残された者 北の極地のレビュー・感想・評価
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サバイバル・モキュメンタリー
原題:Arcticは北極、撮影はアイスランドで行われたそうだ。
極地に不時着した中年のパイロットのサバイバル映画、余程気流の悪いところなのだろう救難信号を受信して近づいてきたヘリも墜落、かろうじて生き残った女性は意識朦朧の重体。
彼女を救う為にヘリに残された地図を頼りに近くの観測所を目指して、病人を載せたそりを引きながら雪の原野を只管進んでゆく・・。
立ちはだかる雪山、極寒のブリザード、白熊の襲撃、クレパスへの落下、演じている方も大変だろうが観ているこちらも凍え死にそう。
孤独なサバイバルではマットディモンの「オッデセイ(2015)」、不時着ものでは「飛べフェニックス(1965)」が思い浮かぶが本作は至って地味、生を賭けた男の大自然への孤独な闘いをまるでドキュメンタリーのように淡々と映すだけ、それでいて否応なくスクリーンに惹きこまれるから不思議だ。マッツ・ミケルセンさんの抑制のきいた演技もさることながら、脚本・監督のジョー・ペナさんの作家性ならではでしょう、元はYoutuberで長編初監督とはとても思えません。
ただ、このシチュエーション、雪山好きの山男・女さんなら別ですが寒い冬場の鑑賞は微妙でしょう。
活きる力とその理由。魅せてくれました。
八甲田山も真っ青の、わずかな適応者しか鼓動を許さない北の極地でのサバイバル。下手に極地に慣れてると、ルーティンで日が暮れていく安住の地になりうる事に多少の驚き。
キャストアウェイのボールくん(他者仮託)みたいな石積みかと思いきや、お墓だったのね。じゃあ、やっぱり残されたものなのか。見送ってきた訳だね。最初から一人だった訳ではないんだな。毎日墓参りしてるようだし。そうした事を状況証拠から想像できないと、楽しみ方がちっとも分からないという事に。セリフも少ないので鑑賞者を選ぶ作品。まぁでも、グサッと刺さるものを持ち帰ってもらえればいいんだろうけど。
生きてる人を死なせたくないというのは、当たり前に見えて、そんな単純な事でもないんだろう。
彼はいい人だから当たり前、では無いんだろうな。
好きなシーンは、途中で物捨てて自嘲するシーン。笑うしかない。よね。人間を捨てる、モノを捨てる、自分は人間。多分ガスのないバーナーでも捨てられないんだよ。笑うしかない。人間とは。
ブラジルのぽっと出の監督なのか、逸材なのか、今後の作品も気になる所。ミケルセンの代表作がまた一つできた。
独りじゃない
足手まといになるかもしれない瀕死のパイロットを最後まで見捨てなかった主人公
でも、彼ひとり、自分だけだったら途中で諦めてしまったんじゃないかな?
原語をきいてないからわからないけど
You are not aloneはいつか
I'm not aloneになったんじゃないかな?
極限…限界…
想像を絶する寒さ、痛さ、怖さ、孤独感。魚を釣りながら、墜落した飛行機内で、救助を待つマッツ・ミケルセン。決められた時間に救助信号を送り、魚を釣り、寝る生活を送っていた。そんなマッツをヘリが見つけ、救助に向かうが強風で煽られ、墜落。一人の女性を救助するものの、怪我を負い、ほぼ意識がない。女性を助けるため、救助を待つことを止め、助けを求めに行くことに。女性をソリに乗せ、引っ張りながら、歩く日々。地図にない岩山が立ちはだかり、目的地までの距離は延び、ホッキョクグマにも狙われ、嵐も襲う。足の指は既に凍傷で失ったいたが、手の指も曲がらず。。ここまで何とか反応ないながらも、女性に前向きな言葉で励ましながらきたが、既に限界に達し、女性を残し、去ろうとする。しかし、雪穴に落ち、足に重傷を追うことに。ようやく脱出し、女性の元に向かうと、ハローと初めて声を掛けられる。女性を置いて立ち去ろうとした自分を悔い、謝り、一人でないんだと、再び足を引きずりながら、ソリを引張り歩き出す。満身創痍、既にボロボロの身、歩みも遅い。目の前にヘリが現れ、渾身の力を振り絞り、救助を求めるが気付かない。もうダメだと女性に寄り添いながら、目をつぶると後ろにヘリが来たところで映画は終わる。どうせなら助かったところも見たかった。全編マッツの一人芝居、会話もないが、彼の生への諦めぬ精神力、体力、知力がぎっしり詰まった内容になっている。諦めた時点で二人の死を意味するが、とても真似できない。
頼む~!気付いてくれえぇぇぇ~!
