劇場公開日 2019年9月6日

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「映像の綺麗なミュージックビデオとして、原作知らない人は絶対観るなよ!」いなくなれ、群青 活字中毒者さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0映像の綺麗なミュージックビデオとして、原作知らない人は絶対観るなよ!

2019年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ステータス:
2ヶ月前に原作小説を4巻まで読了。作中ストーリー把握済み。小説の難しい心理描写等をどうやって映像化するのかに興味があり閲覧。

一言で言うと:
"ミュージックビデオとして"映像だけ観れば最高!それ以外は最悪!

①ストーリー:
 一番最悪な部分。原作読んでいても、強引なストーリー展開とカット割りに終始苦悶。ヒロイン達の単純な恋愛関係ではないもっと根本の部分、若者のアイデンティティーの部分の完成度があまりに中途半端。
 また、作中の重大イベントの作り込みが中途半端。もう少し作り込みしないと、クライマックスで感情移入できないし、途中で「え?これってそんなに大変な事態になってたの?」と呆れる始末。

②演技:
 横浜流星くんがドンピシャ!特に、抑揚のないナレーションとセリフは”観る側に考えさせる”ものになってる。ただ、原作独特の詩的な台詞回しが、映画だと変にワザとらしく見えてしまう。
 飯豊まりえは下手ではないが、原作とは噛み合ってない。キャラの深みを感じず通り一辺倒な印象しかない。

③映像:今作での1番の推し。何かのミュージックpvだったら...と考えてしまう。特にあるシーンで山を登っていくシーン、あれは映画でしかできない表現だと脱帽。

④メッセージ性:あるわけがない。

⑤最も許せない点:
 最後のシーン描写で、今作がまるで下手な恋愛映画みたくなっている点。「いや、そうじゃないだろ!」と。原作はヒロイン達が互いのアイデンティティ、「自分とは何か?」「他人とは何か?」という青春問題が主題になっている。勿論、恋愛もあるが、それを越えた人間的成長にゴールを置いている。しかしこの映画は時間不足で、とりあえず「お互い必要だから一緒に頑張ろ」「とりま雰囲気で手つなごー」とった安直な結論、自己満足に終始している。

最後に:
原作読んでない人は、絶対観ないで!原作読んでいても分からないのに、ストーリーわかるとは思えないから。あと、前の席では映画に飽きたカップルが、途中からずっとホッペをつつき合って遊んでいる始末でした。

活字中毒者
Frankincenseさんのコメント
2019年9月11日

あなたのレビューが一番スッキリしました。
なるほどね!
わたしは、サスペンスってふれこみだから特に敢えて原作(結末)読まなかったので、読んでないと観ても意味不明って時点で言わずもがなよね、、、
ありがとう。納得しました。

Frankincense