ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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タイトルで惑わされる。
戦争物?読書会?
美貌の記者のジュリエットがガーンジー島の読書会の存在を調査するお話。
不思議な話なのだけども、結末は純愛物💓
原題 THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY
kindleが139円だったので、買ってみた。
今度読んで見たい。
エンドクレジット
WOWOWオンデマンドで見ました。美しい風景の中のリリー・ジェームズを見ているだけでも心やすらぐけれど、ストーリーも心温まる。それにしても、「読書会」のできるバックグランドがうらやましいな。
特に、エンドクレジットで流れる読書会での有名なフレーズの朗読と、それに対するコメント。シェークスピアのテンペストしか分からなかったので、調べてみたら、以下の通り。
To the Lighthouse 「灯台へ」by Virginia Woolf (Amelia Maugery (Dame Penelope Wilton)),
Treasure Island 「宝島」by Robert Louis Stevenson (Eben Ramsey (Sir Tom Courtenay) and Eli Ramsey (Kit Connor)),
William Shakespeare's The Tempest 「テンペスト」(Dawsey Adams (Michiel Huisman) and Juliet Ashton (Lily James)),
Jane Eyre 「ジェーン・エア」」by Charlotte Brontë (Isola Pribby (Katherine Parkinson)),
Oscar Wilde's The Importance of Being Earnest 「真面目が肝心」(Sidney Stark (Matthew Goode)),
"The End" by A.A. Milne (Kit (Florence Keen)).
・・・・こういう映画を見る英国の人たちの文学リテラシーがうらやましい。
思わぬ秘密
一言「邦題ナイスタイトル!」
原題「THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY」。
直訳すると「ガーンジー島の、本&ポテトパイの会」なので、秘密という単語はない。
だけどストーリーには、秘密が隠されている。むむむ。
読書の話かなと思って見始めたら。そういう要素もあったけど。
1941年と1946年の話が行ったり来たりで、ドイツ軍に抑圧されたガーンジー島の人々の話。
「集まりは禁止。だけど文化的な物ならまあ、いいだろう」。
というのを逆手に取って、できた仲間うちの読書会。
主人公がその会を知ったきっかけが、ちょっと懐かしい。
私の祖父や伯父は、自分の蔵書には住所と名前を書いてました。
ここでも、主人公の住所・名前が入った古本を、島の人が見つけて手紙を出したのが。
取材に行くきっかけに。たかが本されど本。一冊が人の心をつなぐんだなあって。
「私たちの戦争は終わっていない。母と子が再会するまでは」。
会の老婆が主人公に訴える言葉。静かな訴えが切なかったです。
「書くべきか、書かざるべきか」。島から帰った主人公の悩む姿、出した答え。
ちょっとだほろっときました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「読書が人に与える力を書きたい」。
サスペンスではありませんでした。
第二次世界大戦直後のイギリス。手紙をきっかけに、孤島の読書会を訪ねた小説家の物語。
サスペンス色の強い映画だと想像しての鑑賞でしたが、恋愛物でした。
でも、ラブストーリーが苦手な私が観ても、それなりに楽しめた作品でもありました。
読書会のメンバーと主人公の交流が、暖かく描かれていて好感が持てます。
また、戦中戦後の世相を描いていたことも興味深く感じました。
ただ、評価はやや低め。
単純に私が恋愛物が苦手・・・と言うこともあるのですが、主人公にあまり共感を覚えなかったことが原因でしょうか?