-25℃で時折吹雪あり、正直1日で死にそうだ。
あんな所で生きる術を知らない。
サバイバルは生きる意欲、諦めない所から始まるのか?
墜落から何日経っているのか不明だが、オボァガードは両足の指が変色し凍傷に陥っているのが解る。その状況で墜落した飛行機をベースに魚を釣り、救難信号を発信しながら救助を待つ…。
素人目から見れば、これしかないのでは?と思っていたが、毎日釣れる訳ではない魚、徘徊するシロクマ…リスクは上がる一方でひたすら救助を待つ。
そんな彼の救難信号を受信し、現れたヘリ…強風に煽られ目の前で墜落…。
パイロットは死亡し、女性搭乗員も重症を負う。
オボァガードは僅かな食べ物やバーナー、ガスライター等を手に入れたが、救護せねばならない女性も背負う事になる。
死亡したパイロットの側に墓石のような石を積んでいたから、飛行機墜落時にも一人亡くなっているのかもしれないと想像した。ヘリ墜落前にも石を積んでいたし。
腹部に裂傷があり、時間の経過から死が予見される状況にオボァガードは最短距離にある観測所への移動を決断する。
そこからの苦闘は厳しいのだが観ているだけでは伝わり難い。
多分60キロ以上の女性と荷物を乗せたソリを雪の中で引き続けるとか、やった事がなくて想像し難い。-25℃も経験がないので喉とか大丈夫なのか?とか、とんちんかんな事を考えてしまう。
雪道進んだら雪で目がおかしくなると思うが、サングラスとか無かったんだろうか?
飛行機だからサングラスはあっても、頭にバンドで固定できる様なのは乗せてなかったのかな?
ラストは見方によって賛否あるだろうが、自分はあれで良かったと思う。
命を守るジャケットに火を付けてまで、位置を報せようとした後の諦めからのヘリの音は「良かったぁ~」と声が出た。
事前情報ほとんどなしで観たが、BGMはあって良かった…天然の吹雪や風の音、雪を踏む音だけでは盛り上がりは低かったと思うから。
罪な予告編。
やっと現れた救援ヘリが墜落してしまうシーンを予告編で観てしまったので、最も気持ちが盛り上がる?シーンが台無しで、しかも予告編のまんまだったし、とても残念でした。
しかし、マッツ・ミケルセン様の演技は素晴らしく、台詞無しで良くここまで表現出来るもんだと感心しきりです。日焼けした肌と荒れた唇は本当にリアル。思わずリップクリームを塗ってあげたくなります。必需品のサングラスがなかったのは、流石にサングラスしていては表情判らないから?でしょうか?
