現してしまうと陳腐な映画のように思えるが、主人公であるエルトンの盛衰が生々しいままに表現されているという意味では、他に類を見ないヒューマン映画といえるだろう。
幼少期から父親のネグレクトを受けていた主人公レジー(後のエルトン・ジョン)。孤独を感じていた彼は音楽と出会い、自らの才能を開花させていく。そして、彼の曲の作詞家であり、生涯の友人であるバーニーと出会う。音楽を続けていく中で、レジーは「過去の自分を捨てるんだ。なりたい自分になるために」という助言をもらう。そして、エルトン・ジョンとして生まれ変わり、ロックスターとして成功していく。
しかし、成功してもエルトン自身は、父親からの愛を感じることはなかった。父親は別の家庭を築き、自分には向けなかった愛のある眼差しを、新しい家族には向けていたのである。同時に、同性愛者であったエルトンは社会からも受け入れてはもらえない。
そんなことから常に孤独を感じ続けていたエルトンは薬物依存、アルコール依存、買い物依存などに陥ってしまう。そして、遂には友人であるバーニーとも決別してしまう。
ロックスターとしてのエルトンはどんどん堕ちていった。やがて、ピアノを弾くことすら恐れてしまう。しかし、最後に彼を救ったのは友人バーニーであった。出会った頃のやりとりを想起させる、これに曲をつけてくれよと貰った1枚の詩。エルトンは友人の詩を眺めている内に自身の中に湧き上がる曲を表現するべくピアノに手を伸ばした…
以下感想
友人愛。生涯を通した友人がいるということはなんとも幸せなことだろうか。苦楽を共にした友人と出会えることは、本当に貴重である。この映画を見ていると、愛情や友情が儚いものであることを想起させられると共に、尊いと感じずにはいられない。
お立ち寄り下さり、ありがとうございました😊。
先日バンクーバーでエルトンのライブを観たばかりで、まだまだ元気で嬉しかったです。エルトンのような生き方だと寿命が短いスターが多いので、多少高音に翳りがありましたが、ライブを聴けたのは感慨深いものがありました。