シンクロ・ダンディーズ!のレビュー・感想・評価
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傑作ではないがほっこり
できすぎの妻と思春期の息子に邪険にされてる
中年男性。
仕事はあるけど特別出世してるほどでもない。
ひょんなことからおじさんばかりの
シンクロチームに入ることになってから
人生が楽しくなってくる。
こういった巻き込まれ型の人生賛歌な作品は
珍しくなくあるものの、
それでもやはりしょぼくれた姿から
生き生きと変わっていくのを観るのは楽しいもので。
家族も仕事も恵まれてる(はず)だったのから
本当に心から愛する家族と仲間を得ていく。
ちょっとした笑えるスパイスもあるのが
イギリスのコメディらしくて
自分はそこがツボにはまって好きだ。
決して傑作や名作にはならないけれども
楽しい時間を与えてくれる良い作品。
こっちの方が好み
シンク・オア・スイムを劇場で観たかったが、叶わず。
その後アマプラで観たが、結果的にこっちの方が個人的に好みだった。
イギリスらしい映画だったし、笑って泣いて。意外にもなんだかすごく感動した。
引き締まってないおっさんの裸はノーサンキューで、細マッチョチームが観たいのだが。(笑)
スウェーデンチームが主役ではないが、さすが圧巻の演技!
(日本チームは名前だけで、演技シーンはなく)
ひょんなことからチームに加わることになったエリック。
チームには規約がいくつかあり、それがまたいい。
(でも、外部にしゃべっていいんだっけ?)
チームの人間関係がいいなと思った。
プライバシーは尊重するが、悩みがあれば聞いたり吐出したり黙って見守ったり。
実際の演技はスタントなのかわからないが、あそこまで出来るってすごい。
日々の仕事もプライベートもそれぞれ別、それぞれ悩みや悲しみを抱えて生きているが、プールでは全て忘れてチームに。
なぜシンクロを始めたかは謎だけど、なんだかカッコいいと思った。
かなりハードだと思うが、体は鍛えられそう。
コーチ役のスーザンも敵役だったなぁ〜。
やんちゃなトムと見守るコリン。それをさらに見守るチーム。
プールでトムを匿うシーンは笑えた。
ミラノに奥さんと息子が来なかったのはやや残念だったが、あえてそうしたのだろう。
ミラノに来て感動して終わり、ではなく、まさかの陸のシンクロを見せられるとは!(笑)
環境も文化も違うけど、こんな風に年を重ねたいと思うのは、世界共通なのかもしれない。
良い作品だった。
ウォーター・ボーイズ中年版
頑張れ!中高年!と、自分のことは棚に上げて観た。結局はスーザンの言う「おバカ」が彼らを表現していた。映像的には面白いカットがいくつもあったけど、水の中の映像が綺麗だったため、プール通いしたほうがいいかなぁ・・・などと思ってしまった。
様々な職業、それぞれの抱える問題、そんな男たちの集まりだったが、プールのことは口外しないなどのイギリス紳士らしい規則もある。主人公エリックは会計士で、妻ヘザーは地方議員に当選したばかり。同じ議員との浮気を疑ってしまい、居づらくなって家出・・・。他には妻を亡くした初老のテッドや、不倫が原因で全財産を失うことになったルーク、警察に追いかけられるトムetc.
エリックは、単調な仕事の中で妻の立候補について関心を持たなかったのか?その辺りからすでに不仲になっていたと思うのだが、息子たちのナイスプレーによって救われた感じ。いい息子じゃん!