とにかくそれが瀕死の女性でも『独りじゃない』ということがどれだけ心強いか、誰かの為に頑張る事は人を強くするってことがヒシヒシと伝わりました。
画面から息詰まるサバイバル感はひしひしと伝わってきました。とても「骨太な」印象の作品です。
予告映像を観て何か惹かれるものを感じて鑑賞しました。
昔みた「復活の日」。
ひとり雪山をひたすら歩き、仲間の元に帰ろうとする
ヨシズミ隊員に重なって見えたのかもしれません。
で、この作品
ポスターなどから、雪山遭難サバイバルかと予想はしていました。
当たってはいたのですが、予想とはだいぶ違ってました。
というのも
・ここがどこで
・遭難者が誰で
・なぜ飛行機が落ちたのか
・毎日やっている行動の意味
これがさっぱり分かりません。 話が進んでも分かりません。 ふぅ
ひたすら雪と氷の世界
ようやく救助ヘリがやってきた。 と思ったら墜落… あれー
パイロットの一人は息があり、逆に助けるハメに…
その後は
人のいそうな基地までケガ人を運んでいく
息の詰まりそうな場面が延々と。 延々と。 延々と。 …
最後まで、柔道の寝ワザをかけ続けられたような感覚が続き
あやうく窒息するところでした。
最後の場面もなんとも微妙なエンディングでしたが
あの二人、助かったのでしょうか… はて。
☆
登場人物
人間 …3名 !
白クマ …1頭 もしくは2頭 ← 区別不能
少ない…。
アイスランド映画、恐るべし。 です。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ハロー
映画が終わった後、しばらく席から立ち上がれない位の衝撃を受けた
全く前情報を知らずに観に行った所、良い意味で「とんでもない」物を観た気持ちになった
余計な台詞、登場人物は3人(実質2人)、盛り上げる様なイベントもほぼ無い
場所は北極の為、背景の変化は吹雪と岩ばかり
この状況で主演の彼が見せる演技、繊細な動きからこの映画を観る人にどれだけ「伝えられる」のかが軸になる為、演じる方は大変だったと思う
1人で「ただ淡々とロウソクが消えるまでは」生きていく様な彼が、1人の弱き者に触れた時、「2人助かる為に生きていく」と変化し・迷い・そして進む
「ハロー」
数少ない台詞の中で、彼の人間性に触れるものですね
良い物を観せてもらったと思いました
人間の本能の美しさ
この作品は、ミケルセンほぼ1人舞台の作品。ミケルセンの演技を楽しめないとなかなか退屈に感じてしまうのではないか。
ストーリーとしてはタイトル通り遭難して一人残されたミケルセン演じるオボァガードが見えないゴールを目指して突き進むわけだ。
そこで同じく遭難し瀕死状態のアジア人女性を見つけ救出し共にゴールを目指そうとする。
この女性は瀕死状態の為意識は殆どない。オボァガード自体生き残るのにいっぱいいっぱいな状況にも関わらず、迷う事無く共に生き延びようとするところが人間の本能なのだろう。
観測地点を目指す道のりも険しく、彼女を見捨てれば楽に進める道のりも遠回りを選択したり、一度は足を奪われかけ死にかけるが生きる本能を剥き出しにしがみつく。
また一度は彼女の生存を諦めかけるのだが、息を吹き返した時にすぐさまオボァガードは謝罪をする。
全てが本能なままにあの時を生きてる姿に改めて人間の本能の美しさを感じた。
最後は諦め死にかけた所に救助ヘリが彼らを見つけ幕を閉じた。
まぁ雪山でほぼ一人生きる姿を描く作品のため、救助後の描写がないのは仕方ないのだが、若干心残りだったかな。
以上のようにストーリー性を楽しむというよりかはミケルセンの必死に生きる生き様を楽しむ作品だったかな。
特に足を奪われかけたシーンは迫力あった。
観ていてこちらも痛みを感じさせてくれるような演技だった。
1人の男の生き様が描かれている
サバイバルで生き残るテーマもあるがそれ以上に、
1人の男の生き様が描かれている。
救援要請→食料確保→死者弔い→探索→救助通信
自分の時間感覚でなく、乾いたアラーム音で行動切り替える徹底ぶりが印象的だった。
生き残る事だけでなく、次に救助を得る事に対しても切れ間なくベストのルーティンこなしている。
一方で守るべき者が出てくると、あれだけ慎重だった男が入念に準備の上リスクを選択する。
やるべき事をベストを尽くして継続する
こういう男でありたい。
Okay. It's okay. It's okay. You're not alone. It's okay.
