「孤独から生まれた名曲」ロケットマン yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独から生まれた名曲
予想以上に全て良かった。
いろんなシーンで涙がこぼれた。
エルトン・ジョンのことは知っていたし、ベスト盤は持っているけれど、生い立ちなど詳しくは知らなかった。
曲も、彼が1人で作っていると思っていた。
こんなに孤独な人だったとは…。
子供の頃から愛されず育った彼が、孤独を受けとめながら、愛を求めて生きていた中で生まれた名曲の数々。
その曲は、たくさんの人の心に届き、感動を与えてきた。それが、彼の生まれてきた意味であり、宿命なのかもしれない。
人は愛がなければ生きられない。
抱きしめてくれる人がいなければ、自分で自分を抱きしめてあげるとこと。
最近読んだ自己肯定感の本でも、セルフハグの大切さが書いてあった。
自己肯定、自己愛を低くしないようにセルフハグをする。
子供の頃の自分を抱きしめるシーンは、胸に響いた。
自分は生きる価値があるし、愛される価値がある。
誰かに抱きしめられたいが、それが叶わない時は、自分で自分を抱きしめてあげよう。
Your Songのできるシーンは、とても心が震えた。
大好きな曲。
こんなにせつないなんて。
孤独の寂しさの中、盟友のバーニーがいてくれたことが救いである。
愛はお金では買えないね。
億万長者であっても、普通の人であっても、人生は孤独との戦いである。自分の生きる世界で、自分の宿命を受けとめて精一杯生きていきたい。
そして、タロン・エガートンの演技力、すごい!
小さな顔の筋肉の動きから、歩き方や歌い方。
細部にまでこだわった演技だった。
歌もステキ。
ボヘミアン・ラプソディも良かったけれど、私自身は、この作品のほうが好きだ。
ボヘミアン・ラプソディの、最後の20分のライブを見ているかのような、身体が動き出すようなシーンはとても楽しかったし、素晴らしかった!ただ、同じようにアーティストの人生を描いた作品ではあるが、ロケットマンはまた種類が違う映画なのだ。派手なストーリーではないけれど、心の細やかな感情が上手く表現されている素晴らしい脚本だと思う。
プールの水の中で、子供のエルトンと会うのシーン。
水中と宇宙。飛び込んで来る人たちの動きの美しさ。
コンサート会場から更生施設に向かう時の、衣装のラインストーンがパラパラと落ちるカット。
ひとつひとつが、とても美しい。
ファッションのオシャレさも、この映画をらさらに魅力的なものにしていると思う。
インテリアもカッコイイ。
久しぶりにすべて満点の、とても満足感の高い映画を楽しめた。
ドルビーシネマで観て良かった!
DVDではなく、劇場で見て欲しい作品だ。