とにかく中高年の応援讃歌といったイメージが残るけど、笑えるところがピリッとしてなかった。逆にシリアス面で、テッドの気持ちや他のメンバーの問題も少し描いてほしかった気がする。息子もミラノに行けばよかったのに・・・とかも。
イギリスのおじさんは最強
主人公は政治家となった妻とは倦怠期で、人生に疑問を持ち始めた。
そんな時、プールでシンクロをやっているおじさんたちと出会う。
次第にチーム感が生まれ、気持ちが前向きになっていく。
イギリスのおじさん連中はコメディをやらせると抜群に面白い。
【単調な会社生活と行き詰った家族関係に閉塞感を感じていた中年男は思った・・。”♬生きてるって何だろ、生きてるってなーに♬”By ファンク兄弟のテーマの”アレンジ”が脳内に流れた作品。】
ー今作公開前、フランス映画の「シンク・オア・スイム」を楽しく鑑賞。数か月後に、ほぼ同じテーマを扱った劇場公開された今作を”物理的制約もあり”劇場での鑑賞を見送った・・。
今作鑑賞後の極私的結論:”しまったあ・・、劇場で観たかったなあ・・。”
■簡単な粗筋
・会計士として単調な毎日を送るエリック(ロブ・ランドン)は地方議員に当選した妻ヘザー(ジェーン・ホロックス)が生き生きとして生き、同僚の議員との仲を邪推し、拗ねて家出する。
-しょーがないなあ・・、エリック。ちょっと、格好悪いぞ。-
・そんな中、エリックは公営プールで中年男性達のシンクロチームと出会い、得意の数学を駆使しつつ、シンクロの面白さに目覚めていく。
■今作の魅力
1.個性的なシンクロメンバーのキャラ立ち
・リーダー的立場のイケメン、ルーク(ルバート・グレイブス:妻と離婚し、慰謝料を取られ、しがない船上暮らし。幸せだった頃の娘達との写真をさり気なく、船内に飾っている・・。)
・最年長、テッド(ジム・カーター:良く出演をOKしたなあ・・、良い)
・謎の青年トム(何故か、保護観察中)とトムの保証人でぽっちゃり体系のコリン(ダニエル・メイズ:「フィッシャーマンズ・ソング:良作です。」で、漁師たちの人柄に触れ、目覚めていく都会の音楽プロデューサーを好演していた・・)
2.単調な日々を送るエリックの姿の描き方
・妻との関係性が、ギクシャクしていく。息子からも・・。
・日めくりカレンダーを使った、無為な日々の描き方。
- 笑顔がないロブ・ランドン演じるエリックの無気力な姿。顧客にも暴言を吐き、職を辞す。”辛い日々だな・・、若干自業自得な感はあるが・・”-
3.シンクロチームのルール
・全てはプールの中で
・私生活を持ち込まない
・個の力がチームの力
- 良いなあ・・。良い組織の鉄則である規律規範を保つキーワード・・-
4.彼らを率いるコーチ、スーザン。シンクロのトップ、スェーデンチームの選手が恋人。最初は優しいが、徐々に熱が入り・・。
◆そして、彼らは”非公式ながらも開催される)男子シンクロ世界大会に臨むのだが・・
・試合前の緊張感漂い、悲愴な意見を言うメンバーも出る中、彼らに生き甲斐を授けられたエリックが言った言葉
”妻からも、息子からも、仕事からも逃げてきた・・。けれど、みんなは逃げない方法を教えてくれた・・”
◆世界選手権後の彼らの姿も良い。
・ルークはスーザンに勇気を出して・・。手荒い仲間たちの祝福。
・エリックも、公共図書館を守ろうと頑張る妻の前で、仲間たちとパフォーマンスをする。驚いた妻ヘザーが、彼に取った行動・・。
<中年の危機を乗り越えようとする、おじさんたちが頑張る姿が可笑しくも、なんだか心に沁みた作品。>
■蛇足
・冒頭に記載したように、今作の少し前に劇場公開されたフランス映画の「シンク・オア・スイム」と見比べると、何となくお国柄の違いが分かるような気がします・・。
勘違いの嫉妬で暴走した会計士のおじさんが、シンクロメンバーに加入し...
