「喪失体験の浄化と再統合の物語」ガーンジー島の読書会の秘密 モーパッサンさんの映画レビュー(感想・評価)
喪失体験の浄化と再統合の物語
途中までは、ナチスドイツの罪を指弾しようとしているように見えますが、そうではありません。ドイツとイギリス、どちらかが善でも悪でもなく、戦争の不条理を描くのかとも思えましたが、そうでもないようです。戦争による喪失体験の浄化と再統合の物語です。読書で結ばれた5人のメンバーとジュリエットは、各人それぞれに喪失体験を抱えていました。5人とジュリエットとが出会うことによって、最後には、やっと彼らの心の中でも戦争が終ったと考えられます。心が洗われるような感じで見終わることができる映画です。
ガーンジー島の美しい風景も見どころです。
また、これは僕だけだと思いますが、見ていて、ここ数年に見た戦争、英国がらみの映画をいくつも思い出し、懐かしい感じもしました。地雷の撤去された海岸を散歩するシーンでは「ヒトラーの忘れもの」、港では「人生はシネマティック」、ラストシーンでは「ノッティングヒルの恋人」のラストシーンを思い出します。
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