ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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文字や形にする大切さ
この作品を通して改めて自分の気持ちや考えってのを言葉や文字や形ににし、相手に伝えることの美しさ大切さを感じさせてくれる。また相手にだけではなく、時として文字や形にすることで自分自身にも迷いや不安を拭わせてくれ、確信に繋げるツールとして非常に大切なんだと言うことが改めて感じさせてくれる。
ただ作品内の情景やストーリー性はありきたりで、良くも悪くも地味な印象を受けた。
決して悪い作品ではないが、個人的には普通といった印象で若干退屈にも感じた。
見応えがあり、良い作品でした。
味わい深い
ミステリーとは?
予告編を見た記憶もなく、特に興味はなかったんだけど、ミステリーとあったので、観に行くことにしました。
私は、何かしら事件が起こるものだと思ってたんですよ。いっこうに、何も起こらない。まあ、エリザベスの行方など、謎はありましたけどね。
で、ミステリーって、なに?ミステリーの定義って?と思った訳ですよ。調べてみたら、推理ものということではないんですね。
さて、ストーリーですが…。事件は起こりませんでしたが、エリザベスの行方など、ゆっくり紐を解いていく感じ、悪くなかったです。個人的には、エリザベスに生きてて欲しかったけど、そうすると、ラストの3人家族の絵に収まらないからなのかな…。みんなで、キットを守ろうとしている様は、ちょっと感動もしました。
でも、全体的に、ちょっと地味でしたね。ひさしぶりに、睡魔と戦ってしまいました。
クラシックで上質な装丁のドラマ
美しい奥深い映画
主演の女優がとても良かった
懐かしい顔を探して歩いてきたの
☆☆☆★★★ ポテトパイは味がなさそうだ! でも、この作品には様々...
☆☆☆★★★
ポテトパイは味がなさそうだ!
でも、この作品には様々な素材と調味料で味が整えられていた。
それらから、しっかりと《旨味成分》を引き出したのは、監督であるマイク・ニューウェル。
決して名作…だとは思わないのだけれど。月に1本でも、こうゆう作品を観れたなら。確実に心を豊かにさせて貰える、そんな一品でした。
2019年9月20日 TOHOシネマズ/シャンテシネ2
戦争の不条理と自分らしい人生
邦題長いなーと思っていたら、原題はもっと長かった(笑)
少し前にも『マイ・ブックショップ』という、本をテーマにした作品を見た。傾向は大分違うが、同じく、本を愛し、『物語』を必要とする人々の物語である。
イギリス領ガーンジー島、第二次世界大戦中ドイツ軍に占領され、厳しい締め付けに苦しむ中で結成された読書グループ。
戦後縁あって読書会の存在を知った女流作家ジュリエットが、島を訪れ、戦中の話を聞いていく。
読書会の一員、今は島にいない『エリザベス』を中心に話は進行していくが、彼女が物語の主体ではない。読書会のメンバー一人一人の、エリザベスとの関係や思い出を通して、戦時中の苦しみ、悲しみ、恨み、後悔。各々の物語が各々の口から語られ、ジュリエットによって一つの物語に纏められていく。
もうひとつの大きな流れが、主人公ジュリエットの人生。戦時の不条理の中でも、自らの信念を曲げなかったエリザベスの影を追う内に、本当の自分、本当の居場所、本当の愛を見つけていく、一人の女性としてのジュリエットのパーソナルな物語である。
戦争もの、自己探求、ラブロマンス。色々な表情を持つ為、一つのテーマに絞った鮮烈な印象は余り感じられないが、ドラマとしては取っ付きやすく、バランスよく作られた作品と言えるのではないか。
ジュリエットの親友かつ編集者のシドニーが、女性から見て、こんな男友達いたら最高だな!という立ち位置でいい味出していた。
タイプライターの打刻音と共に刻まれるタイトル、エンドロールのバックに流れる読書会の音声など、一捻りある演出も面白い。
戦争の悲劇から生まれる勇気と幸せ
戦争が生んだ奇跡と悲劇
共感部分がない
予告編チラ見だったせいか、数十年の時を経て重大な秘密が暴かれてゆく恋愛ミステリー的な作品を想像してしまった。
なんだ、たったの4~5年前のこと。しかももったいぶってラストまで隠すほどの秘密でもなく、最初から明らかにされて、そこから紡ぎ出す展開でも良かったとも思える。
大戦中、ドイツ軍占領下、などのキーワードはあるものの、それほど切羽詰まった状況にも思えないのは、島の美しい風景と島民たちのまったりした気質が影響しているからか、ドキドキ感がない。
外から来たヒロインの気持ちはわからないでもないけど、まったくもって自由奔放。この子だったらこの島に来なくても一人で勝手に前に進んでいけるよと、背中を押すまでもない行動力があるので、それほど共感する部分がない。しかも人との関わりがどれもこれも雑な描き。
結末も想像の範囲内。やっぱりなという感じで感動もない。予告編の作り云々以前に、それほどの作品ではなかった。残念。
力強い人間ドラマ
ミステリー仕立ての上質な作品である。第二次大戦後のロンドンでは復興めざましく建物は修理や新築が相次いで綺麗なペンキも塗られているが、人の心の中に残る戦争の惨禍の傷跡はまだ開いたままだ。
主人公ジュリエットもそんなひとりで、肉親を失った以上の喪失感を心の奥に隠しつつ、明るく強気に振る舞う。アメリカ兵の恋人は型にはまった幸せが望みであり、ジュリエットのうわべだけを愛し、気が利いたふうな社交界の付き合いに彼女を引き込み、その生活が幸福で楽しいものだと信じている。
いろいろなことがうまくいかない彼女のもとに、ある偶然から住所を知った男性からの手紙が届く。聞いたこともないガーンジーという島からの手紙だ。しかしそこにはどこか彼女を惹きつけるものがある。そこで彼女は浅薄で哲学のない彼氏を残してガーンジー島に出かけるのであった。
物語の設定は前半でほぼ出来上がっていて、あとはパズルのピースをはめ込むように進んでいくシーンを気軽に楽しめる。じゃがいもの皮のパイは、想像しただけでとんでもない不味さだろうし、多分体にもよくない。イギリス料理の不味さは世界的にも有名だから、そのあたりのアイロニーも感じさせる。指輪や勲章などのキーアイテムは説得力を持って登場し、使われる。主人公が無意識に予期したとおり、ガーンジー島には彼女の心に空いた穴を埋める何かがあった。
編集者のシドニーや手紙を送ってくれたドーシー、そして郵便局の少年など、魅力的な人物が登場する。それぞれの造形はよくできていて、みんなエネルギーに満ちている。多くの犠牲を払った戦争の傷を抱えつつ、それを癒やしながら前進していく彼らの姿に、ジュリエットは大変に勇気づけられ、熱が伝染るようにエネルギーが満ちてくる。原題はとても静かなイメージだが、実に力強い人間ドラマである。
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