劇場公開日 2019年11月1日

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「見る者全てを地獄に叩き落とすドラッグムービー」CLIMAX クライマックス セッションさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見る者全てを地獄に叩き落とすドラッグムービー

2020年6月9日
iPhoneアプリから投稿

変な映画を撮らせたら右に出る者はいない、ギャスパー・ノエ監督最新作!

何者かがサングリアに混入させたLSDを摂取してしまったダンサーたちが、
次第に精神を崩壊させていく姿を描く本作。

見た誰もが驚くのは、
OPからいきなりエンドロールが流れ、
ちょうど中盤あたりでキャストがクレジットされ、
EDにはタイトルが出るのみという、
現代映画の文法を無視しまくった作り。

.「エンドロールから映画を始めるなんて、お前ら思いつかねえだろ?」
というノエ監督のドヤ顔が目に浮かびます。

テロップで流れる
.「生きることは集団における不可能性」
.「死は特異な体験」
といった言葉の真意を100%理解できた気は全くしませんが、
序盤では一糸乱れぬ美しい踊りを見せていたダンサーたちが、
ドラッグによって暴力性を増し、互いを傷つけあう様をある種の地獄として描き、
さらには死の追体験までさせる監督の力技に打ちのめされました。

冒頭のインタビュー映像やダンサー同士の会話にも、
後の展開をほのめかすセリフがいくつも出てくるので、
見落とさぬよう注意してご覧ください!

ほぼ全員演技未経験のダンサーたちによる圧巻のオープニングシーンは中毒性バツグンで、何度でも見返したくなります。

『キングスマン』『アトミック・ブロンド』にも出演し、
ダンサーとしてのキャリアも持つソフィア・ブテラの、惚れ惚れするしなやかな動きにも是非ご注目を!

せき