幾つか理由はあるのですが、一番は、行方不明の女性に興味を持ち調査することに違和感を感じたこと。小説家らしい好奇心なのでしょうが、人々の古傷を抉りかねないその行動に、説得力を感じませんでした。
もう少し説得力のある理由を提示出来れば、サスペンス色ももう少し映えたように感じ、残念に感じました。
喪失体験の浄化と再統合の物語
途中までは、ナチスドイツの罪を指弾しようとしているように見えますが、そうではありません。ドイツとイギリス、どちらかが善でも悪でもなく、戦争の不条理を描くのかとも思えましたが、そうでもないようです。戦争による喪失体験の浄化と再統合の物語です。読書で結ばれた5人のメンバーとジュリエットは、各人それぞれに喪失体験を抱えていました。5人とジュリエットとが出会うことによって、最後には、やっと彼らの心の中でも戦争が終ったと考えられます。心が洗われるような感じで見終わることができる映画です。
ガーンジー島の美しい風景も見どころです。
また、これは僕だけだと思いますが、見ていて、ここ数年に見た戦争、英国がらみの映画をいくつも思い出し、懐かしい感じもしました。地雷の撤去された海岸を散歩するシーンでは「ヒトラーの忘れもの」、港では「人生はシネマティック」、ラストシーンでは「ノッティングヒルの恋人」のラストシーンを思い出します。
人々の「戦後」
ガーンジー島に行きたくなる映画。
自然や建物の景色が美しい。
本を読みたくなる映画でもあるし、じゃがいもの皮パイを食べてみたくもなる映画。
子役のイーライとキットがかわいいなぁ。
戦後直後の光と闇…までは言い過ぎだが、影と日向がそれぞれガーンジー島とロンドンで織り成されているよう。戦争はまだ終わっていない場所もあれば、終わってお祭りしている場所もある。
どっちが正しいということはないし、価値観で決めることだろう。ある登場人物のように、自分の正しいと思うこと、幸せだと思うことを見つめ直せる機会になった。指輪の対比もそう。
編集者のシドニーは登場場面は多くないながら、鬼編集と思わせて内面まで理解してくれている関係性が心地よい。
読書会のメンバーもそれぞれ個性と歴史があり、人物について深掘りができて、ヒューマンドラマとしてすごく楽しめる。
ドーシーのセーターの穴は数年前から広がりもせず持ち堪えているのは、逆にすごいことではないか…。
「私とは来世で会おう」
読書会も魅力的だけど、映画サークルがいいなぁ・・・
こんなに泣ける作品だとは思わなかった。単純に反ナチ映画かと思っていたら、恋愛パートや消えたエリザベスのミステリアスな部分など、見どころがいっぱい。ナチスだからと言って、全てが悪い人じゃないといったところも・・・
欧州連合にも加盟していない自治権を持った島。人口6万人というから、映画で見たイメージよりも大きい島なのかも。フランスの方が近い独特な島もナチスに占領されるという不幸に見舞われ、集会禁止令も出される中、仲の良いグループがたまたまナチスに見つかり、思いついたかのように読書会の帰り道だとごまかした。その名も「ガーンジー読書会とイモの皮パイ愛好会」。
古本の中にあったジュリエット・アシュトンの名前と住所が書かれていた詩集によって、島の読書会と彼女の文通が始まり、やがて彼らに会いたいと願ったジュリエットが戦後島を訪れるという物語。読書会のことを記事にするなと言われたり、島の人々の人間関係を調べたりするうちに、読書会の創設者の一人エリザベスがいないことに気づくジュリエットであった・・・
エリザベスの娘キット、彼女についての噂、憶測よりも自分で調べるという好奇心により徐々に真相が明らかになっていき、誰もが戦争による被害者であることがわかっていく。ジュリエット自身も両親を空爆で亡くし、ロンドンではトラウマにも悩まされているのです。
恋愛パートではなんとなく予想もつく流れになっていましたけど、やっぱり血の繋がらない子どもを育てているドーシーがいい。個人的には「嵐が丘」を夢見るアイソラもいいと思うのですが、人それぞれ・・・。作家としてアン・ブロンテについても書いているジュリエットだったし、イギリス文学の色んなうんちくが詰まっている作品でもありました。『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観てきたばかりだったので、所々どことなく被ってしまいました。
主人公の決断、元気になります⭐️
こんな時期だからこそ、見て良かったと思わせてくれた映画です。
戦時下の事情を引きずっている人々の群像劇なので、
辛い過去が露わになってくるのは、あんまりな場合は
嫌だな、と思っていましたが、皆さんのレビューの通り
とてもいいラストになっていました。
道は自分で決めるもの、というラスト、特に良かったですね。
二本立て二本目。基本ハズレのないパルシネマだが、こいつは久々個人的...
あらゆる意味で最高の映画です、一日で二度観たから
Rich content rather than its title
読書会というのをちょっとやってみたくなった。
素敵な物語でした。
小さいけれど強く光る粒々が集まったような
しっとりした映画です。 それぞれの登場人物、全ての人の気持ちになっ...
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