「ボヘミアンと比べてみよう!」ロケットマン Jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
ボヘミアンと比べてみよう!
アーティストが題材
アーティストがイギリス出身
主人公がピアノで作曲する
70年代〜80年代に世界を席巻したロックスター
ゲイ
けど彼女はいたことがある
麻薬中毒
アルコール中毒
男性マネージャーが恋人
男性マネージャーによって既存のコミュニティが破壊される
ど迫力の完コピライブシーン
ヒット曲盛りだくさん
など。ボヘミアンラプソディーとの共通項が多いですね。
麻薬多きゲイのロックスターという人物にフォーカスを当てているため、そうした共通項は当然としても、物語の展開についても似たような印象を受けました。
ただし、劇中での曲は名曲揃いで、めまぐるしく転換していく画面(ライブシーン、ミュージカルシーン、エルトンジョンのライブ衣装の完全コピーなど)にクギ付けになることは間違いなし!
ミュージシャン自伝映画のエンタメ化のフォーマットは今後も鉄板コンテンツだね!
異なる点は
・麻薬、アルコールなどの依存症から立ち直るプログラムから、
自身を見直すという視点で進む
・ミュージカル
・歌声は演者
前構成として現在地点から過去を観測するものになり、生い立ちを追っていくには最適。
終盤にカウンセリングのシーンを回収する爽快感は素敵だった。
ミュージカルシーンを多用しているため、場面は派手で良いのだが、
ライブシーンのスペシャル感がやや薄くなってしまうのはもったいない。
また、ミュージカルシーンやドラッグのシーンなど、エルトンジョン自身の心を画面に反映させて過ぎてしまい、演出は派手で良いのだが、起きている出来事が現実なのか妄想なのか回想なのか、薬物の影響なのか、時系列も含めて分かりづらく感じられるところが散見された。
構成はシンプルなものの、「過去を振り返っている」+「更生プログラム」であるという設定が、徐々に固められていくという演出が、そうした分かりづらさを生み出す要因に見えました。
主演のタロンエジャトンは非常に素晴らしい。
メイクや衣装など外見だけでエルトンジョンを表現するに止まらず、圧倒的な歌唱力と美声はこの映画に欠かせない主要な要素となり、また、この映画を非凡なものたらしめている。
ボヘミアンとの比較は野暮だけれど、大画面でエルトンジョンの曲が聴けるのはプレミアム感はあるし、何より、イギリス出身ロックスター自伝映画やるなら次は是非オアシスでも見てみたい!この流れならいけるのでは!?と。