CLIMAX クライマックスのレビュー・感想・評価

冒頭の圧巻なダンスシーンで鑑賞する目が忙しなく上下左右に乱れて、中盤に流れるキャストとスタッフロールに呆気に取られ、不穏な暴力臭がプンプン漂う中、危惧していたように、その暴力が壮絶に描写されてゆく後半含めて、ドッと疲れと開放感が。

まるで隔離されたような場所で巻き起こる集団心理の怖さにプラスされるLSDでラリっちゃうマイナスな顛末が逆にプラスに働くかの如くにテンションが狂いはじめる狂気の沙汰な混沌と最後には退廃的に。

嫌ぁな暴力描写に気不味いエロ描写と、斬新な映像表現、字幕まで逆さまにする遊び心と3Dで描いた前作よりも3Dな映像体験を味わったような！？

ギャスパー・ノエはいつも驚きをくれる。
単純な発想ながら効果抜群の撮り方。不愉快な映画ってたまに見たくなるよね。

カッコイイ地獄絵図

冒頭のドギツイ赤の中で踊るダンスシーンは圧巻！
まさにサングリアの中でこれから起こる「なにか」を予感させるワクワク感。
主演のソフィア・ブテラ以外、演技未経験のプロダンサー達というのも驚き。なんとも自然な演技…と思ってたら、その殆んどがアドリブなのだとか。
ワンテンポ遅れて視界に着いてくる映像と篭った音で、まるで自分も酔った感覚になるシーンも！
観賞後は2日酔いになった気分になる、ある意味衝撃作だと自身は思った映画でした。