主演のミケルセンはプレスリリースでこう述べている。「ハードだったから見た目をハードにする必要はなかった」と......
彼の映画に対する姿勢や精神構造の一部が垣間見ることが出来る映画で、彼が何故、母国のデンマークから勲章を受章しているのかも納得ができ、しかも、この映画にも反映されていると言える。
シナリオとしては、不時着をした軽飛行機内でサバイバルをしている限りは、命の危険などなく、食料もサケ科の魚のトラウトも、保存できるほど獲れるし、水もある。ただ寒さだけは、機体だけでは南極よりも温かいとはいえ、平均気温が‐25℃だし、右足の指2本を凍傷?で無くしてもいる。
快適とまではいわないが、命だけは何とかなっていた生活にある日、救助信号を聞きつけてか、一機のヘリコプターが吹雪の中、飛んできたが、敢え無く着陸に失敗、機体が大破してしまう。その中には、1人の東南アジア系の女性が乗っていた。それも腹部に深い傷を負っている。
彼女の傷の手当てをし、栄養を付けてもらおうと、すぐにでも彼女の口に運ぶ、オボァガード特製トラウト・ヌードル。そのさりげない優しさが、次の言葉の信用性を増し、とにかく彼女を勇気づけるその人オボァガード。
They're looking for you, don't worry.
They'll be here tomorrow.
Or the day after tomorrow.
Don't worry, okay?
しかし、そうは言っても彼女は、意識がなくなったり、傷口もこのまま放っておいては、いくら寒いと言っても化膿し敗血症にもなりかねない。その時、彼は、彼女が家族と映っている写真を見つける。言葉には一切出さないが、彼の心の中では1つのことを既に決めていた。
2 ALIVE HEADED NORTH TO ◇
H. OVERGÅRD
登場人物は、死体さんも含めて3名。その中で台詞を言える立場の人が、オボァガード役のマッツ・ミケルセンだけなんて⁉ しかも、あたりは、寒々しい極寒の地。白い雪とごつごつとした黒い岩肌の風景。サウンドスケープ(音風景)なんてあったようだが、耳には残っていない。そんな映画が成立するのか? 97分、どんな展開になるのか?
ただ言えるのは、この少ないイベントの中で、観客に対して飽きさせないことが大前提と思われがちだが、その事に関しては、クリアしていることは確実な事。この俳優、マッツ・ミケルセンの役者魂が冒頭で書いたことでわかるものとなっている。すごい俳優さんです。頭が下がる思いです。
Hello.
Hello. Hello. I'm sorry. It's okay. You're not alone, okay?
amazon.comではすでにVODでレンタル配信され、あるレビューによると”時間の無駄”、”サバイバルとして体をなしていない。”など☆1の意見もありますが、59%の方が、☆5を付けているのも事実です。
Arizona Republic:アリゾナ州フェニックスで発行されている日刊紙。USAトゥデイと関係あり。「 長い道のりの旅はうまく達成され、映画の中の緊張感は続き、障害物は馴染みのあるジャンルで、悪天候、トリッキーな岩、気の荒い熊など普通に感じることができるものです。」
JumpCut Online:映画、テレビ、ビデオゲームレビューの急速に拡大し、簡単にアクセスできるデータベースであるウェブサイト。
「この映画は、人類と一人の男の絶え間ない野望、希望、忍耐力に焦点を当てたゆっくりと落ち着いた映画であり、自分自身と別の人生を救うためにミッケルセンは、この映画を別の傑出したパフォーマンスで推し進めています。」
Okay. It's okay. It's okay. You're not alone. It's okay.
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