「真っ直ぐに生きる女の子を、好きになったらば。」いなくなれ、群青 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
真っ直ぐに生きる女の子を、好きになったらば。
やっられたー。全長105分。ミステリーと聞いてミステリーを期待しながら見ていた。あ。これ普通の恋愛もので終わる気だ。と気づいた時点では、まだ舐めてました。ビニールチューブだと思って片手ではねのけようとしたら、中実の鉄棒だったでござる。げ、これ何時までも思い出しては泣かすヤツじゃん。なので途中退席せずに、きちんと最初から最後まで見ましょう。
前半酷いです、正直なところ。「なんやコレ????」。どっかの活動家みたいなセリフ。置いてけぼりになりそうな芝居と展開。15分過ぎたあたりから、テンションは下げ下げ下げの右肩下がり。委員長の登場シーンだけテンション上げ。出番過ぎたらダダ下がる。もうそろそろ勘弁してくれよ。今日のお昼は何にしよう。これ映画にしちゃダメなやつじゃないんか。どう落とすんや、Stairway to Heaven??? そのオチだけは止めろよ。等々。もうね、ネガティブ一色の頭の中で、委員長のメガネ萌えショートカットだけがポジティブ。
これがですね、気づいたらですね、「かなり込み入ったラブ・ストリー」にギアチェンジなんかしちゃってる訳です。そもそもミステリーじゃなくってファンタジーだったし。ファンタジー要素ネタバレ以降の、七草と真辺の全力殴り合い的な告白合戦が素晴らしい。と言うか、飯豊まりえが良かった。いや、前半のクソっぷりな展開も何もかも、全ては終盤の「めちゃくちゃ泣かす愛の物語」に繋げるための準備運動。ちょっと長いけど。
撮影が良かった!画は無茶苦茶綺麗です。「海岸」の美しさには目を奪われました。真辺が登場したファーストシーンは、額縁に入れて飾っておきたいくらい。真面目にポスターにしてくれないかな。Digital 処理がキッツイなぁと思ったのは2か所くらいの夕刻のシーンで、ちょっとコントラストがきつくて人物の顔が怖かった。いや、この処理、ホラー系。全般的には、狙いのある構図が多くて好きでした。
しっかし、最近の恋愛ものは、ここまで込み入った手を使わなければならないのかと。大変やなぁ。それを考えると、ベタでストレートな「短命悲恋もの」に製作者が走りたくなる気持ちも分る。そんなファンタジー・プラットフォームの青春感動大恋愛物語、いや恋愛、っていうか、男女の友情感も強くて、その爽やかさも好きです。
良かった。とっても!
はじめまして。
真辺の登場シーン、美しかったですね。
飯豊さん、コメディも出来る演技派のイメージだったんですが、それだけじゃ無かったんだと。
一流の女優さんは絵画の様になれて、上手い監督さんは女優を絵画に出来るんだなと思いました。