「薔薇派?野草派?私はローストポーク派」ガーンジー島の読書会の秘密 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
薔薇派?野草派?私はローストポーク派
映画には製作国のお国柄とか国民性が出る。マーケティングの一番目は当然自国だろうから、当たり前と言えば当たり前だ。
例えばアメリカ映画だと、善悪のハッキリしたハッピーエンディング。日本映画ならグレーゾーンのビタースイート。イタリア映画なら大体、食事シーンがある。
そんな感じで、イギリス映画は、食事シーンがない作品が多いが、本作の序盤に登場したローストポークには驚いた。過去に観た映画の中の食べ物と比較しても上位に入りそうなほど美味しそうなローストポーク。
フランスが絡んでいるからできたのか?イギリス単独では無理だろ?イギリスは素でポテトピールパイが限界だろ?そうだろ?
ポテトピールパイだって、要は形の変わったローストポテトなんだから不味いわけないんだが、不味いハズと思い込み、実際に不味く作れるのがイギリスだろ?
あまりに衝撃的なローストポークの輝きに目がクラクラしたので星を少し追加しておく。
さて内容について。私は特に文句もなく最後まで楽しめたのだが、妻は面白くなかったという。自分らしくある女性の物語で最近流行りのテーマだし好きそうだと思ったのだが。
あまりに予定通りに物語が進み、驚きや発見といった映画的喜びがなかったという。
ヘミングウェイが言う「氷山理論」、本体の7、8割を隠すことで氷山は強くなる。つまり、見えていない余白があることで作品は面白くなる。これに当てはめて考えると「ガーンジー島の読書会の秘密」は確かに丸見えすぎて刺激不足ではある。
それでも私は、最終盤のジュリエットからの手紙から始まる一連のラストシーンは良かったと思うし、ローストポークでストーリーとは関係ない刺激も受けたので楽しめた。
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