「中年の危機」は乗り越えたいものだね
中年男性シンクロチームの実話をモチーフにした英国製映画。
同じ題材のフランス映画『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』は見逃したのですが・・・
有能な会計士エリック(ロブ・ブライドン)の息抜きはプールで泳ぐこと。
先ごろ妻が地方議員に当選したこともあり、ここのところミドルエイジ・クライシス(中年の危機)を感じている。
息子とも折り合いが悪く、そんなこんなで妻の当選祝いのパーティに遅刻したことがきっかけで、家を飛び出してホテル暮らしをすることに・・・
といったところから始まる物語で、その後、彼が通うプールで集まってシンクロスイミングをしている7人の男性グループから「境遇が似ている、是非に」とスカウトされ、一緒にシンクロを始めることになる・・・と展開する。
シンクロチームなので登場人物は多く、中年男性の群像劇かと想像していたが、主役のエリックに焦点を当てたつくりとなっていて、ちょっと物足りない気もするが、出演者は他にテレビ『SHERLOCK/シャーロック』シリーズのレストレード警部役が有名なルパート・グレイヴスぐらいした見知った顔がいないので、あまり他のメンバーのエピソードが描かれてもくだくだしくなるだけ。
他のメンバーの挿話がまるでないわけでもないので、主役に絞るこの作劇は悪くない。
他のメンバーでは、無口を通り越して一言もしゃべらないサイレント・ボブが、最後のひとことだけ助言するところは、定石だけれど、洒落ている。
ルパート・グレイヴス演じるルークが離婚して、ボート暮らしなのも侘しい(ただし、ボートはそこそこのクラスのものなんだけど)。
というわけで、いろいろあった中で、主人公がミドルエイジ・クライシスを乗り越える結末も悪くはなく、水準点の出来栄えかしらん。
中年世代への応援歌
おっちゃんシンクロ第2段。フランス版『シンク・オア・スイム』に続き、元ネタを同じくするイギリス版である。
大まかな流れは同じ。家庭や仕事に問題を抱える中年男性が、成り行きで参加したシンクロチームに共感や勇気を見出だし、もう一度人生に立ち向かっていく。
細かなディテールの違いは色々とあるが、『シンク・オア・スイム』が、うつ病や退職で自信を喪失していた主人公が、同様に何処かダメな仲間達と大舞台に挑み、誇りと自尊心を取り戻す話とすれば、『シンクロ・ダンディーズ』は、仕事一筋だが人付き合いは苦手、家庭でも職場でも充実した人間関係を築けず居場所のない男が、チームで一つの目標を目指す内、人に真摯に向き合う事の大切さを知る物語。
フランス版が、チーム全員の諸事情を多視点で描いていく群像劇だったのに対し、イギリス版は、主に主人公に焦点を絞っており、話の筋は追い易い。
心情表現もストレートなものが多く、何なら台詞で説明してくれる。ギャグも真正面の下ネタもあるが、まあ、小学生レベルなので苦笑い…みたいな。
オフィスシーンの早回し、日にちカウントダウンのちょっとした仕掛けなど、ビジュアル面で面白い所が多かった。
ラストの展開が、私にはちょっと腑に落ちない部分もあったが、アレ、奥さんの政治家活動に支障が出るんじゃないの?というのは、日本人的感覚なのかな。衆目に怯まず貫く程の意思表示が欲しかった、という事だろうか。
まあ、その後の、よく解らんが大団円らしい、とハッピーに踊り混じる群衆、トムの台詞「カオスを楽しんでる!」が、この映画を一言で象徴しているのかも知れない。
『シンク・オア・スイム』『シンクロ・ダンディーズ』、どちらも違った面白さがあるし、見比べてあれこれ考えるのも楽しい。
何より、半券割引496円のサービスが最強!『シンク・オア・スイム』の半券をお持ちの方は、今作も是非。もし趣味に合わなくても、ティータイム一回我慢したと思えば済むしね。
プールにウンチ
がんばる中高年は最高!
同時期に・・・
#64 仕事と家庭以外にも居場所を
『ウォーターボーイズ』のおかげで日本では男性のシンクロを奇異に感じない分コメディ性は薄い。
仕事にも家庭にも行き詰まってる男性が、純粋に仲間と一つの目標に向かって突き進む姿は日本でも共感が得られるのではないか。
地味な作品だけど人生に疲れている人にオススメ。
ダウントンアビーのジム・カーター
イギリスのコメディを笑えないものにとって、この映画は苦痛のほか何ものでもない。
ところでつい最近、観た映画の中でフランスの「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018)」というコメディがあったのだが、その内容がこの映画と重なるというか設定が似通っている。まず、中年の悩みを抱えたおっちゃんが、シンクロナイズドスイミングにのめりこむことやサクセスストーリーのような盛り上げ方や何とコーチが若い女性であるところも似ている。中年オヤジのシンクロなんてレアな素材を誰が考えるのかと思っているとイギリスでも同じ内容の物を作るというのは、何故?と思ってしまう。
それと御年70歳のジム・カーターもシンクロに参加していて拍手を送りたい気持ちになったので、☆2にした。ただただあたまがさがる思いでした.......!?
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